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「坂田さんが言いたいのは、天使自身に意思があり、それが彼女に語り掛けている。そう言いたいのでしょう。確かに、彼女の中に天使がいるのは確かです。天使自身が意思を持っているか、それは可能性があるでしょう。天使もまた、元々は意思のある生物です。彼女たちの体内で生き続ける限り、それは永遠と言えるでしょう」


「もし、天使の力を抑え込んだ時、その力は、制御できるものなのか? 失敗したときは、暴走すると言っていたが、成功したときは、逆にその力を利用するのは無理か?」


「それはどうでしょうか? 確かに、愛で力を抑え込んだとして、天使の力を簡単に利用できるとは考えにくいですね。天使の力は、あまりにも凶暴すぎます。力は利用しない方がいいでしょう」


「なるほどね。ま、それならそれでいいんだけどよ。そろそろ、攻略を進めた方がいいかもしれないな。ちょっと、気になることもあるし……」


「気になることですか。何か、少しでも変だと思った時は早めに行ってください。僕たちはそのためにいるのですから」


 犬伏は、微笑みながら言った。


「そうだな。分かった……。だったら、あえて、早めに言ってやろう……」


 俺は我慢の限界だった。この二人が俺の家に上がり込んでから、三時間を過ぎようとしていたからである。


「帰れ! 俺をサポートする気があるなら明日に備えて、準備でもしてろ!」



   ×   ×   ×



 それから約一週間後の水曜日——


 何事もなく、ただ平和な時間を過ごしていた俺は、ついに始まる学年全体の委員会に出席するために、辻中と共に図書室へと向かった。


「いよいよだな。辻中は、なんだか嬉しそうだな」


「そうですか? 私はいたって普通だと思いますが……」


「それにしても顔色、大丈夫か? ちょっと、悪そうに見えるが……」


「……。だ、大丈夫ですよ。ちょっと、気分が悪いだけですので、大丈夫です。委員会に出席すること自体は、問題ありませんから……」


「きつい時は早めに言えよ。倒れる前に言わないと、自分自身後悔するからな」


「はい、お気遣いありがとうございます。でも、本当に大丈夫ですから……」


 辻中は笑みを見せていただが、これは嘘だと思った。本当は体がきついはずだ。どれだけ、天使化が進行しているかは分からないが、彼女が大丈夫だと言っているうちは、それを信じるしかないが、後々、後手に回ったら面倒である。

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