XX
「どうしたんですか?」
「その……。ちょっと、お願いがあって……ね……」
もじもじと話をする皐月さんは、年上なのに可愛い。
「それにしても、男の子の部屋って、こんな風なの?」
皐月さんは、俺の部屋を見渡した。
部屋には、机のほかに、タンスにベット、テレビにゲーム機、後は、本棚には漫画や小説と、置ききれないのは床に置いている。
「それでお願いっていうのは、何なのですか?」
「私の部屋にある荷物の整理を手伝ってほしいんだけど……。ダメかな?」
ああ、そういう事か。
「別に構いませんよ。暇ですし」
俺は軽く返答した。
「ありがとう。すごく助かるよ。私一人だと、どうしても厳しくて困っていたの。男の子が手伝ってくれると助かるわ」
「いえいえ、それくらい、大したことないですよ。それじゃあ、行きましょうか」
「うん、そうだね」
俺は皐月さんに連れられて、皐月さんの部屋に向かった。
皐月さんの部屋は、二階の誰も使っていない部屋であり、俺の部屋の隣である。
だから、今後は、両隣の部屋には、住人がいることになるのだ。
「さぁ、入って」
皐月さんにそう言われて、俺は緊張しながら部屋に入る。
「し、失礼します……」
部屋の中は、意外と普通の部屋だった。
まだ、きれいに片付いていないが、ある程度の荷物は片付いている。
きちんと整理整頓されているんだなぁ。女の人の部屋って、栞くらいしか入ったことがないけど、女子って、きれい好きというか、男よりもこまめにしているよな。部屋の感じって。
家具とか、先に配置されているらしく、残りは、この、ちょっと山のように積み上げられた段ボールくらいである。
「皐月さん、これの中を出して整理する感じですか?」
「あ、うん。そうだけど、陣平君はこの段ボールの中身を本棚に並べてもらえるかな?」
と、一つ、段ボールを手渡される。
「結構、重いんですね……」
受け取った俺は、苦笑いをした。
「あ、うん。そうだね……」




