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拾われた戦争孤児が魔術師として幸せになるまで  作者: 武天 しあん
変化する日常

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>>>久々ウィルを守る会

陛下、宰相、団長、ミラン



「久しいな、ミラン。」

「そうだね〜」


「この前ウィルが冒険者のランクがAになったと聞いた。ミラン、何か聞いていないか?」

「マッチョモスケルにちょっと聞いたよ。レーマンに行ったんだって〜。」



「レーマン、確か近くに魔獣が多く住む森があるところだな。」

「冒険者に人気の街だと聞いたことがありますな。」

「ほう。ウィルのことだから強い魔獣を何体か倒してランクが上がったということか。」


「まぁそんなようなものだね。

ウィルはマッチョモスケルと共闘する約束をしてたから、それを守るためにレーマンに行ったんだって。」

「そのマッチョモスケルというのは、あのウィルが集めているマッチョ作品の作者ということでいいのか?」



「うんそう。本人も騎士団の戦士みたいに結構マッチョだよ。

で、クンストからレーマンまで身体強化をかけて2人で走って行ったらしいよ。面白いことするよね。」

「走って行ける距離なのか。」


「普通は走って行こうなんて思わないよ〜。俺なら走らない。

確かクンストから馬車で2日くらいって言ってた気がする。」

「は?その距離を走ったのか?」



「うん、そうらしい。馬より速いからって走ったとか言ってた。

で、モスケルにベヒモス相手させてる間に、ウィルはブラックサーペントを倒したらしい。それでAランクになったって言ってた。」


「ちょっと待て、ベヒモスだと?そのモスケルという人物は単独でベヒモスを倒せるのか?」



「ベヒモスはウィルと一緒に倒したって言ってたよ。ウィルも魔術で援護したりしたらしい。」

「そうか。しかし、ベヒモスを2人で・・・。」



「団長、私の思い違いかもしれないが、ベヒモスとは災害級ではなかったか?」

「俺もそう記憶している。そうだよな?ミラン。」


「だね〜。ベヒモスもブラックサーペントも災害級に分類されてるね〜

まぁベヒモスはデカくて硬いだけでそんなに強くない。ブラックサーペントも動きは速いし皮が丈夫だけど、まあそれだけ。あ、毒飛ばすんだった気がする。」

「普通はそう簡単に倒せないんだ。だから災害級なんだ。ミランに聞いても参考になるわけなかったな。」



「それでね、面白いこと聞いたよ。

なんかウィルってばボロボロの物乞いみたいな服着て、悪さしてる冒険者釣り上げて更生させたとか言ってた。」

「何だそれは。色々突っ込みどころはあるが、順番に詳しく話せ。」


「俺その場にいたわけじゃないし詳しくは知らないよ〜

なんか、街長から格下の冒険者に悪さする冒険者がいるって聞いて、ウィルがお灸を据えたってことしか知らない。」



「ではそのボロボロの物乞いのような格好をしたというのは何なんだ?」


「さ〜、冒険者に絡まれるように変な服着たんじゃないの〜?知らないけど。」

「そうか・・・。」

「たまにウィルの考えは斜め上を行くからな。」

「そうだな。」



「まぁでも解決したからいいんじゃない?ちゃんと更生までさせるところがウィルらしいよね。たぶん彼らもウィルに落ちたんだと思う〜

ウィルって色んなところにファンいるよね〜、領地でもウィルが街に出るとみんな集まってくるし。」

「そうなのか?」

「平民が寄ってくるのか?」



「そうだね。ウィルは平民とか貴族とか関係なく話すし、その辺の平民がやってる小さい店にも普通に入っていく。

まぁそれは俺もだけど。」

「ミランはそうだろうな。」


「クンストは住みやすいよ。変な柵もないし、領民はみんな朗らかでいい人たちだし。面白いものも色々ある。」

「そうか。前侯爵の頃からいい街だったが、更に良くなったんだな。一度訪れたいな。」

「そうですね。ウィルが治める街というのを一度見てみたいですな。」




「そう言えはミラン、魔術付与研究所と共同で特殊な馬車を作ったらしいな。」

