38.ドラゴンダンジョン調査 戦鬼
ホーリーゴッドドラゴンの【神罰】や【祝福】は、余裕がなくなると発動出来なくなります。
(銘々田 理穂視点)
「な、何だ?……この泥花君の姿は……」
私は泥花君の配信映像を見ながら、そう呟いていた。
なお、すぐ横ではネリル君が遠隔でスラミーロ君の分裂体を操作していたが、とても話しかけて良い雰囲気ではなかった。
「ね、ネーミングセンスが壊滅的です~」
前言撤回。
割と余裕がありそうだな……
ちなみに、泥花君の配信コメントは爆発の直後からしばらく止まっていたものの、今は再びコメントが流れている。
その内容は……
・うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
・パワーアップ来たぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
・さっきはどうなるかと思ったが、まだ逆転の芽はあるぞ!
・マッドフラワーばんざ~い!
・ばんざ~い!
・ばんざ~い!
・ばんざ~い!
……あ~……うん、相変わらず泥花君が人気だと分かるものだった。
「……まあ、私がどうこう言っても何かが変わる訳ではないとはいえ……泥花君には勝って貰いたいな……」
私は泥花君の勝利を祈ると、そのまま配信の映像を見守るのだった……
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(大豪寺 泥花視点)
「ハァ……ハァ……とにかくぶっ殺してやるから、覚悟するのである!」
ぜ、全身が痛いのである……
やっぱり、この力は人間が手にして良いものじゃないのである……
でも……仲間を守れないのはもっと嫌なのである!
「ふむ……ならば、我も本気で相手してやろうぞ……【神罰・輝星】……」
ーポワン……ヒュンヒュンヒュン!
「チッ!」
攻撃はさっきまでと同じであるが、さっきよりも数が多くなってるのである……
……ただ、それがどうしたのである!
ーブンッ!……ドゴォォォォォォォォォォォォン!
吾輩は舌打ちしながらも旗を振り、最低限の攻撃を吾輩より少し前で爆発させたのである。
そして……
ータッタッタ!
「……来るか……ならば……【神罰・明星】だ……」
ーピカッ!……ジュッ……
「うぐっ!」
思わず目を背けたくなる程の光と共に、全身が熱くなったのである。
……それでも、吾輩は止まらなかったのである。
「と、咄嗟に目を閉じて視界を失うのは免れたっすけど……結構ヤバいっす……」
『スラミーロの再生で精一杯です~!』
どうも、後ろの2人も大丈夫そうであるな。
それなら遠慮なく……
「吾輩の攻撃、食らうのである!」
ーブンッ!……ザシュッ!
「ぐぬっ……何故だ……傷が焼ける様に熱い……」
吾輩はホーリーゴッドドラゴンの腕に対して旗を思いっきり振り、切断とまでは行かないでもそこそこの切り傷を付けたのである。
しかも、今の吾輩の攻撃で出来た傷は焼ける様な痛みを伴うというのも分かったのである。
「それ!それ!それ!それぇぇぇぇぇぇ!」
ーブンッ!ザシュッ!ブンッ!ザシュッ!……
「ぐぬぬ……まだだ……傷を癒せば済む話でしかない……【祝福・回復】……」
ージュクジュク
「まだである!」
ーブンッ!ザシュッ!ブンッ!ザシュッ!……
「うぐっ!……少し強くなった程度で……我をここまで不快にさせるとは……」
傷を再生させ続けるホーリーゴッドドラゴンに対し、吾輩はひたすら攻撃を加え続けたのである。
……とはいえ、どう頑張ってもホーリーゴッドドラゴンとの戦力差は大きいのである。
吾輩の攻撃で与えられるダメージが少ない現状では、いくら敵の全身に切り傷を作ろうが勝利は絶望的だったのである。
……だからって、諦める訳には行かないのである!
「……遠隔操作のネリルはともかく、生身の火毘輝はお前と戦える戦力じゃないのである!……だからここで吾輩が勝たなければ守れないのである!……それにお前程度に負けたりしたら、あの世で茨木童子に怒られるのである!」
全身の骨が軋み、筋肉が悲鳴を上げているのである。
……それでも、吾輩は攻撃を止める訳には行かないのである!
「むう……決定打にならぬとはいえ、流石に我がここまで傷を負うのは看過出来ぬ……再び【神罰・超新星】で吹き飛ばしてやるわ!」
ーブンッ!ザシュッ!ブンッ!ザシュッ!
「だったらそれまでにお前を殺すだけなのである!」
ーブンッ!ザシュッ!ブンッ!ザシュッ!
自分が吹き飛んでも良いのである……
ただし、仲間は絶対に守るのである!
