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間章-ギルガメッシュとマルドゥク-

首都機関、【バベルの塔】中階の会議室にて…

会議室の入り口から見て、左側の席には…西圏側の統括長ドミニウムであるマルドゥクが座っているが…

苛立ちを抑えきれておらず、右手に持つ鉛筆を思わず折ってしまう。


マルドゥクの背後には、狼を模した仮面を付けた軍服姿の【秘密警察ジーク】の男女3人が、立った状態で待機している。


「待たせてすまないな、マルドゥク。」

後からとは言え、首都機関長のギルガメッシュは、時間通りに会議室に入室する。

「いや、オレが早く着いただけだ、気にしていない。」

マルドゥクは、ギルガメッシュに視線を向けながら、フォローする。


「それで、早速だが本題だ…」

マルドゥクの反対側の席に着いた、ギルガメッシュが切り出す。

「先ずは、源南花とアリサ・クロウの一行が、地下養成管理棟パノプティコンに対して探りを入れた件だが…」

首都機関長は、右手の人差し指で机を軽く叩く。


「【アヌの使徒】であるアトラから、この帝国の行く末に対して【権利ノブレス責務オブリージュ】を与えられた存在である以上は、俺とエンキは静観する姿勢を取るつもりだ。」

マルドゥクは、その発言から見える真意を予測する。


「静観するつもりだ…とか言いつつも、源の娘達にエンキドゥを凍結解除させて、またアイツと決闘たいわしたいだけじゃないのか?」

「ふっ…確かに一理あるかもな。」

帝国の長としてではなく、私的に肯定した、ギルガメッシュの口角が僅かに上がる。


「そして、もう1つは…第四騎士団で起きた源南花に対する暗殺未遂の件だが…団員のマリアを唆した人間を特定出来たぞ…」

ギルガメッシュは、容疑者の顔写真付きの報告書を、マルドゥクに手渡す。


「はぁ…分かった、その件に関してはこちらで対処しておく。」

ため息混じりにマルドゥクが、机の上に置いた報告書には、2人の女性の顔写真が貼られている。


「次は、オレからの報告だ…」

手にした珈琲を一口飲んだ、マルドゥクが切り出す。


「帝国より西の地にあるレバノン杉の森を警戒していた、第一騎士団20人が、何者かによって殺害されている。」

「本当か?20人と言うことは…森に派遣していた団員が全滅じゃないのか?」

ギルガメッシュは、眉をひそめる。


「あぁ、争った形跡がほぼ無かったことから…一方的に、一瞬の内に全滅させられた可能性が高い…くそ!」

親交のある部下達を失ったマルドゥクの右手に力が入り過ぎ、握っているマグカップが砕け散る。


「その20人全員、木で出来た檻に捕らえられた状態で…檻ごと燃やされ、木炭の様に黒い状態で別部隊に発見された…」

「木の檻…一瞬で木炭みたく燃やされていたとなると…」

ギルガメッシュは、直ぐに襲撃者の見当が付く。


「異邦の魔女こと、モルガーナ…アイツしかいないだろうな。」

「あぁ…そして、丁寧にメッセージも残されていたらしい。」

マルドゥクは、取り出した報告書の一部を読み上げる。


『私は旅の合間に、抹茶をてて小休止していただけなのに…急に仕掛けて来たのは、そっちの団員だからね。本当だよ?』

報告書を持つマルドゥクの手が震える。


「まぁ…アイツは、嘘はつかないからな…急襲した団員達に、非が完全に無いとは言えんな。」

ギルガメッシュは、あくまでも冷静に報告を飲み込む。


「ギルガメッシュ、報告は以上だ…帰らしてもらうぞ。」

「あぁ、構わない…暗殺未遂の件は頼んだぞ。」

分かっているっと短く答えたマルドゥクは、そのまま退室する。

そして、背後に立っていた秘密警察ジーク達が、その後を追い…


会議室で一人の状態になったギルガメッシュは、思わず、鼻筋に右手を当てて…

瞳を閉じ、僅かな時間…考え込む。

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