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24話『木造校舎の生徒会長』

南花達5人とロングコートの女を飲み込んだ黒い鯨は、まるで深海を潜航していくかの様に、地下世界を泳ぐ。

20メートル近い鯨の、数倍大きい灰色のレンガ造りの門を一つ、また一つとくぐり抜けながら、地下世界の最深層を目指していく…


最深層まで辿り着いた鯨の前に、それまで通過した6つのレンガ造りの門とは異なり、両端に糸杉が立つ木造の門が閉ざされているが…

鯨が歌うと、ゆっくりと開門していく。


そして、木造の門の先には、古び廃れた木造校舎が姿を見せる…


目的地に接岸した鯨は、大きな口を開く。


「さぁ、着きました…皆さん、付いてきてください。」

地下世界にある木造校舎へ続く校庭に、真っ先に降りた、ロングコートの女が案内役を申し出る。


「今は従うしかないわね…」

日の光が殆ど感じられない空間に戸惑いつつも、適応しようとするアリサが続いて、鯨の口の中から降りる。

「うん、そうだね。」

その次に南花が続いて、恐る恐る降りる。


そして、サクラ、コマチ、アオイも飛び降りる。


すると、役目を終えた鯨は、来た道を戻る様に上昇していく…


「おっ…ようやく来た来た。」

コの字型の校舎の2階の一室にいるセーラー服姿の女性が、校舎内に入っていく南花達に視線を落とす。

その女性は、黒ユリの様に黄色のリボンとラインが印象的な黒いセーラー服に、長めのスカートとタイツという装いをしている。


木造の机に足を掛け、座る木造の角椅子の前足は浮かせて、後ろ足のみでバランスを取りながら、セーラー服の女性は来客を待つ。


校舎内に足を踏み入れた南花達が歩く度に、ギシ…ギシ…っと色褪せた廊下が

泣く。

先頭を行くロングコートの女が持つランタンしか明かりが無い状態で、暗闇を歩いていくなか、南花がふと一つの教室内に視線を向けると…


綺麗に並んだ木造の勉強机の椅子の上部に、瑠璃色の勾玉の形状をした炎が各々、浮遊している。

そして、教壇には黒板を背にした一回り大きな瑠璃色の勾玉の炎が浮かぶ…


「えっ…ここは何?、勾玉?」

南花は余計に混乱してしまう。


「鯨に飲まれたかと思いきや…連れてこられて来たのは、謎の学校だった…」

「ちょっとコマチ、なに詩的なことを言ってんのよぉ~」

思いの外、動じていないコマチの腰周りに、引っ付くアオイの腰は引けている。


「もしかしたら、ここは…」

サクラが一つの予測に辿り着いた瞬間…

「こちらです…この学校の主は、この室内にいらっしゃいます。」

ロングコートの女の案内が終わる。


「ん?ここは、工作室?」

見上げた南花が案内された一室の標識を視認する。


「良い?開けるわよ?」

5人の中で先頭を歩いていたアリサが、緊張しながら確認する。

その問いに対して、他の4人は無言で頷く。


アリサが、錆び付いた簡素な引き手に手を掛け、扉を開け…

南花達5人が室内に入ると…


学校の主が、三日月と太陽を組み合わせた様なデザインのピアスに、赤い長髪を揺らしながら振り向く。

「ようこそ。私【エレシュキガル】が生徒会長ドミニウムを務める冥界がっこうに!」


滅多に客人が来ない冥界の統括長ドミニウムを担う、セーラー服姿のエレシュキガルの瞳は嬉々としている。

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