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閑話.clear
何処か、深い底を漂っていた。
暗いけど眩しい。
重いけど、軽い。
立っているか、倒れているか、浮いているのか沈んでいるのか。
始めの感想は、そう、ぐちゃぐちゃだった。
全てがある様に感じた。
でも、少し経つとわかってくる。
此処にはそう、何も無いんだ。
そう理解してくると後は穏やかだった。
全てがある『無』はいとも簡単にボクを受け入れる。
ろくに何も見えやしない目を閉じようとした。
閉じる事でボクは、『それ』と一緒になれるような気がしたから。
……でも
「……?」
ふと、目に映像が流れてくる。
……まるで巨大な口の様に空いた、月。
それを見た瞬間、ボクは何かに引っ張られる様な感覚を感じ、直後、意識を手放した。




