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第八話 カートのドミー

 ジャンが歩いて行く方向と違う方へ飛んで行くドミーは注意深く何かを探すように飛んでいます。ドミーは何を探しているのでしょうか?

 しばらく飛んでいたドミーが木にとまりました。ドミーが見ているのは、家の前でお人形で遊んでいる女の子です。女の子はお母さんの真似をして人形の世話をして遊んでいます。でも女の子はアイスクリーム屋さんが来ると遊んでいた人形をポイと放り出し、アイスクリーム屋さんを追いかけるように走って行ってしまいました。放り出された人形は道の上で転がっていましたが、アイスクリームを食べながら戻ってきた女の子は人形をそのままにして家の中に入っていってしまいました。ドミーはその様子を見終わると、首を横に振り飛び立ちました。


 ドミーはアパートの前の木の上でジャンの帰りを待っていました。ジャンがチラシを入れたカートを引っ張って歩いて来るのをみると、ジャンの頭の上に乗りカートの上にとまり「ドミー帰ったぞドミー」と言いました。ジャンは「お前って奴は!いや、ドミー帰ったぞ」とうれしそうに笑うと、ドミーをカートに乗せたままアパートの階段を上っていきました。

 チラシを半分置くと「ドミー、行ってくるからな」と出かけようとすると、ドミーはカートに乗りました。「お前は一緒に行きたいのか?わかったよ、好きにしろ」とドミーを乗せたまま、道を歩き出しました。

 すれ違う人は不思議そうにドミーを見ています。そして「なんだね?その鳥は」と一人のおばさんに声をかけられました。ジャンは知らない人と話すのが苦手です。すると「帰ったぞドミー」とドミーが話しました。おばさんは驚いて「てっきり私は作り物のオウムだと思ったよ、あれまあ、驚いたね」と笑いながら言いました。ジャンは「こいつはドミーっていうんだ、よろしくな」と言うと歩き出しました。「よろしくなよろしくな」とドミーが言うと、笑いをこらえながら「気をつけて行くんだよ」とおぱさんが手を振りました。

 チラシを配り終わってアパートに戻ると「お前といると知らない人がたくさん話しかけてくるんだな。まあ、俺も楽しかったよ」とうれしそうに笑いました。


 翌朝ジャンが出かけるのを窓から見送ったドミーは、また何かを探すように飛んで行きます。家の庭にいる女の子を見ると、近くの木にとまりました。女の子は庭に咲いている花に水をあげています。蝶が飛んできて花にとまりました。水をあげている女の子は蝶に気がつくと、捕まえようと夢中になり庭の花をすっかり踏みつぶしてしまいました。それを見ていたドミーは首を横に振り飛び立ちました。

 どうやらドミーは女の子ばかり探しているようです。その後はチラシを配るカートに乗り、ジャンと一緒にいるのでした。

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