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33.ドラゴンダンジョン調査 開始

何とかアイデアが降りました。

(金村 風斗視点)


「……本当に、あの方々には悪い事をしましたね。……ですが、これで良いんです……」


ボクは勇雄さん達からボクに関する記憶を消した後、一直線にドラゴンダンジョンへと向かっていました。


そして、その入口まで辿り着いた時……


「あ、ちょっと君!……今日、ここはS級探検者と調査員の方しか入れな……」


「【半美半操(はんびはんそう)】、【意識改変(マインドチェンジ)】……ボクのドラゴンダンジョン侵入を黙認した後、それに関する証拠を消し、最後にボクに関する記憶も失くしてください」


「へ?……うっ!……はい、分かりました……」


ースタスタスタ……


……予想通り警備員に止められかけましたが、これも難なく突破。


やはり、父上の能力からボクに遺伝したこの技は便利ですね……


「では、行くとしますか。……とはいえ、ドラゴンダンジョンの内部は複雑に道が分岐し、幾つもの道を経た後にダンジョンコアの有る部屋に収束していると聞きます。……もしかしたら、敵と知らず知らずの内に入れ違いになる可能性も……ふふ、目的を達成出来るかはボクの運次第ですね……」


ボクは1人で格好付けてそう言うと、すぐにドラゴンダンジョンへと入って行ったのでした……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(早水 勇雄視点)


「お、全員揃って何か悩んどる顔やな~。……どないしたん?」


「ん?……あ、宝実さんか……いや、何か違和感を感じるというか何というか……」


「私も~……」


「吾輩もである……」


「アタイもっす……」


「申し訳ないが、私もだ……」


「……そ、そうかいな……」


宝実さんと合流を果たした俺達だったが、依然として違和感は消えないままだった。


「……取り敢えず、俺達の事はあまり気にしないでくれたら助かる」


「……ほな、真剣な話と行こか。……まず、今回潜るドラゴンダンジョンは、大きく分けて3つのゾーンに分かれとるダンジョンや。……階層は30階層で、10階層ごとに出現するドラゴンのサイズが変わるんや」


「さ、サイズが変わるんですか~?」


……俺も事前に調べてなきゃ分からなかったな。


いやまあ、今朝まで忘れてたが……


「……10階層まではウインドラプトルやイワオオトカゲなんかの小型竜、11階層から20階層まではアースドラゴンやワイバーンなんかの中型竜、そんで21階層から29階層まではフレイムドラゴンやブリザードドラゴンなんかの大型竜が出現するんや」


「……で、最後に待ち受けるのがダークカイザードラゴンっすか……でも、それだけ聞くと小型竜や中型竜の階層は比較的安全そうっすね?」


「……んな訳あらへんやろ。……小型竜や中型竜は確かに大型竜に比べたら弱いやろうけど、代わりに数の暴力で攻めて来るさかい、結局S級探検者やないと厳しいやろな……」


「そ、そうっすか……」


流石はS級ダンジョン。


雑魚ですら数の暴力で攻めて来るので、並大抵の実力では歯が立たない訳だ。


「ほんま、1体1体は雑魚でも群れると並のダンジョンのダンジョンボスと同等の脅威になってまう。……大型竜に至っては、単体で普通のダンジョンのダンジョンボスに匹敵するし……」


「……私達、そんな所に入るんですか~?」


「入るのである!」


「え~……遠隔じゃ駄目ですか~?」


う~ん……


確かに、ネリル本体をダンジョンに潜らせるよりはそっちの方が安全かもしれないし……


と思っていると……


「それは……分かったわ、その要求を呑んだる……」


「えぇっ!?……良いんですか~!?」


「ええよ。……その代わり、バリバリ働いてな?」


「わ、分かりました~!」


こうして、ネリルはスラミーロを介した遠隔操作で参加する事となった。


「……っちゅう訳で、話は纏まったしそろそろ……」


「そうだな。……行くか……」


「い、急いで分身作りま~す!」


「じゃあ、ネリル君の事は私に任せてくれ」


そうして、俺達は各々で最後の準備を始めたのだった……



そして数分後……


「あ、皆さんがS級探検者と調査員の方ですか?」


「せやで~」


「そうである!」


『そ~です~!』


「そうっす!」


「そ、そうだ……」


俺達はドラゴンダンジョンの前で警備員の人から話しかけられていた。


「お待ちしていました。……ところで、私に聞きたい事はありますか?」


「ほな、ウチから。……最近、このダンジョンで不審人物の目撃情報は?」


「ありません。……というより、そもそもこのダンジョンに挑戦する方なんてS級探検者の方しか居ない上に、最近このダンジョンに挑戦されたS級探検者の方が居ないので何とも言えないというのが私の本音ですね……」


