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遠足8

 まるで、選択肢コマンドが浮かんでるかのように見えた。実際にコマンドが出ていたわけじゃないんだけど、3方向のどれかを選べと迫られているこの状況がそう見えるのだもの仕方がない。


 3方向の内訳は、煙の方向に筋骨隆々組のホフレ・グリマウさんとステファノ・バファンディニョさん。

 そちらを向いて4時の方向(右後ろ側つまり先程の花畑の方)には、美麗組のノーディカ・パッシュさんとパウル・フォン・シェルツェさん。

 そして、8時の方向(左後ろ側)には学年1-2トップ組のロアン・シャヴノンさんとエリアス・セヴィニェさんと分かれて言い合いになってる。そして口々に好き勝手言いながら、各々の方向へ行こうと私を引っ張っている


「お前たちにはあの緊急事態の知らせが見えないのか!今すぐあの煙のもとへ向かうべきだ!」

「だからこそ避難するのでしょう!?先程の花畑は安全地帯です!」

「続報を待つべきだ。どこもかしこも、ここも危険かも知れない!それなら殿下の元へ!!」


 私はと言えば、3方向の真ん中でオロオロするより他にない。そんな私が見えてないのか、皆は声が段々大きくなっていく。


「それこそ二次災害が迫っているかも知れない!近くに居る我らが手助けしないでどうする!」

「僕達が言って役に立つどころか足でまといにならない?避難が最優先だよ」

「赤のも、白夜のも落ち着け」

「そうは言うが太陽組の!今は緊急事態発生中だ!落ち着いて居られるか?」

「だから私たちは他生徒たちと合流して大人の介入を待ちましょう?!」

「白夜組の!それなら我ら太陽組との合流が最優先だ」

「太陽の!ここは街中ではない。大人の介入を待てるのか?!」


 喧々諤々だぁ。

だけど、よーく聞いてみると、熱くなり、蒼白し、上の指示を仰ごうとしているだけかも。

 あと、『赤の』とか『白夜』とか『太陽』なんて呼び合うニューワードも飛び交っているし。

 ここにシャルルが居たらとっても冷静にツッコミが入るなのかもしれない。んー。例えば『赤の』と呼ばれてる2人は脳筋とか。『白夜』は逃げ腰?『太陽』は指示待ちとか……?いやいやいやいや、シャルルはそんな口悪くないわ。私がスルーされてイラッとしてるから性格悪くなってるんだ。そもそも私『悪役令嬢』だったって思わず苦笑い。

 まぁいいや。

 それよりも気がついてしまった。彼らは上級生と言えども、いかに頼りに見えようとも、まだ18歳。前世で言うところの高校生なのだ。成人すらしてない。理由は分からないけれども、そんな彼らが個人を優先するのも仕方がないし、選択した先の責任という重圧を掛けたくない。それなら、責任を取るのは……私だ!

 私はにっこりと微笑んだ。6人の顔を1人ずつゆっくりと。


「皆それぞれ理由があるとは思いますが、今の護衛対象は私です。向かう先は私が決めます。申し訳ないのですが、私についてきて、私を守ってください」


 そして、もう一度にっこりと微笑んだ。なるべく余裕たっぷりに。心の中はバックバクであるけど、願った。(お願い、私の声よ届いて!)って。どこかで聞いたことがある。パニックになってる人を冷静にさせるには笑顔が1番って。だから私は表情筋がツルんじゃないかってくらい微笑んだ。悪い笑いを浮かべれば良かったって気がついたけど、今更表状変更は無理だ。


 何秒経っただろう。6人は私を見つめていた。それから身震いをしたかと思うと、顔を見合わせて頷いた。そして


「「「「「「 依頼主の願いは、サラを最優先 」」」」」」


 と声を合わせて言った。6人に冷静さが戻った瞬間だった。それから皆が私の傍に寄ってきて


「「「「「「 ご指示を 」」」」」」


 って跪いた。言い合いが収まった事が嬉しくって「ウフフ」と笑ってしまったけど、最初から決めていた方向を指さした


「直ぐに向かいましょう!」


 いまだもくもくと上る煙の方向へと。



勘の良い読者様にはバレているかも知れませんが、護衛の6人は派遣されてます。

本来のゲームであれば、選んだ先にそれぞれの攻略対象がいると思われます(ただしシャルルを除く)

そもそも3年で起こるイベントの為、護衛たちも未熟であったことが露見しているようです。

3年生達も社会人になり色々経験して熟練へとなっていくのでしょう。


という作者の親目線でした。

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