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34.ドラゴンダンジョン調査 進行

基本的に、この作品はボスクラス以外はあっさり倒されますし、場合によってはボスクラスもあっさり倒されます。

(早水 勇雄視点)


マッドフラワーが小型竜を倒してからしばらく後……


『う~ん……スラミーロ曰く、この階層にはもう居ないみたいです~』


「そうかいな」


……俺達はネリルにスラミーロの分身体をこの階層全体に散らして貰い、七天美や特異個体が居ないかどうかの調査をしていた。


その結果、この階層にそれらしき敵は居ないとの事だった。


「ちなみに、どんだけ雑魚を倒したっすか?」


『分かりませ~ん。……何せ、見つけ次第倒して吸収してたので~』


「お、おう……やっぱりネリルは凄いな……」


『へへへ~。……勇雄さん、もっと褒めても良いんですよ~?』


やはり、ネリルは頼りになるな。


まあ、それはそれとして薄情なところもあるが……


「……じゃ、このままさっさと行くのである!」


「せやな」


そうして俺達は、どんどん地下の階層へと進んでいった。


道中、モンスターに襲われる事もあったが……


「「「ピギャァァァァ!」」」


「「「グボォォォォォ!」」」


「死ぬのである!」


ーブンッ!……スパパパッ!


「「「ピギャッ!?」」」


「「「グボォッ!?」」」


ードサッ……


これが映画ならシーンの使い回しと言われるレベルでマッドフラワーに雑処理されていた。


「……これ、アタイの出番なさそうっすね……」


「俺も……」


「ウチはその方が都合がええけどな?」


……俺、火毘輝、宝実さんの3人は、何の活躍も出来ずに居た。


いやまあ、宝実さんは気にしてなさそうだが……



そして、そんなこんなで特に何も起こる事なく数十分後……


「「「ギシャァァァァ!」」」


「「「ギャオォォォン!」」」


「おっ……これはワイバーンにアースドラゴンやないか……そっか、もうそんな階層まで降りたんやな……」


ここで俺達の目の前に現れたのは、ワイバーンとアースドラゴンの群れだった。


なお、ワイバーンは想像通りの見た目としか言えず、アースドラゴンは皮膚が岩になったティラノサウルスといった見た目だった。


とはいえ……


「死ぬのである!」


ーブンッ!ブンッ!……スパパパッ!


「「「ギシャッ!?」」」


「「「ギャオッ!?」」」


ードシィィィン!


