異世界初の生物
街に向かって進んでいくと、ちらりと動くものを発見!
とっさに物陰に隠れた!決して、びびってしまったわけではない!断じてね!
物陰から観察してみると、2人の男らしき後ろ姿が見えた。
あまり近くはないので詳しくはわからないが体格は、日本人の平均的な身長より高そうだ。一人は焦げ茶色の髪もう一人は明るめの茶色の髪色
異世界じゃなく海外である確率が少し上がった!
ふふーふーん
思わず鼻歌を歌った瞬間
ばばっ!!
私の観察していた2人がこちらを振り返った。
私の声が大きかったわけじゃないよ?距離も顔が何とか認識できる距離だからそれほど近くはない。
明らかにこちらを見ている2人の反応がおかしい、
私の視力では、相手の表情までは確認できないがたぶん目が合っている。
急に鼻歌を歌う変なやつだとでも思われたのだろうかガン見だ!目をそらしてくれない!それともこのボロボロの服か!?
にこっ、ペコリ
あちらからどれ程こちらの表情などが確認できているかわからないが、笑顔でお辞儀という、できる女風の対処をやってみましたー!
ちょっとやりなれないから羞恥から少し顔がこわばっていたかもしれない!でもやりきった。
街に向かうには2人の近くを通過しなきゃダメだからこの勢いで通りすぎてしまおう
2人はそこから動かない、もちろんこちらから視線もはずさない。何か変なところが有るなら言ってほしい!言葉通じるかわからないけど!!表には出ないように心のなかで呟きながら歩いていく。
どんどん彼らに近づくにつれ不思議なものが見えてきた、お尻の近くにふさふさな、、し、っぽ?
頭の上に、髪と同じ色のみみ?
とうとう日頃の疲れが目に、最近文字がぼやけてみることもあった。私は疲れている。疲れている。もう一度よく見てみよう。
目が合う。そりゃぁお互いにガン見だったら目も合うだろうが、目のかすみのせいではなかった。
確実にワンコの耳が頭の上に尻尾がお尻から生えていた、ピコピコ少し耳が動いている。か、可愛い!!尻尾も!
耳と尻尾に気をとられていたのがよくなかったのだろうか。
ガン!
頭が痛い、、どんどん意識が薄くなっていく、何とか意識を保とうとすが、
ガン!もう一度固いもので殴られたような鈍い痛みが走った
もう、意識を保つことができず目の前が暗くなっていった。。その瞬間少し冷静になり、ここは本当に地球では無いところだと
ストン、と心のなかに落ちてきた。。
それを認めた瞬間、物凄く悲しい気持ちになった、何が悲しいのかすらわからない。これから、酷い扱いをされてしまう未来を考えてのことなのか、もう親にも友にも会えない可能性に関してなのか。自分自身でさえわからない。
ポロリ
倒れた女を見下ろす3つの影、頭から流れる血にちらりと目を向けるだけで彼女の涙に気づくものは居なかった