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 キュッ、キュッ、とホワイトボードに簡単なイラストを描き始める。


「この天使が暴走すると、天使化、少女たちは暴走を始めます。こうなると、我々の手では、止めるのは困難になります。そこでです。天使化を止めるためにあなたが必要なわけですよ」


 そういう犬伏の話を聞いて、あまり理解が追い付かない俺であるが、ここは、否定はしないで話を聞いておいた方がいいな。


「天使化、これが何体いるのかは、私たちは把握していませんが、およそ十数体ほどいると聞いたことがあります。元々、天使は、存在しないものでした。でも、今から数年前の事です。隕石が地球、それも日本に落ちたことはご存じですよね?」


「ああ、確かニュースでやっていたな。それが何かと関係あるのか?」


「あります。あれこそが天使が存在した元凶とも言えるでしょう。あの隕石には、結構な量の魔力が凝縮されていたと言われています。それが、散乱して、ある少女たちに定着した。天使化を抑えるためには、愛が必要だと言いましたよね?」


「そうだな。言った、言ったな」


 淡々と説明する犬伏の説明に嘘偽りなく、話が進む。


「これからあなたにしてもらう事は、天使化、になる前の少女たちと愛、つまりは、恋仲になってもらいます」


「はぁ?」


 まったく意味が分からない。恋仲という事は、あれだ、つまりは恋人同士になれという事なのだろうか。


「ちょっと待て。恋仲になれと突然言われて、はい、そうですか。と、素直に返事を返せるわけがないだろ? でも、未来がないという嘘はないとは信じてはみたいが、俺なんかが、女子を落とせるとは思わないけどな。あまり言いたくはないが、何をやっても普通だし、顔だって、普通だ。友達もいなければ、親友と呼べる奴もいない。それも女子と仲良くなるなんて、もってのほかだ! どう見ても無理だろ? 他の奴に当たるとかできないのか?」


 俺は首を振って、全力で否定をする。


「できないですよ。これはあなたにしかできないことです。あなたに拒否権はありません。早速で申し訳ありませんが、我々は、一人目の天使化になる少女をもう、把握しているのです。天使化さえ抑えれば、世界は救われます。それにこれはあなたにとって、今後、楽しい高校生活を送るのか、このまま暗い高校生活を送るのか。よく考えてみてください。それに女の子を助けることは、罪ではありません。むしろ、いいではありませんか。楽しいかもしれませんよ」


 犬伏は、楽しそうに話をし、隣でそれを聞いていた富山は、はぁ、と小さいため息をついていた。


「富山の意見を聞きたいんだが、本当に世界を救う方法は、これしかないのか? お前らの魔法で天使化を抑える方法もないのか? いや、犬伏の話を疑っていると言えばうそになるんだが、愛で世界を救うとか、どうも……な……」

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