「えーそれ何で知ってるの?俺の馬車に乗せてあげるのは良いけど、あげないよ?」


「一応私はこの国のトップだからな。ちゃんと研究所の研究成果も上がってくる。

ミランの研究所からの報告はなかなか上がってこないが・・・。」

「そういうの苦手なんだもん。」



「ダイター、ミランの報告書は騎士団では諦めている。ミランに報告書を書かせるくらいなら、書記官などを張り付かせて報告させた方がいいぞ。」

「そうか。その手もあるか。しかし研究の報告となると、魔術の知識に長けた者でなければならないからな。そのような者に書記官をさせるのは勿体無い。」



「たぶんだけど、そのうち俺の補佐ができるようになる子が出てくると思うー。

俺、ちゃんと領地の子供に魔術教えてるし。」

「あぁ、それは良いことだな。」



「ミラン、クンストの領主邸に住んでいるそうですね。私は前侯爵から聞いて驚きましたよ。」

「そうだよ。ウィルのおじいちゃんとおばあちゃんと、代官と一緒に住んでる〜」


「ミラン、お前のそういうところは羨ましいな。」

「でも最近、ウィルは忙しいからゆっくり話す暇はないね。」



「そうか。ウィルは領地で色々やってるらしいな。芸術家の保護もしていると聞いた。

そして農業を保護しているとも。

国もウィルを見習うべきところがある。」

「俺には領地の発展とかよく分からないけど、芸術家の寮と展示施設は面白いね。

ウィルのマッチョ像とか、壁一面に描かれた悍ましい森の絵とか。」


「森の絵というのは、ウィルの中隊長室にある絵だろうことは分かるが、ウィルのマッチョ像というのは何だ?」

「マッチョモスケルが、顔だけウィルのマッチョ像作ったの。でっかいやつ。

一度見てみて欲しいって勧められたぐらいだし、ウィルは気に入ってるんだろうね〜」



「それは気になりますな。」

「私も見てみたい。クンストに視察に行けないか?」


「馬車で4時間と聞いてますので、日帰りで調整できると思いますが、さすがにもう少しきちんとした名目がないと丸一日視察として取るのは難しいかと。」

「そうか。あれはどうだ?重力操作鞄の村の視察をセットにすればいけるんじゃないか?

あれは増産が始まれば国外へも輸出する許可を出しているから、名目としては良いんじゃないか?」



「あの村、開墾からやってるからまだできてないよ?」

「そうなのか?」


「そうだよ。クンストのすぐ横だけど、まだ工房とか加工所とか、その辺の建物作ってるところ。まぁでも今年中には稼働始めるんじゃない?

それっぽい人がクンストに来て家を借りて鞄とか作り始めてるし。」

「そうか。ではそれを待って年明けにでも予定を組むか。」

「そうしましょう。」




「団長は馬で駆ければすぐだから休みの日にでも行くんでしょ?」

「いや、まぁ、そうしても良いかな。」


「団長はやはり抜け駆けする気ですな。」

「それくらいいいだろ。

それに重力操作が付与された鞄を騎士団でもいくつか購入するから、どうせクンストには行かなきゃならん。」



「それなら私も重力操作鞄を発注するという名目でお忍びで行けるんじゃないか?

またダイさんの格好をすればいい。」

「それなら私も行きたいです。コーさんの格好をして。」




なぜかダイさんとコーさんの格好をすることにノリ気の陛下と宰相に、ミランは嫌な予感がしてそっとドアに向かった。




「ミラン、どこに行くんだ?」

「もう!団長、空気読んでよ!」



「ミラン、ミランの馬車で送り迎えしてくれ。ミランが護衛してくれれば問題ないだろう。」

「ミランの知り合いの研究者という設定でしたからね。ちょうど良いんじゃないでしょうか。」


「はぁ、やっぱりそうなるよねー」

「ミラン、なんかすまん。」



「俺、ウィルほど器用なこともできないし、気遣いもできないから団長も一緒に来てよ。」

「ミラン、仕返しか?仕返しなのか?」


「団長が一緒なら更に安全ですな。」

「あぁ、そうだな。決まりだな。」

「マジか・・・。」


こうして4人でクンストへ行くことが決まった。



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