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第三話 面接と新しい仕事

 職業紹介所から出たジャンは、ビルの清掃会社に着きました。狭い階段を上がりドアを開けると、太った女の事務員がいます。「職業紹介所から面接を受けにきたんだが」とジャンが言うと「ああ、ちょっと前に来た人が社長と面接してるから椅子に座ってお待ち下さい」と事務員の女の人が言いました。椅子に座って待っていると、面接を終えた若い男が出て来ました。「お待たせしました、どうぞ。社長、また一人面接の方です」と社長がいる部屋の扉を開けました。「こちらにどうぞ座って下さい」と言う社長は、ひどく背が小さな男です。名前や年齢、職歴、家族などを聞くと「最近は不景気なのか沢山の人が面接に来てね、実はあなたの前の人で丁度募集していた人数になってしまいまして。申し訳ありませんが、今回は見送りと言うことで。すみませんね」と社長が言いました。


 ジャンは「もう雇う定員がきてるならあんなに色々聞く訳がないだろうよ、体良く断られたんじゃねえか。まあ、年だからな俺も」と力なく歩いて行く途中、ビルの一階のポストにチラシを入れている女の人を見かけました。「ちょっと聞いてもいいかい?チラシを入れる仕事はどこに行けばいいんだい?」と背後から聞いたジャンに「この仕事をしたいのかい?あまりお金にならないよ。もちろん配る数にもよるけどね」と言いました。そして続けて「この辺りは私の区域だから無理だけど、違う所ならあるかもしれないよ。ここにチラシを入れれば終わりだから連れていってあげるよ」そう言うとジャンをチラシ配りの会社まで連れていってくれました。「まあ、聞いてみなよ。私は子供が学校から戻ってくるから行くよ」と言うと、女の人は足早に歩いて行ってしまいました。ジャンは「親切にありがとよ」と言うと扉を開け、中に入りました。

 何人かの人がチラシを折っています。ジャンは「ここの社長さんはいるかね?」と聞くと、奥の方から白髪混じりで髭をはやし眼鏡をかけた年配の男の人が出てきました。「社長さん、チラシを配る仕事をしたいと思って来たんだが」とジャンが言いました。社長はジャンが住んでいる所を聞き「住宅街だから、その辺りで配れる物があるな。アパートやマンションもあるからね」と言い「ここまでチラシを取りにきて配り終われば、そのまま家に帰る、そして翌日また取りに来て配る。百件ポストに入れれば一フランくらいだが、チラシによって少し違う」と仕事の手順の説明をしました。「ああ、それとね。賃金は毎月十日だ。やってみるかね?」と付け加えました。ジャンはチラシ配りの仕事をする事に決めました。

 会社を出て「安い仕事だが、家賃を払って自分の食費とドミーの餌を買うことくらいはできるだろうよ」と呟きました。

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