異世界初牢屋
ズキンズキン、、
頭の脈打つような痛みを感じながら目が覚めた。
薄暗い、、目が少しなれてきてまず目に入ったのは鉄格子。
牢獄のような場所だ3畳ほどの石で作られた牢屋だ。私のいる部屋には隅にくしゃくしゃと汚れた大きめな布がおかれているだけだった。
何かが腐ったような強烈な臭い、獣の呻き声の様なもの。最悪の環境だ。
痛みを我慢しながら体をゆっくり起こす、殴られた部分を触れて確認するとすでに血が固まっていた。しかし、強烈な悪臭などの影響もあり強烈な吐き気が込み上げてくる
ここで、吐いたら更に悪臭が酷くなり体力も奪われるだけだ、、
ヴっ
ひたすら一人で吐き気を、こらえていると右の通路から僅かに足音や声が近づいて来ていた。
なぜ。私がここに入れられたかわからない以上情報収集に勤めよう!
監禁とか、拉致だった場合。お金が目的だったらおとなしく犯人に従うのがベストと聞いたことがある。ボロボロの私をみてお金目的だったとは考えづらいが、反抗的な態度をとって痛い合うのは嫌だ!
でも、今はまだ気持ち悪いから気絶したふりをしよう。
ガンっ
どさっ
右の通路にある扉が空いた音がしたと思ったら荷物が投げ入れられた。
チッ
いかにも柄の悪そうな男が入って来て荷物を思いきり蹴とばす!
ストレスでもたまっているのだろうか。どうかこっちに意識を向けないでください。
目をつぶって必死にそう祈っていると、
柄の悪い男がボソボソと何か話しているのが聞こえてきた。
耳をすます。
『ーーとヴぁ??-jmーー』
だめだ聞こえて来る言葉が全く理解できない。
異世界だと確信したときに、もしかしたら勝手に変換されて聞こえるかもとか、淡い期待をしましたよ!残念だったね!過去の自分!
でも、繰り返し使われる単語などの意味はわかるかもしれない。とりあえず、聴こう。
『なッt@---~なさわーバ!!!』
わかんないよー!そして怒鳴らないでよ!頭に響くからさ!
せめてさ!異世界に来るならさ!言葉わかるようにしておいてよ!
強くそう思ったとき、
ふわっ一瞬自分のからだが薄い光に包まれた気がした。
ん?
『おいてめぇ、ゴミの癖にそんな目でこっち見てんだよ?
生きる価値も無いくせにしぶとく生きやがって』
おっさんが何言ってるか理解できた、神様の慈悲?それとも私を異世界に飛ばして申し訳ないと言う気持ちなのかな?過去の自分良かったね!
まぁ、いい!これで、考えるための材料である情報を入手することができる。
所でおっさんは今の言葉を誰に向けたのだろう?
うっすらと目を開ける。この薄暗さにも目がなれてきておっさんがどこを見ているのかも判る
おっさんが見ているものはさっき思いきり蹴飛ばした荷物?
いや、、違う、、人だ、、
はぁ、はぁ
全身に冷たい汗が流れる、
おっさんの見ている私が始め荷物だと思っていた物は、人間だ。足が無い。太もも辺りで足が無くなっている、よく見ると赤黒い色に染まった手の指も無い。本当に生きているの?
嘘だ、こんな事を人が人に出来るはずがない!
なぜ、こんなことが!!
物凄い怒りと哀しみが沸き上がってかる。自分でこの感情が制御できない!!!
押さえきれない、怒りと共に物凄い力が全身から溢れてくるのがわかった。この力の使い方はわからない、でもこの全てをおっさんにぶつければ勝つことなど容易いと何故だか確信があった
「なぜ………」自分の声とは思えない低く掠れた声だった
その声に気づいたおっさん黒く濁った様な目がこちらを向き驚き見開かれる。
次に足元の手足を傷つけられた人の目がこちらに向けられた。薄紫の硝子のような瞳、あれだけの暴力をうけ顔は酷く腫れ少し歪んでいたが、まっくずで恐いほどに綺麗な目に見いられる。目がそらせない、、
その瞳を見つめていると先程まで感じていた物凄い怒りの渦が少しずつ穏やかになっていくのを感じた。
『お前は何者なんだ!どれだけすごい力を持っていようと、お前も奴隷だ、俺に逆らえばお前もこうなるぞ』
男は、先程まで暴力をふるっていた人の髪の毛を掴むとその顔を無理やりこちらにむかせ私に見せつけた、
怯えるとおもったのだろうか?
逆効果だった。
穏やかになりつつあった怒りの波がまた押し寄せる、それをそのまま鉄格子越しにおっさんにぶつける。
どッどーーーーん
爆発音に近い音と風圧に耐える。