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メリークリスマス 前編

閑話休題です

サブタイトルでネタバレしててすみません

 豪華なアフタヌーンティーの用意されたこれまた豪奢なテーブルは、扉という扉を閉め、陽の光を遮る重いカーテンをピッシリとしめた薄暗い部屋の中央に置かれていた。

 そのテーブルを囲む見目麗しい4人の男子の表情は、少し高揚しているような緊張の表情を隠しきれない。

 淹れたての紅茶が注がれるはずのカップは裏返され、形だけのお茶会ではあるが、毎度誰も手をつける様子もない 茶器の扱いとしては妥当なのかもしれない。

 そして、普段とは違う点もあった。カップの横には、愛らしい包みやぬいぐるみなどがある。その正面には、腕を組み、悩んだ表情の男子が4人居た。


「みんな、緊急事態に良くぞ集まってくれた。礼を言う」

「他ならぬサラの事だもの。そりゃ来るよね。むしろ抜け駆けしないでよく共有してくれたよ」

「あの、とろけるような眼差し…危険…」

「赤い巨体と白ひげ…新種の魔獣でしょうか?」

「ふむ。それぞれが聞いた話で、印象が全く違うな。擦り合わせよう」

「「はい!」」

「じゃあ最初はボクね」

「「はい!」」

「うむ、頼んだ」

「ボクがサラちゃんから聞いたのは、主に情景の事だね。音もなく降り積もる雪の銀世界、彩られた木。その木はプレゼントやお菓子やらで飾り付けられ、綿も散りばめ、さらにはキラキラのひも状のものでぐるぐる巻きにするとも言ってたよ。1番上に『星』を飾るのが重要とも言ってたっけ。それを室内に飾ることもあるらしいよ」

「雪と木?運び込むとはまた随分と力仕事ですね。自分の出番が増えそうだ」

「『星』が重要?王冠のようなものだろうか」

「これは僕の情報と違いすぎますね。擦り合わせを、進めましょう」


 4人はうんうんと頷くと、次を促した。


「では次は俺、いいでしょうか?」

「ああ」

「自分が聞いたのは、食べ物の話ですね。机の上いっぱいの料理、ケーキ、シュワシュワの飲み物。パーティーの主役は丸ごと一羽を焼いた七面鳥。地方によってメインは変わるけど、とにかく肉が主役ってことを言ってましたね」

「シュワシュワ?」

「丸ごと1羽……なんと残酷な……」

「まるで生贄のようですね」

「でもサラはうっとりしてました。余程美味しいのでしょう。あと、パンをワインに浸して食べるのが重要とも言ってました」

「パンが柔らかくジューシーになるのかな?」

「雪と木と料理、か……」


 今度は4人とも『うーん』と頭を傾けた。


「次を頼めるか?シャルル」

「かしこまりました。僕がサラから聞いたのは、サンタなる人物の話です」

「「「サンタ?」」」

「はい。外見の特徴ですが、全身を赤い衣装で包み、高揚した表情と白髭が特徴のどっぷりとした体型の高齢の男性です」

「「「……」」」

「寒空の下で高揚?なんと怪訝な」

「全身赤いとは、戦場ならどれだけ目立つことか…!」

「戦場!?その考えはなかったです」

「うーん。戦場で真っ赤なのだったら、染まってしまったのかもしれないよ。…血でね」

「「「 !! 」」」

「危険人物すぎる!サラは何故そんな人物を…!?」

「子供の夢と希望を守るとも言ってましたが…」

「?!だったら、戦神なのだろうか」

「その他にも、贈り物をしていくようです」

「「「贈り物?」」」

「それは良い人だねぇ」

「戦場の贈り物とは…。食料は既に用意されているし」

「本当に戦場なのでしょうか?エミール様の話では、1面の銀世界なのですよね?血の跡があれば目立ちませんか?」

「確かに…」

「シャルル、贈り物とはどのようなものか?」

「それは、人それぞれです」

「「「それぞれ?」」」

「ええ。僕も自分の耳をどれだけ疑ったことか…。なんと、世界中の人に配るのです。それも、子供限定で」

「「「な、何だって!!???」」」

「その上、家人の許可なく、勝手に侵入し、枕元に放置していくのです」

「「「なんてことだ!」」」

「その家の警備は何をしているんだ」

「アクセル、そんなことをされたら、流石のボクでも身代わりは不可能だよ」

「いや……流石に人の力を超えすぎている。私の話も聞いてくれるか?」

「「はい!」」

「うん、聞きたい。頼んだ、アクセル」


 4人は目を見合わせ、どんな話が飛び出してくるのかとゴクリと唾を飲み込んだ。



私もサラちゃんも、クリスチャンではありません。

あくまでも、転生前の聞きかじった知識ということここは1つ…

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