部活決め2
運動部と1口に言っても、やはり前世とは少し違った。
一番の違いは『騎士』になる為の部活だと思う。
新入部員獲得の為に、どの部活でも大迫力のデモンストレーションをしてくれていたのだ。キラキラ光る刀身は真剣であることをものがたり、そんなものを振り回したら危ない!とハラハラドキドキしっぱなしで、部活見学ということを忘れて手に汗握って観戦してしまった。流石に前世で真剣勝負なんて部活では無いと思う。
あ、でも、剣道部とか、柔道部とか、なぎなた部とかなら近いのかなぁ?いやいや、真剣は使わないよ!多分。
乗馬部、なら……うーん、お嬢様学校とかなら……ある……かもしれないけど、前世のお馬さんは空飛ばなかったと記憶。
校内は魔法キャンセルの結界が張られているため、例のグラウンドや1部以外では魔法が使えない。そんな中でも羽の生えた騎馬は、空から護衛したり、そもそも長距離を真っ直ぐ移動するのに向いてるようだ。スピードもかなり出るるしいけど、気難しく、仲良くなるのも乗りこなすのも一苦労だとか。もちろん、羽の生えていない普通の馬もいるとのことで、羽付き馬に気に入られなかった生徒は普通の馬に乗るらしい。つまり、羽付きに乗れるのはエリートだとかなんとか。どっちのお馬も、大きなおめめがくりくりで、まつ毛ビシバシで可愛かった。
他に、弓道部とか、アーチェリー部とかに近い部活があった。デモンストレーションでは、矢に魔法をのせ上空に打ち、空中で広がる美しい花火のようで見応えがあった。昼間でもこんなに綺麗なのだから、夜空なら本当に花火のようなのだろう。夏の風物詩に引っ張りだこだね。
驚いたことに、これら全部まとめて『騎士部』の活動だそうで。3年間で極めることが出来れば、将来が約束される、平民クラスでは仕事に繋がる大人気の部活らしい。そのせいか平民寮で見知った顔が、ちらちら見られた。
あとはよくある球技系。これは某イギリスの魔法少年映画にでてきた、空飛ぶほうきにのった球技が1強らしい。こちらは、魔力の強い貴族がエースになる事が多く、貴族も入部しているようだ。
私はまだ魔法のほうきで飛んだことが無いのだけど。上手く乗りこなせるのなら、入部しちゃったかもしれないくらい楽しそう!だって大好きだったんだよね!あの映画!
逆に体操部や陸上部、水泳部のようなものはないものの、20以上ある部活を1日で見学するのは大変だった。
印象としては、運動部は男子が凄く多かったと思う。もちろん女子部員もいるようだったけど、話を詳しく聞けば、高位貴族子女に仕えるためとか、入部の目的意識が高くないと入部自体が認められなそうで、少し難しいと感じた。それにどの部活も真剣に取り組んでいて、部活で軽く体を動かして……。なんて甘い考えは捨てた方が良さそうだ。真剣に頑張る人に失礼だもんね。
それと、特筆すべきは部活にかかる費用は一切無用とのこと!あのカッコイイ騎士部の制服も鎧も剣も弓もまるっと学園至急なんだって!これなら、お小遣いがゼロの私でも、遠慮なくどの部活でも入部できる。流石王立!太っ腹!
それから……。
部活見学中に、オレンジ色の赤髪の男の子をちょいちょい見掛けた。夏になると会いに来る、『マック』そっくりの赤髪だ。
体格の良い彼だけど、去年の夏一緒に遊んでた時には、あそこまで高身長でも、筋肉ムキムキでもなかったと思う。だから多分人違いなのだろうけど……。あまりにもクラス内でのボッチな私は、知り合いがいるのなら!と縋るように追いかけてしまった。
のに、声をかけようとするとサッと逃げられた。なんなら、追いかければ追いかけるほど全力で逃げられた。ええー……。
知り合いならそんな反応しないよね、あのマックなら、正々堂々と真正面に現れるよねと思い込もうとした。けど、避けられてるのかもと思うとあまりにショックで立ち直れないかもしれない。




