英雄に倣え
終戦の視えない 見えない戦
敵に対し無防備を晒している
敵を敵と認知していない
それが今の我々だ
故に お前等は戦士達を侮蔑の眼で見ている
我々は彼等に労いの言葉の一つかけてやる事が出来ない
強いて言うならば そのような言葉は逆に不要というものだろう
彼等が欲しているのは言葉なのは確かであろう
だが、それよりも欲しているのは
我々一人一人が戦士であるという事の自覚である
ならばその分 彼等の助けになる事を為さなければならない
我々に出来る事 もうわかるだろ
護る為 たった一つの誰かの大切を救うのだ
力を合わせる必要はない
手を取り合う必要はない
言葉を交わす必要はない
我々一人一人が戦士なのだ
動機など 私は知らない
己を制しろ 欲を殺せ
我等は彼等の様に抵抗する術を持ち得る者達ではない
足手纏いにしかならないただの弱者である
ならば 我々は逃げ続けてやろうじゃないか
作戦など不要 ひたすら戦略的逃亡あるのみ
我々に救う事が出来ないのならば 戦う事が出来ないのならば
逃げ続けてやればいい
勝算の無い戦いなんぞ 我々は願い下げなのだ
さぁ 戦士達よ 非難を英雄に浴びせるのはもう止めだ
戦火の最中に飛び込む者を
民はまるで汚い 汚い屑の様に蹴り飛ばす
そんな幼稚な餓鬼ごっこは終わらせろ
英雄達は それでも戦いに身を投じているのだ
どんなに礫を投げられようが
それを気にしている時間があれば
その全てを戦いに注いでくれているのだ
それが分からない者達が 今 此処に居ない事を願う
それでも尚 英雄達に侮蔑の眼を向けるのならば
敵に侵され 無様に死ぬといい
安心しろ 我々も 英雄達も助ける事は無い
救われて当り前と宣い
そのくせ英雄達を罵る間抜けには 救う価値はない