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乙女な神官戦士と魔法学院教授の異世界法医学ファイル~ボク、スパダリでハーフエルフの先生と一緒に完全犯罪は見逃さないの!~  作者: GOM
第2部 第2章 フィンとミアはずっと一緒に。

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第6話(累計 77話) 実家での捜査会議2:マリーの報告

「では、アタクシからの捜査結果を報告しますの。お父様、お母様も他言は無用ですわ」


「もちろんだよ、マリー」

「ええ。元宮中伯婦人として当たり前の事ですわ」


 夜が更ける中、宮中伯邸にて爆発事件の詳細が語られている。

 最初に入れられた茶が冷えてきたので、老執事らによって全員の茶が入れ直されている。


「セバス、ありがとう」


 老執事に礼を言い、茶で喉を潤したマリー。

 真剣な顔で貴族街で入手した情報を語りだした。


「ミアちゃんの報告にあった妙に重い荷馬車。貴族街への門を通る際に、とある貴族の認証。王城へ荷物を搬入する願いが書いてありましたの。封蝋(シーリング)に押されていた印璽(いんじ)は本物に見えましたので、門を通したと報告にありますわ」


「印璽って偽造されないのかな、お姉さま。それとも無断で使用されたとか?」


 貴族間の文章やり取りにあまり慣れていないミアは、疑問をマリーに聞いてみる。

 彼女自身、仕事で見るのは逮捕状などの封印くらいだから。


「印璽というか印鑑は、かなり高度な技術を使って『象牙』や水牛の角などに彫られる。あ、この『世界』ではゾウはまだ未発見だったか。王や高級貴族が使うものなら、ユニコーンの角に彫られていてもおかしくないな」


「お兄様の言う通り、印璽の偽造はまず不可能でしょうね。確かに無断使用の可能性は否定できませんですの。今回も、問い合わせた貴族は知らぬと言っていましたが」


「で、その貴族というのは……」


「ええ。グラニス侯爵エドモンド・デ・マルゴワール様ですわ」


「ん? 何処かで聞いたことがあるお名前なの?」


 ミアはフィンとマリーが話す内容、こと貴族の名前に聞き覚えがあり反応した。


「はぁ……。ミアくん。ついこの間の事をもう忘れたのかい?」

「ミアちゃん。高級貴族の名前は覚えましょうねって、この方と学長室でお会いしたときに言いましたよね」


 呆れ顔で兄妹でミアに突っ込む。

 学長室というマリーの言葉で、ミアはようやく思い出した。


「あー!! 思い出したの。バケモノになった学長と秘密会談していたガマガエルみたいなオジサンだぁ。じゃあ、犯人は……」


「ミアくんが自分で言ったじゃないか。印璽を勝手に使う場合もあるって。そういう事で逃げられたんだね、マリー」


「ええ。今回も見事に逃げられてますわ。印璽を使った執事は既に処分、死罪にしたと報告もなされていますの」


「えー! 可哀そうなの。本当に悪いのは侯爵様なのに!?」


 ミアは侯爵に使い捨てにされた者が可哀そうと大声で騒ぐ。

 その様子に他の四人は笑みを浮かべる。

 貴族社会にあって、平民や側仕えなどは使い捨て出来る道具。

 もちろん宮中伯家においては、その様な考えの者はいないのだが、ミアの様に怒れる純真さが羨ましく思えるから。


「何、みんな、ボクを見て笑っているの? 酷い事を話していたんでしょ?」


「あ、すまない。ミアくんみたいに皆が正しくあれば誰も不幸にならないと思っただけさ」


「ええ。その純真さを失ってほしくないですわ、ミアちゃん。さて、話を続けますわ。その荷馬車を通した後、事前に話を聞いていない事を思い出した門番は急ぎ城に魔法連絡をし、念のために騎士や警察官らが荷馬車を確認するために派遣されました」


 マリーは報告を続ける。

 荷馬車は再確認のために貴族街の大通りにて足止めをされたと。


「大通りで止められた荷馬車は、派遣された騎士らと揉めていたそうです。これは現場から少し離れた場所。大体五十メートル程東にあった魔法研究施設の三階から目撃していた高位の女性魔法使いさんから証言を得ています。大声で騒ぐので、気になって窓をあけて見たそうですの」


「あ、もしかしてボクが助けた女の人かな? 建物が半壊していた中にいた人。魔法使いさんらしいローブを着ていて、眼と耳が酷い事になってたけど、ボクが治してあげたんだ」


 マリーの報告より、証言者をミアは助けていたことに気が付いた。


「ええ。その方ね。ミアちゃんにはすごく感謝していたわ。荷馬車の様子を見る為に身体強化魔法を使っていたそうですの。更に爆発の瞬間、とっさに防御結界魔法を使ったおかげで、眼と耳に怪我をなされましたが建物に潰されることも無く生き残ってました。その怪我もミアちゃんが治してあげて良かったですわ」


 身体強化により肉体強化、反応速度向上。

 更に防御魔法を使ったので、証言者は生き残れたとマリーは話す。

 なお、研究施設があった建物で生きていたものは彼女だけだった。


「そーなんだ。せんせー。ボク、一人でも助けられてうれしいよ」

「だね。ミアくん。キミは凄いよ」


 隣に座っていたフィンは、嬉しそうな顔をするミアに手を伸ばし、頭を優しく撫でた。


「うふふ。可愛いミアちゃんですわね。さて、その目撃者曰く。荷馬車の御者ですが、騎士が叫ぶのにも反応が薄かったそうですの。貨車部分を覆っていた布を剥ぐられ、更に騒ぐ騎士を前にして何かをした。手を上にあげ何かを掴む動作をした様に見えたと言ってますの。観察時に身体強化もなさっていたのでいましたから、間違いないでしょう」


「なら、御者は傀儡(くぐつ)になっていた可能性があるな。普通、躊躇(ちゅうちょ)するはずの自爆を無感情に行えるとは。では、『星振の精』らの残党か、彼らの技術を使った人形だったのか?」


 マリーの報告により爆発が起こった時までの状況がミアにも分かった。

 証言を得て、フィンは推理を開始した。


「さて。では、今度は爆発を起こしたモノ、爆弾について分かった事を私から報告しよう。敵の正体もここから見えることだろうね。では、お配りした資料を見てください」

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