遠足2
1口に遠足と言っても事前審査と準備があるようだ。学校行事なのに変なの。
まず、第1にペガサスに騎乗できること。
騎乗できない場合、馬車で湖散策班となる。
つまり、行き先も変わってくる。
学園に入学してから初めてペガサスを見る生徒も多く(私もだ)、ペガサスに乗れない生徒がほとんどだ。
その上、相性もある。
気性の荒いペガサスに認めて貰えないと、触れることも許されないのだ。
今年の1年生で、ペガサスを既に乗りこなせる1年生は7人。そのうち2人は王族クラスとはいえ、今年は多いらしい。これにはカラクリがあり、実は生家で慣れ親しんだペガサスを連れてきてるのだ。希少なペガサスを保持できるだけの財力権力があるとゆーことだろうけど……ズルイ……。
私はと言えば、ペガサスなんて前世では伝説の生き物だったし、見たことも無い珍しさから日参し、毎日話しかけ、時にはお世話なんてさせて貰っていたお陰で仲良くなり、背中に乗ることを許して貰えたのだ!やったねー!とはいえ、乗りこなせるという程ではなく、やっとこ背中に乗らせて貰えるってだけだけど。
私には空の旅はまだ早いらしい(先生談)。
第2に、浮遊魔法が使えること。
これは、万が一落下した時の安全策の為だ。
ペガサスに主と認められれば、何としても守ってくれるものの、何があるか分からない。保険はかけておくべきって事だろう。
この2点がクリアできて、次のステップへ進める。
第3は、平民組の騎士クラスから、護衛をつけること。
第4に、遠足の旅程を提出し、合格を貰うこと。
第5に…。
と続き全部クリア出来てようやく飛翔組の遠足に行けるのだ。
ちなみに、お弁当は持参。
前世ならおにぎりかのり弁!と言いたいところだけど、お米なんて手に入らないし……。パン屋さんでパンでも買うしかないかなぁ。
用意するものといえば、制服、体操服の他に騎乗用の服やブーツ、手袋も必要だ。お弁当用のバスケットなどなど何かと物入りだ。
3年間使うわけだし、金額を気にせず買い物が出来たし、フリマのお金があって本当に助かった。改めてシャルルには感謝しかない。改めてお礼を伝えようと図書委員の仕事に来たんだけど、シャルルの返事は
「自分は馬車組です」
「来年は一緒に?それは嬉しいですが……。きっと無理ですね」
「3年間でペガサスに乗れなかったので諦めました。出来ない苦手分野に努力をするよりも、得意分野を伸ばしたい。友達ポジションで満足したくないんです。ちゃんと好きになって欲しいので」
「そもそも飛翔組は武闘派貴族メインの行事なので、僕とは無縁なんです」
「もしかして、旅程の計画で悩んでますか?それならお手伝いできますよ」
「僕と一緒に行けなくて残念?それってちょっとは期待していいってことですか?」
って笑ってた。
ホントに一緒に行きたいんだけどって伝えたんだけど
「そもそも、これは魔獣討伐や遠征をイメージしてるので、貴族にとっては個人行動ですよ」
だって。だから飛翔組よりも、むしろ馬車組のほうが和気あいあいとのこと。
私の思ってた遠足と違う……。今度こそ友達増やせると思ってたのに。いやでも、学校行事のぼっち行動なんて惨めすぎると思ってたけど、最初からぼっち確定なら別にいいか。
てか、どうしてそんなに詳しいの?3年かかっても無理って?って聞いたら、笑って誤魔化されちゃったから、ブーたれてたら
「サラはどちらも選べるのですから、好きな方を選んで楽しんでください」
って、シャルルってば優しく微笑んでくれた。




