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18.裏路地にて

「【反転】」


トーマは少女のケガを【反転】で治す。少女の体からケガというケガがなくなり、トーマの背中で安らかな呼吸を繰り返していた。


「これで少しは楽になるだろう…」


トーマはそう呟き、歩みを進めた。夜が更ける中、ようやくイニツィオの街の門が見えてきた。門番に軽く挨拶を交わしながら街の中に入ると、トーマはそのまま冒険者ギルドへと向かった。




「トーマ!」


ギルドに入ろうとすると、入り口のところでトーマへリアナが声をかける。


「トーマ!無事任務おわ…え?」


リアナがトーマの背中を見た瞬間驚いていた。


「どうした?」


「………」


リアナはトーマの背中の少女を見たまま固まっている。


「…?」


トーマは不思議に思っているとリアナの目つきが変わる。


そして真剣な目つきのままトーマへと話しかける。


「トーマ、ちょっといい?」


「なんだ?」


リアナは表情を変えず続ける。


「一緒に来てほしい」


トーマはそういわれて少し思案するがすぐに「わかった」と答えるとリアナは


「ついてきて」


そういって歩き始める。


トーマはリアナに素直についていった。




リアナが連れてきたのは裏路地の人気のない場所だった。


そこでリアナが先ほどと表情を変えないままトーマに話しかける。


「その子を背負い続けるのは重いでしょ?私が替わるわよ」


そう言ってトーマから少女を受け取ろうとする。


トーマは素直にリアナにまだ眠っている少女を渡す。


リアナはその少女を路地の壁に降ろそうとトーマへ背を向けながら壁へ向かう。


そして少女を降ろすタイミングでトーマはリアナに話しかける。


「で、なんでここに来たんだ?」


トーマが裏路地まで来た理由をリアナに問おうとした瞬間、彼女は振り向きざまに突然、トーマに向かって攻撃を仕掛けてきた。




トーマは一瞬驚いたがリアナの瞬間的な殺意を感じ取り、その攻撃を避けた。しかし、リアナは攻撃の手を止めることなく、さらに追撃を仕掛けてくる。トーマはその攻撃を冷静にかわし続けた。


(まさかリアナから攻撃されるとは…)


トーマは心の中でそう思いながら躱し続けるが、リアナは止まらない。その目には明らかな敵意が宿っていた。


(さて…どうするか?)


トーマはリアナを信用していなかったが、今まで世話になった恩もあったため、殺すことを躊躇した。だが、これ以上の攻撃を受け流し続けるわけにもいかず、トーマはリアナの背後に回り込み、その両手を後ろ手に抑えつけて地面に押し付けた。


何が起こったかわからないリアナは一瞬戸惑ったが、すぐに抵抗し始めた。


「冷静になったか?」


トーマは荒い息をしながら抵抗しているリアナに問いかけた。リアナは顔を上げ、憎しみに満ちた目でトーマを睨みつけた。


「この方をどこで見つけた!?答えろ!」


リアナは激しい口調で問いかけた。トーマは抑え込んだまま、なるべく詳細を伏せて答えた。


「洞窟の奥で見つけたんだ…それ以上は話せない。」


「嘘だ!」


リアナは叫び、さらに激昂した。その体はトーマの抑え込みにも関わらず、まだ抵抗しようとしていた。らちがあかないと感じたトーマは冷たく言い放った。


「命を狙うということは、狙われる覚悟を持つということだ。話を信じるか信じないかはお前の都合だ。これ以上やるなら…()()。」


その冷たい声に、リアナは一瞬動きを止めた。まるでその言葉が氷の刃のように彼女の心に突き刺さったかのようだった。


その時、突然横から声が聞こえた。




「リアナ…?」



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