と、そんな時だったのである。
『誰か忘れていませんか~?』
ーぽよぽよ……ぶしゃぁぁぁぁぁ!
「ぐぬっ……我に何をかけて……むっ!?……まさか、これは油か!?」
ホーリーゴッドドラゴンの真上の天井に居たらしい、そこそこ大きなスラミーロ分裂体から大量の油がホーリーゴッドドラゴンに向けて放たれたのである。
結果、ホーリーゴッドドラゴンは油まみれになったのである。
そこに……
「アタイだって、やる時はやるっすよ!……【爆】の"魔弾"を受けるっす!」
ーバン!バン!
火毘輝が手に持った2丁拳銃から魔法の弾丸を発射すると、それはホーリーゴッドドラゴンに着弾し……
ーボンッ!ボンッ!……ドゴォォォォォォォォォン!
「ぐぬぁっ!?」
……ホーリーゴッドドラゴンは、一気に業火に包まれたのである。
「ふっふっふ!……可燃性の油に着火したら爆発を起こす……子供でも知ってる事っす!」
『そういう事~!』
「この……雑魚共がぁぁぁぁぁぁぁ!」
ようやく、ホーリーゴッドドラゴンから完全に余裕が消えたのである。
勿論、通常なら火達磨にされた程度では痛くも痒くもなかったのであろうが、吾輩が焼ける様な痛みを伴う切り傷を作りまくっている今となっては大ダメージになるのである。
当然、こんなチャンスを逃す吾輩ではないのである。
「そらそらそらそらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ーブンッ!ザシュッ!ブンッ!ザシュッ!……
「ぐぬぁぁぁぁ!……わ、我にここまで傷を付け、痛め付けるなどぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
そこから、吾輩は一心不乱に旗で切り付け続けたのである。
相手も【神罰】やら【祝福】をする余裕がなくなったらしく、ひたすら吾輩に爪や牙で攻撃を加え続けて来たであるが、そこに攻撃を加える事で何とか防ぎ続けたのである。
そして最終的には……
「ハァ……ハァ……次で決めるのである……」
「認めぬ……認めぬぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
お互いに大量出血し、もうどちらが死んでもおかしくない状態になっていたのである。
ここでホーリーゴッドドラゴンは、闇雲に攻撃を加えて来る事しか出来なかったであるが……
「皆の力、借りるのである!……スキル解放、【最後の審判・烈怒鬼】である!」
ーキラキラ……キラ~ン……ゴゴゴゴゴ……
吾輩の旗が光り、同時に赤いオーラを発し始めたのである。
「死なぬ……我は死なぬぅぅぅぅぅ!」
もはやホーリーゴッドドラゴンは【神罰】や【祝福】を使う余裕を完全になくなったらしく、ただ喚いて突進して来る事しか出来なくなっていたのである……
……そんな相手に対し、吾輩は冷静に狙いを定め……
「お前は……茨木童子に比べたら強かったのは確かであるが、同時に……茨木童子よりも強いだけの小物だったのである……」
ーブンッ!……ザシュザシュザシュザシュ……スパッ!
吾輩の渾身の一撃はホーリーゴッドドラゴンを縦に真っ二つに裂き、その命に終止符を打つ決定打となったのである。
「ぐはっ!……認めぬ……認めぬぞぉぉぉ!……我はまだ死なぬ……我は……神なのだぁぁぁぁぁぁぁ!」
ードシィィィィィィン!
縦に真っ二つにされてもしばらくは生きていたホーリーゴッドドラゴンだったのであるが、【祝福】を使う事も出来ず、最期まで負けを認められずに逝ったのであった。
「か、勝ったのである……」
「そ、そうっすね……」
『手に汗握りました~』
吾輩だけは瀕死になりつつも、3人で勝利を喜んでいたのである。
ただし……
「本当に凄いですね。……まさか、私ですら手を焼く相手を倒してしまうとは……」
「「『っ!?』」」
突然、その場に木霊する声……
その声の主は、突然現れたのである。
「あ、別に貴女方に危害を加えるつもりはございませんよ?……ふふ、あの荊鬼が最期の相手に選ぶ程には気に入った相手ですしね」
「シスター服の……七天美……」
話の内容からして、相手は七天美。
しかも、シスター服を着ていたのである。
となると……
「おっと、これは失礼。……私はミランダと申しまして……まあ、七天美の悪魔です」
何とかして勝利を上げた吾輩達3人の前に現れたミランダと名乗る七天美……
こいつの登場により、状況はより混乱を極めるのであった……
ご読了ありがとうございます。
ホーリーゴッドドラゴンは、自身が神だと思い込んだ強いだけの小物ドラゴンでした……
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後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。




