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XL

 と、俺は葵に訊いてみた。


 だが、その表情はいつもの俺とは真逆の表情だったのか、葵は、ビクッ、として怖がっているように見えた。


「さ、さぁ、どうなんでしょうか。私だったら、先生に相談しますけど……」


「ま、それが一番いいよな。普通なら……ね」


「ちょっと、坂田君。あんた、何か企んでいるわけじゃないわよね?」


 と、富山が、様子のおかしい俺に対して、疑問形を投げかけた。


「企んでいる? どうだろうな。でも、やられたら、やり返すのが、俺のモットーだからな。その辺はしっかりと、お仕置きしないといけないな」


「本当にあんた、何を考えているのよ……。退学処分だけは、やめてよ」


「その辺は大丈夫だ。退学沙汰にはならない」


「坂田さんが、生き生きとしていると、僕にとっても怖いんですよね」


 犬伏が言うと、お前が言うな、と思ってしまう。


「さて、帰るとするか……」


 俺は、奴らの対処法は、後日でもしっかりとできる。まだ、これは序章に過ぎなければ、エスカレートした時点で、こちら側から動けばいい。


「本当に大丈夫なの、これ……」


「そうですね。僕には、今の彼を止めることが出来ませんからねぇ。まぁ、出来るだけの事はしますが……」


 と、後ろの方で、何やら作戦会議をしている犬伏と富山の声がハッキリと聞こえる。


 別に心配しなくても、死なないから大丈夫なんだよ。


 雨の中、雨合羽を着たものの、結局は、足は濡れているし、ほとんど無意味な状態であった。

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