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side:【剣聖】と【聖女】(2)

ナラハ王国に召喚されてから3ヶ月、勇者と聖女として研鑽を積んできたユウトとミサキ。彼らは日々の訓練に耐え、少しずつその名にふさわしい力を身につけつつあった。


ユウトは【剣聖】のスキルを持っているため、ナラハ王国の剣技を次々とマスターし、今や王国でも屈指の実力を持つまでになっていた。その剣技は研ぎ澄まされ、一般兵がまとめてかかってきても一撃で一蹴出来るほどだ。訓練だけでなく、実際の戦場でも彼の剣技は冴え渡り、ゲヘナの森の外層に棲むモンスターたちレベルの相手に対しても問題なく仕留めていた。


一方、ミサキはその聖なる力を磨いていた。王国の古い魔法書に記された聖魔法をほとんど全て使えるようになり、癒しと守りの力を最大限に発揮することができた。彼女は攻撃魔法を持たないものの、その補助能力は非常に強力で、味方を支え続ける重要な存在となっていた。特に彼女の使う「エリアヒール」は、自分を中心に広範囲にわたる仲間を回復させる効果を持ち、王国の兵士たちからも絶大な支持を得ていた。ミサキのおかげで戦場での死傷者は劇的に減少し、そのことに対して兵士たちは感謝と敬意を込めたエールを送っていた。




「あれから3ヶ月か…」


ユウトはふと思い出す。あの日のことを。


「今の力があればどうにかなったのか…」


ユウトから後悔の念が溢れ出す。


「仕方ないよユウト、あの時の私たちには何も出来なかったんだから」


ミサキは嘆くユウトを慰める。


あの日のトーマへのナラハ王国の仕打ち。


何も出来なく見捨てるしかなかった自分たちへの悔恨が今も二人の中に残っていた。


それでも進んでいく時の中で彼らはやれることを全てやった…その結果力を手に入れた。


(もうトーマみたいな…トーマだけじゃない理不尽なことを起こさせない!)


ユウトはそう心の中に誓うのであった。




そんな日々の中、ユウトとミサキにある王命が下された。それは、ナラハ王国の兵士を殺し、ゲヘナの森に逃げ込んだとされるA級冒険者の討伐依頼だった。




「その冒険者はなぜ兵士を殺したのですか?」


ユウトは大臣へ聞く。


「奴は【大剣】のグラス。この国では騎士団長と互角に闘える剣士だ。元々傲慢な性格な奴と聞く。理不尽なことも多かったそうだ。」


その話を聞き、ユウトは拳を強く握る。


(なぜ、なぜそんな理不尽なことができる!?)


ユウトは守るために強くなった。だからこそグラスの蛮行が許せなかった。


「グラスは僕がなんとかして見せます!」


「私も協力します!」


ユウトとミサキ、【剣聖】と【聖女】はそう王座の前で宣言するのであった。

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