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XXIV

「その……胸、当たってる……」


 と、顔を赤くしながら言う俺。


「なーに、お姉ちゃんの体に興味あるのかな?」


「ち、違う! その……」


 あー、何やっているんだよ、俺。早く、風呂から上がれ! そして、まじまじと見るな! 変態じゃないか!


「いいのよ。お姉ちゃんに体を預けなさい」


 皐月さんは、俺の体をギュッと抱きしめる。


 もう、見てられない。そう思った俺は、風呂場を出て、二人が風呂から上がって来るのを待つことにした。


 それにしても、あれくらいの歳の俺だったら、なぜ、栞が家に居ないんだ? もしかして、母さんとどこかに出かけているのか? いや、でも、それだったら、仕事場に子供を連れて行かないだろうし。不思議なことが多いな。


 俺は、自分の部屋に向かい、何か手掛かりがないか、一応、探索してみる。


 昔の俺の部屋は、今の俺の部屋に比べて、だいぶ変わってはいるが、変わってないところは、勉強机とベットくらいである。


 なるほど、ここは、あまりヒントになりそうなものはないな。何か、あると思ったんだけどな……。他を探すか……。


 他を探すと言っても、次はどこを探せばいいのか、分からない。栞の部屋は、まだ、このころにはないから、母さんたちの部屋くらいだよな。


 俺は一階に降りて、母さんと父さんの部屋に入る。


 なるほど、この二人の部屋は、ほとんど変わってないってことね。栞が居たくらいで、他に怪しいところはない。


 やっぱ、ここも違ったか。さて、どうしようか。さすがの二人も風呂から上がっているころだろうし、リビングに戻るとするか。


 再び、俺はリビングに戻ると、二人はソファーに座って、手をつなぎながら、幸せそうにスヤスヤと、眠っていた。


 それを見ていた俺は、急にめまいがする。


 おいおい、こんな所で、急に何なんだよ。やべぇ、意識がもうろうとしてきたな。もう、勘弁して……くれ……。


 俺は、そのまま気を失った。




 俺が目を覚ました頃は、部屋は真っ暗な状態であった。


 いつの間に部屋の電気を消したのか、覚えていないが、カーテンが閉まって、外の明かりは、まだ、暗い状態のまま。

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