「……やと思ったわ。……せやったら、周辺ではどうや?」


「う~ん……何せ、このダンジョンにここ1年で(・・・・・)()()()()()()()なので……不審人物が見つかったという通報自体、怪しいとしか……」


「……ウチも同感やけど、それでも調べんとあかんのやよ……」


通報自体が怪しい、か……


もしかしなくても、罠の可能性がある訳か。


「いや……何度も言いますが、ここ1年誰も入っていないんですよ?……それこそ瞬間移動(・・・・)か、目視や入口の監視カメラに写らない速さで高速移動(・・・・)でも出来ない限り……」


「……出来たら普通にあり得る話やん」


「そ、そうですが……」


警備員さんの考えも分かるが、宝実さんの言い分も理解出来る。


「とにかく、ウチ等は行くわ」


「行くのである!」


「い、行くっす!」


『行きます~!』


「……という訳だ」


「……そうですか……」


警備員さんは折れたらしく、それ以上何かを言って来る事はなかった。


「じゃ、作戦を言ってくで。……まず、ダンジョンに入ったらその階層全体にネリルはんの従魔の分身を散らして欲しいんやけど……出来るか?」


『で、出来ます~!』


「……ならええ。……そんで、その階層に敵が()らへんかったら次の階層へ、()ったら……分かるやろ?」


「あ、ああ……」


なるほど、だから多少強引にでもネリルの要求を呑んだのか。


どうにかして、スラミーロを遠隔操作出来るネリルを最大限利用するために……


『……まあ、道中のモンスターを吸収して行けば可能ですが~……』


「それは助かるわ~。……ドラゴンダンジョンは複雑に入り組んどるさかい、下手したら敵と知らず知らずの内にすれ違ってまうんよ~」


『な、なるほどです~』


そう呟くネリル……もといスラミーロの分身体は、バスケットボール程のサイズしかなかった。


「……ま、ものは試しや。……さっさとやるで!」


「……そ、そうであるな……」


いつしか宝実さんに完全な主導権を握られた俺達は、そのままドラゴンダンジョンへと入って行ったのだった……


そして、入った直後……


「「「ピギャァァァァ!」」」


「「「グボォォォォォ!」」」


いきなり、ウインドラプトルとイワオオトカゲの群れが襲いかかって来た。


なお、ウインドラプトルは恐竜のヴェロキラプトルの全身に白い羽毛を生やした様な姿をしており、対するイワオオトカゲはコモドドラゴンもといコモドオオトカゲの皮膚を岩にした様な姿をしているモンスターである。


「……あ、いきなりモンスターであるな!」


ーブンッ!……スパパパッ!


「「「ピギャッ!?」」」


「「「グボォッ!?」」」


ードサッ……


……襲いかかって来たモンスターは、マッドフラワーが旗を一振りしただけで両断された。


いや、何度見ても強いな……


「……という訳で、今日吾輩達はドラゴンダンジョンに来ているのである!……同行者は勇雄、ネリル、そして無限原 火毘輝と銭羽 宝実である!……なお、これはれっきとした調査任務である!」


「やっぱり配信はするんだな……」


マッドフラワーは倒したモンスターよりも、自身の配信の方が大切らしい。


……そう、マッドフラワーは前回同様配信をしているのだ。


まあ、それ自体は悪くないが……逆に他の女性3人は配信をしていないので、マッドフラワーがとんでもなく浮いている。


『あ~……吸収しても良いですか~?』


「吾輩は良いであるが……」


「ウチもええよ。……小型竜の素材はあんま希少でもないし高く売れへんし……」


『なら遠慮なく~……』


そうしてマッドフラワーに両断されたモンスターの死骸は、ネリルが操作するスラミーロの分身体に吸収されていった。


さて、まだ探索は始まったばかりだが……本当に大丈夫なんだよな?


俺はそんな不安を抱きながら、ドラゴンダンジョンの先へと進むのだった……

ご読了ありがとうございます。


ドラゴンダンジョンはモンスターが多く出るので、誰かが倒してもすぐに別の道から来てしまいます。


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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