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第十三話 最終話の前のジャンとドミー

 ジャンとドミーを乗せた車は大きなお屋敷の玄関にとまりました。「到着しました、旦那様と奥様そしてケティ様がお待ちです」と運転手はにこやかにドアを開けました。

「おい、見てみろよドミー、すごいお屋敷だな」と車から降りたジャンは目をみはりながら辺りを見回しました。

 

 玄関に車椅子に乗った女の子とその両親らしい人が出てきました。「ジャンさんですか?お待ちしていました。ケティが元気になったのもジャンさんのおかげです。直接お会いしてお礼を言いたいと思って来ていただきました」とケティのパパが言いました。「旦那さん、俺は何もしていない。ドミーがお嬢さんを元気にしたんだろう」とジャンはドミーを見て苦笑いしながら言いました。

 すると「はじめまして!ジャンおじさま。お会いできて、とてもうれしいわ。私はケティといいます」と言うケティを見て、ジャンはなんて可愛いくて賢そうなお嬢さんなのだろうと思いました。そして自分の娘が生きていれば、このお嬢さんと同じくらいの年になっているだろうなとケティの顔を自分の娘を見るように優しく見つめました。


 「あなたがドミーに話したお話しを聞いた私の娘は、元気になってドミーが話してくれる色々な所に行ってみたいと思ったそうです。ドミーにも感謝していますが、あなたにも感謝しているのです」とケティのパパは涙ぐんで言いました。「ほらパパ!泣いちゃだめよ、パパやママがこんなに愛してくれて私とってもうれしいのですから。そしてジャンおじさんにお茶をドミーにはとっておきの美味しいお水を差し上げて下さいな」とケティも泣きそうになりながらも懸命に笑顔で言いました。

「そうだったね、こんな所で立ち話も失礼だ。どうぞよろしかったらお茶でも召し上がっていって下さい」とケティのパパは明るく笑いました。


 ケティの家に招かれたジャンとドミーがこの後どうなったのかは続く次の最終話でお話しします。それまでみなさんなら、どんなお話しを考えてくださるでしょうか?

では、最終話でまたお会いできますように。

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