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【祝PV1万突破】 俺の日常は突如、非日常な青春ラブコメに変えられた  作者: 佐々木雄太
第5章  こうして、彼と彼女の関係が始まる
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 葵の瘴気は段々深刻な状況になっている。富山に魔法の援護をしてもらったのにも関わらず、ここまで激しくなったのは予想外らしい。


「さて、これから、坂田さんには葵さんの夢の中に入ってもらいます」


「夢、ね……。それでその夢とやらに入ったら俺はどうすればいいんだ?」


「とりあえずは、辻中さんに会ってください。でも、夢の世界からの脱出は、そう簡単にうまくはいきませんので、命の保証はありません。ですが、これだけは覚えておいてください。万が一の場合は、僕の判断であなたと辻中さんを殺します」


「ああ。納得はしていないが、これがもう一つの選択肢なら仕方ないんだよな」


「はい。本当は、僕もお二人を殺さずに、無事に帰って来ることを祈るばかりですが、これもこの世界で生きる命ある者たちを守るためですので」


「分かってるよ。ただなぁ、お前が思っているほど、俺はすぐにくたばらないさ。それに俺が葵を助けた後は、頼むぞ」


「分かりました。善処します」


 犬伏にそう言われ、俺はベンチで横になっている葵の近くに行き、地面に寝そべる。そして、葵の右手を左手でしっかりと握り、富山の方を見上げた。


「富山、遠慮はしなくていい。思いっきりやってくれ」


「言われなくても分かっているわ。それじゃあ、行くわよ」


「ああ、頼む」


 俺は目蓋を閉じ、富山は俺と葵に魔法をかけ始めた。


 水みたいな感触が、俺の体を覆い始める。全てを覆いつくすが、呼吸がしづらく感覚はなかった。そして、俺は深い眠りに入り始める。


「どうやら、第一段階はうまくいったようね」


「はい、ここからどうやって辻中さんを連れ戻すかは、坂田さん次第でしょう」


「そうね。でも、これがいつまで持つのかは自信がないけど……」


「僕たちは次の対策のために準備をするとでもしましょうか」




 深く、深く潜っていくこの体は、一体、どこまで行くのだろうか。さてしなく続くこの暗闇を俺はただ、身を任せながら進んでいった。


「ここが、夢の世界。どうも頭がついてこないな。漫画やアニメに出てくる異世界じゃああるまいし、この世界のどこかに葵はいるんだろうな? ちょっと、怪しくなってきたぞ」


 俺はもう少し、この暗闇を潜り始める。

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