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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

闇の始まり① ワトソン博士

作者: マックス一郎

ワトソン博士とノートルダム氏の出会い。

大英帝国・首都・ロンドン市

ベーカー街221B

1885年1月某日 午前9時頃


マイケル・ノートルダムと名乗る若い男が民間顧問探偵の住まい兼事務所を訪れた。

ロンドンはその日は凄く寒かった。雪こそ降っていなかったが、気温は低く、空が曇っていた。


ハドスン夫人という魅力的な30代後半の女性が彼とその連れである中東系の若い男を招き入れ、探偵の部屋へ案内した。

彼女はドアを叩き、背の高い、軍人風の男性が出てきた。


「ワトソン先生、お客様です。」


ハドスン夫人は男に声をかけた。


「ホームズは今いないですよ。」


ワトソンと呼ばれた男性が答えた。


「ホームズさんではなく、あなたに用があると言ってるの。」


夫人は付け加えた。


「私に?」


男は疑問に思った。


マイケルはワトソンに声をかけた。


「私の名前はマイケル・ノートルダムです。アフガン戦争で活躍した先生に話があります。」


ワトソンは眉を上げ、神妙な顔となった。


「私は買い物があるので、これで失礼するね。」


夫人はそう言い、階段を下りて、家から急いで出ていった。

彼女を目で見送った後、ワトソンはゆっくり口を開いた。


「何の用だ?誰の使い?」


「あなたの正体を知っているのです。それを踏まえた上で話がしたくて、はるばるタウレッド王国から来ました。」


マイケルと名乗る男がワトソンに伝えた。


「入れ。」


ワトソンは2人を部屋に招き入れた。


2人の訪問者が椅子とソファに座り、ワトソンは温かい紅茶を出した。


「そちらの無口の友人は?」


ワトソンは警戒しながら質問した。


「彼は私のパートナーです。元は中東系の名前だが、ここではショーンと言う。」


「なるほどね、で私に何の用か、教えてもらえるかな?」


体で威嚇しながらワトソンは2人に話した。


「大英帝国情報局での働きは見事でした、ワトソン先生。」


マイケルはゆっくりと紅茶を飲みながら話した。

ワトソンは隠し持っていた銃を出そうとした。


「警戒しなくていい。」


直接ワトソンの頭で声が響いた。

彼は驚き、若い中東系の男性を見た。


「これは何のトリックだ?」


「トリックではないですよ。テレパスです。」


マイケルはゆっくりと普通の声で答えた。


「何者だ?」


ワトソンは質問した。

マイケルは紅茶をテーブルに置き、ワトソンの目を見ながら、話し出した。


「私たちはあなたの友人です。あなたは何者であるのも知っている。誰の命令でここの探偵の警護と監視を行っているのもわかる。大英帝国情報局のエースでアフガン戦争の英雄、ジョン・ヘイミッシュ・ワトソン博士。あなたは科学者であり、医師であり、大英帝国一の諜報員であり、旧ワトソン家の莫大な遺産を持っている大富豪。」


「そこまでわかるなら、それを言いふらすことは何を意味するのかわかると思う。」


ワトソンは銃を取り出し、2人に向けた。


「落ち着け、若造。」


また声は頭の中に響いた。


「そのトリックはやめろ!」


「まやかしではないのだ。余の声はお前の頭に直接送っているのだ。」


中東系の若い男性はワトソンを見た。


「ワトソン先生、是非あなたをスカウトしたい。我々は数百年活動している秘密結社です。頭脳明晰で推理の天才であるご友人に正体を悟らせることなく、彼を監視及び警護するあなたの特殊な能力スキルを必要としている。」


マイケルはワトソンに話かけた。


「私の能力スキル?それも知っているのか?」


「知っているとも。我々とともにタウレッド王国へ来ていただきたい。」


マイケルはワトソンの目を見ながら伝えた。


「断ったら?」


「それでは仕方ないと思うが、あなたが断らないことは既に知っている。」


笑顔を浮かびながらマイケルは言った。


ジョン・ヘイミッシュ・ワトソンが持っていた銃をホルダーにしまい、訪問者2人の話を聞いた。



約2か月後、ワトソン博士はタウレッド王国のトレード市へ移住した。

探偵である友人を1人ロンドンに残して。























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― 新着の感想 ―
[一言] 背が高く肩幅の広い、胡麻塩髭のワトソン氏が勝手に脳内に浮かびました。ホームズ必要なさそうな人物ですね、これがどのように「ワトソン重工」へ繋がるのか楽しみです!
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