……ワイバーンもアースドラゴンもマッドフラワーが旗を二振りしただけで両断されてしまい、何の手応えもなかったが。


「……やっぱり、雑魚は雑魚であるな!」


「こいつ等、並の探検者なら相当苦戦するよな?」


「せ、せやな……普通なら、もっと手間取る筈なんやけど……S級探検者は強いからな~……」


「道理で女性扱いされない訳だ。……というか、これを踏まえるといかに茨木童子が強かったのか分かっちまって嫌だな……」


並の探検者が苦戦するであろう相手を一撃で葬れるマッドフラワーが、ほぼ互角の勝負を繰り広げる事になった荊鬼こと茨木童子がどれだけ強かったか実感させられる。


しかも、そんな茨木童子ですら老衰寸前で最弱だったとか……七天美、本当に底が知れないな……


「ほな、更に奥へと進むで!」


「そうだな……」


そうして俺達はネリルの力で階層を調査しながら、どんどんと奥へと進むのだった。



そして更に数十分後……


「フガァァァァァ!」


「ゴガァァァァァ!」


「チッ!……挟まれたのである!」


「う~ん、厄介やな~」


俺達は大型竜のモンスターが出現する階層に到達していたのだが、そこで不運にもモンスターから挟み撃ちを食らう羽目になった。


「……ネリル、気付けなかったのか?」


『いや~、意外と早くて~……流石の私も、ダンジョンの道が何処に繋がってるか完全に把握出来てないんです~!』


ネリルはスラミーロの分身体で階層全体を調査しているとはいえ、自動でマッピング出来る訳じゃない。


どこに道が繋がっているか判別出来ないのは仕方ないと言える。


「……で、こいつ等は何っすか?」


「前はフレイムドラゴン、後ろはブリザードドラゴンや!」


フレイムドラゴンは全身が真紅に染まった巨大なドラゴンであり、背中や肘辺りでは真っ赤な業火が燃え盛っていた。


逆にブリザードドラゴンは全身が藍色に染まった巨大なドラゴンであり、背中や肘辺りには巨大な氷が形成されていた。


「……相手はまだ様子見をしているであるが、吾輩1人ではどうにもならないのである……」


「……ほな、ウチも出たる。……それでええやろ?」


「……良いのであるか?」


「ただし、配信は切ってくれるとありがたいわ」


宝実さんも戦うらしいが、代わりに配信は切って欲しいとマッドフラワーに願い出た。


「勿論である!……という訳で、取り敢えず一旦待機画面に移るのである!」


「……マッドフラワー、ちゃんと待機画面になったぞ!」


俺は急いでスマホを確認し、マッドフラワーの配信が待機画面になったのを確認した。


なお、コメントは……


・え、見れないのか……

・まあ、宝実さんのスキルは秘密って有名だしな……

・全裸待機!

・全裸待機!


……うん、待つ気満々だな……


とまあ、こうして視聴者から見えなくなった瞬間だった。


「……やったら、ウチは後ろのブリザードドラゴンを殺るわ。……【報復の天秤】、セットや!」


宝実さんがそう告げた瞬間、宝実さんの横に浮遊する黄金の天秤が出現した。


すると……


「フガァァァァァ!」


ーボォォォォ!


「ゴガァァァァァ!」


ービュゥゥゥ!


「チッ!……火毘輝、掴まるのである!」


「は、はいっす!」


ーガシッ!


「勇雄はん!」


「わ、分かった!」


ーガシッ!


フレイムドラゴンは業火を、ブリザードドラゴンは吹雪を、それぞれブレスとして吐き出した。


それに対し、俺は宝実さんに、火毘輝はマッドフラワーに掴まり、宝実さんとマッドフラワーはそれぞれブレスよりも高い高度へと跳躍した。


「うわぁ……これ、1歩間違ったら吾輩達が死んでたのである……」


「せやけど、ウチにとってはええ報復理由(・・・・)が出来たわ~」


ーガコン……


宝実さんの呟きが気になった俺は、ふと黄金の天秤を見る。


すると、その天秤は少しだけ右に傾いていた。


「えっと、これは……」


「ウチのスキル、【報復の天秤】は相手から攻撃を受ける度に傾きが大きくなるんよ。……これは回避しても傾くし、傾いたら傾いただけウチに強烈なバフがかかるっちゅう破格な仕様で……」


「す、凄いな……」


相手からの攻撃を回避しても、自身にバフがかかるとか……


S級探検者の格闘能力と合わせたら破格のスキルだな。


「やろ~?……後、ちょっと激しく動くから少し我慢してな?」


「えっ?」


「ふぅ……ふん!」


ードシィィィン!


「ご、ゴガァ……」


……今起こった事を説明しよう。


宝実さんがブリザードドラゴンの頭部に強烈な踵落としを食らわせ、そのまま地面にめり込ませたのだ。


なお、マッドフラワーの方はというと……


「よくもやったであるな!」


ーブンッ!ブンッ!ブンッ!ブンッ!ブンッ!


「ふ、フガァ……」


ーザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!


流石にフレイムドラゴンともなると一撃で潰すのは難しいらしいが、それでもマッドフラワーの攻撃は確かにフレイムドラゴンに効いていた。


そして……


「トドメである!」


ーブンッ!……スパッ!


「トドメや!」


ーゴンッ!……ピキピキピキ……


「フガァッ!?」


ードシィィィン!


「ゴガァッ!?」


ーガラガラガラ……


マッドフラワーの旗攻撃を何度も首に受けていたフレイムドラゴンは遂に首を切られ、宝実さんの踵落としを再度脳天に食らったブリザードドラゴンは頭蓋骨が粉砕して死亡した。


「あ、この2体は高く売れるから回収するで?」


『は~い!』


「あ、マッドフラワーはんも要るか?」


「いや、良いのである……」


宝実さんは何事もなかったかの様にフレイムドラゴンとブリザードドラゴンの死骸を回収し、そのまま先に進む事になった。


しかし、この先であんな目に遭うなんて……この時の俺は予想だにしていなかった。

ご読了ありがとうございます。


宝実のスキルはバフ系なので、格闘技術はマッドフラワー同様自前です。


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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