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密談4-2

「最初、シャルルがこの話のために緊急招集をかけたときはびっくりしたよ。イベントがあるわけでもないのに何事?って」


 長い銀の髪のエミールが、片目をつぶりながら驚いたかのような仕草をした。

 すると、赤髪のマルクはそれを聞きうんうんと頷いた。


「ああ。まさかサラが借金……」

「さすがに借金は言い過ぎですけどね」


 青髪のシャルルは思い出し笑いを飲み込み、苦笑いをしたが、強いカリスマを背負った王太子は、シャルルを見て、また感謝の表情を浮かべた。そしてまた口々にシャルルに感謝を述べ始める。


「とはいえ、シャルルの大胆な案のおかげで、我らが表立てなくともサラを支援することができた」

「マルクの言う通りだ。護衛をつけるために、私がフリマに参加することで、私の親衛隊を出動させ」

「現地の衛兵たちの指揮を自分がとることで貴族と平民の両方の兵の衝突を防ぎ」

「平民の客の注目を集めて楽しませるためにボクが看板とか飾り付けの用意して」

「エミール様の絵画は平民に大人気なのに、実物を目にできる機会はほとんどありませんからね。それだけで会場に足を運ぶ価値もあるって、ジュリー嬢も記事で大々的にあおってくれましたから」

「ああ。エミールの作品は今回も素晴らしかった」


「サラが高額な宝石を身に着ける以上、どうしても護衛は必要でしたので…。いくらマルクがいるといっても、多勢に無勢で不利な状況になるかもしれませんし、善良な市民が暴徒になる可能性もありましたから」

「む…」

「マルクの力を過少しているのではなく、君のためでもあるのですよ。間違っても、平民に暴力をふるうようなことにならないための。許してください」

「……シャルルはちゃんと俺の見せ場も作ってくれた。意外と平民の町は治安悪かった……」

「……そうだな、驚いた。万引き、スリ、カツアゲのような小さな犯罪が横行していたと報告を受けた」

「そんな悪いものはサラの目には入れたくないよね」

「多少過保護にも思いますが、一周目であれだけの思いをさせてしまったのです。やり直しの機会を得たのですから、思いっきり甘やかすのも悪くないはずです」


 四人は目を見合わせると、腕を伸ばして声をそろえて


「「「「我らのサラを、蝶よ花よとのびのびと」」」」


 そして楽しそうに笑った。

 本当に仲良しである。


「それにしても、今回はやりすぎではありませんか?殿下」


 と、シャルルが照れ隠しにすこしヒネた返事をしたが、全員ニコニコである。


「む。そうだろうか?指輪やドレスを贈るつもりでいれば、桁違いに安すぎると思うのだが」

「そうではなく、王太子親衛隊まで派遣させてきて、目立ちすぎてサラが少し気の毒に感じました」

「……私が平民街に視察に行く為に必須だったのだ。許せ」

「……あの兵が無ければ、色々無理だった」

「確かに、マルクの言う通り、あれだけの数を動員していただいたからこそ、カツアゲや万引きを防いであの兄弟の、中身は使われてしまっていたとはいえ、財布を取り戻すこともできましたが…」

「ねぇシャルル?ボクは見ていたよ?一周踊り終わるごとに、サラに声をかけて親しげにしていたこと。ずいぶん役得だったよね?」

「そ、それはっ!」

「……ずるい……入退場のエスコートも見逃せない」

「ひ、必要な役目だったのでっ」

「む。こちらは仮面をとり、正体を明かすこともままならないのだが、ずいぶんと差を感じるな」

「うっ……」

「素直にお礼を受け入れたほうがよかったんじゃない?シャルル」

「そうだ」

「大したことはしていません。僕はサラの状況を共有しただけで……」

「「「  シ ャ ル ル  」」」

「……ええ、そうですね……。どういたし…まして……」


 青髪の少年は、ほほをほんのり赤らめてうつむきながら言った。

 それをほかの三人がみて、嬉しそうにまた微笑んだ。みんなにっこにこだ。

 この時、きっと誰もが思っていただろう。この平和な時間も悪くない。少しでも長く続けばいい。

 サラを四人で共有できればいいのに…と。



「そういえば、殿下に姉君はいらっしゃいましたか?」

「いや、君も知っての通り私に兄弟はいない。隠し子の類も父にも母にも聞いたことがないな」

「サラのドレスと宝飾品は、殿下の姉君から借り受けたとのことなのですが……」

「ちなみにだけど、ボクにも姉はいないよ。だから、従姉妹も居ないね」


 四人の頭上に『?』が浮かんでいたのは言うまでもない。

 部屋と居合わせる王侯子息だけが豪華な部屋のカーテンが、その場に居ない何かの存在を示すかのようにただ静かに小さく揺らぐだけだった。


この密談を、部活決めの途中、具体的にはサラとみんなが踊る前に入れればよかったと後悔しています。

そのうちしれっと差し込みます…。

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