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密談3-1

 豪華なアフタヌーンティーの用意された(略)部屋だ。

 そのテーブルを囲む見目麗しい4人の男子の表情は様々である。


 顔を赤くしてぽーっとするもの。

 カタカタと落ち着きなくティーカップをもったり置いたりを繰り返すもの。

 うっとりと目を瞑り、詩を紡ぎだすもの。

 そして、一人青白い顔をしてうなだれるもの。

 温度差も激しい。


 淹れたての紅茶が注がれたカップからは湯気が立っていたが、今日こそ飲んでもらえるのかとカップと、隣室で控える侍女たちも緊張を隠さない。ガッチリとした赤髪のマルクがカップを手に取った瞬間には、部屋の空気が張り詰めたかのようだった。もっとも直後に置かれた時にはガッカリ感も半端なく。を延々と繰り返している。解説のこちらもしのびない。


「そろそろ、いつものように始めてくれないか?アクセル」


 銀色の長髪をご機嫌良くたなびかせながらエミールは王太子に話を促した。

 ロダンの考える人よろしく、彫像のように美しいアクセル王太子は、エミールに声をかけられ、気がついたように「あぁ」と気のない返事をすると、小さくため息をついて


「じゃあ、はじめようか」


 と、暗い表情を隠しきれないまま話し始めた。心做しかいつものカリスマ光も弱々しい。


「「「はい!」」」


 対比するように他3人の表情は明るい。

 むしろウッキウキだ。

 この4人、王太子から伯爵家三男まで身分差があるものの、一切気遣いせずに自分の感情を表に出しているあたりに仲の良さが伺える。まさに「気の置けない仲」というやつだ。


「予定通り、サラの入学、ステータス測定が終わった。結果は掲示されていた通りだが、サラは私らの想像以上の結果を出してくれていた。見事だ」


「はい!学力面素晴らしかったです!体力面も……ですけど……」


「あぁ。あれほどの身体能力を、とは思っていなかった。驚きと共に喜びを隠せない。芸術面も、だが……」


「うんうん。初回でこれほどの実力とは。驚いたよ。まさかの学力過ぎて……だけどね」


 小さな火花がバチっと鳴った。各自好きな分野、苦手な分野があるのだろう。

 同じ女の子を好きになったもの同士、自分の好きな分野に特化してもらいたい、という思いが滲み出し、三つ巴の戦いが始まろうとしていた。


「オールマイティに得意なんて素晴らしいではないか。それに、みなは贈り物の制服を着用してもらったし」


 始まらなかった。

 王太子のボソリともらした呟きに、3人がピタリと動きをとめる。

 瞬間後。


「そーなんですよ!!見ましたか!?あのサラの凛々しくも可愛い姿を!!!なぜにあれほど庇護欲を煽ってくるのか!!!!!」

「いやいや、やはりエレガントさこそサラには似合う!僕のプレゼントした制服こそが彼女の美しさを存分に引き出しているじゃないか!」

「ふふ。美しさは内面の知性から滲み出るものですよ!僕の制服をまとったサラは誰もが信頼と敬愛の念を抱いてしまいそうなほど愛らしいです!!!」


 やっぱり始まってる……?

王子の言葉は、戦いの火蓋をきる言葉となったようだ。

 3人の男子が興奮冷めやらぬ様子で自分の制服とペアとなる服を着た、愛しい少女の様子を賞賛する。そして、我のこそが!と他の2人のよりも似合っているとウッキウキで自慢しているのだ。これで喧嘩にならないから不思議である。厚手のカーテンが引かれたはずの部屋が、どことなく明るく感じるほどキャッキャッと明るく盛り上がる。

 王太子はと言えば、3人の空気を悪くしないように話を聞かながら「そうか」「よかったな」「そうだろうな」と、うんうんと相槌を打つもののやはり元気がない。

 3人の貴族子息達が一通り自慢し終わると落ち着きを取り戻し、ようやく王太子の様子に気が付いた。そしていたたまれない表情になり、慌ててフォローをする。


「アクセルは……。その、残念だったね?」

「王族専用デザインは、着用場所を選びますからね。まだ、この先にチャンスはありますよ」

「そうですよ、王族専用デザインのサラも中々似合ってると俺も思いましたよ」

「そうそう。ボクのほどじゃなくても、似合うはずだよ!サラは何でも着こなすだろうね」

「はい!ボクもそう思います!」

「ええ!とても似合ってましたよ」


1人断定してるやつがいる。



カップを擬人化っぽくさせてすみません。

3度目なのに飲んですら貰えないのが可哀想でつい…。

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