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パーティを組もう


昨日もふもふしてるからパーティーに選らんだという理由へ反抗心から、カラフルな刺繍の施してある動きやすい服に着替えユエとの待ち合わせの場所である冒険者ギルドの近くにある公園に来ていた。


そもそも春とはいえあの服では熱に弱いリーニャにはきついし動きにくかったのだ、それでもちょっと暑いが。



「確か真ん中にある噴水の前……確かあっちだったはず、どこだろ?」


昨日は結局、ユエの実力や何の武器を使うのかなど本人に聞いてもギルド職員に聞いても判を押したように実力者とということしか答えてもらえずわからなかった。

「まぁギルドが実力者というからには強いんでしょうけどね。だけどどこ…。」


今日はまずギルドに行き、パーティー申請をしたあと試しに依頼をこなしお互いの実力を見る予定である。

だが、初めての巨大交易都市、田舎から出てきたばかりのリーニャではたとえただの公園でも迷ってしまった。


「ユエさんどこ…。」

ぼそりと呟いた声は風に消え代わりにユエの声が響き渡る。


「あっ、リーニャさーん。」


「えっふぁ、なに…えっあれもしかしてユエさん?というか聞こえたのあれが!?」


そう呟いた瞬間、後ろで声がした。


「聞こえてますよ。」


「……空間移動? 」


「ええまぁそうですね。それはともかくギルドに移動しましょうか、てわけで手を繋いでください一気に転移しますので! 」


「え?えーと袖が……。」


首をかしげて? を飛ばすユエ光と水の魔法をつかっているようだ。


技術と魔力の無駄遣いとツッコミをいれそうになる。

だが疲れている様子もなく息をするように魔法を使っているのを見て、これただ単に感情が魔法になってるんじゃと思い直した。

なんでも魔力が多いと感情で魔法が発動することがあるらしいのだ。


そして? を飛ばすこと約三十秒やっと自分の袖が長く、手が隠れていることに気がついたようだ。


「この袖魔力を通す素材なので手を握ったのと同じなんです。だから袖を握ってください。」


「へぇすごいんですね。」


「それにしても紛らわしい言い方をしてしまいましたね、ごめんなさい。」



「仕方ないですよ。ほらいきましょう。」


……転移魔法って苦手なんだよなぁと思いつつ袖に手を触れるリーニャ、あの独特の浮遊感が気持ち悪いのだ。


「はい。」


ふわりと風が吹き気がつくとギルドに所属する冒険者たちの声で騒がしい待合室に着いていた。


「うそ、気持ち悪くない。」


「ん?あぁ転移って下手な人がやると気持ち悪いんですよねぇ。」


「そうなんですか? 」


ここに来る間に何度も転移をしたがどれも便利だが気持ち悪かったのって単に下手なだけだったんだとリーニャは納得する、そのわりに凄く高かったから損した気分だ。

実際はレイユエが飛び抜けて魔法が得意なだけで、本来なら転移魔法が使えるだけで天才と持て囃されるのだが。

「とりあえず、受付でパーティー申請しましょう」


そうレイユエがいって袖の下からリーニャの手を握る。


「はい。」





「すみません、コウ・ユエです。」


机がユエには低いため魔法で浮いている。


あっ、昨日のひとだとリーニャが思うとにこりと受付員が笑ってきてビクッとする。


「はい。コウ様、ご用件はなんでしょうか?」


「こちらのリーニャさんとパーティーを組みたいのですが。」


「銃使いのリーニャ様ですね。」


「へっいや、はい。」


リーニャの使う武器は猟銃だ。

通常、銃使いというと短銃がメインなので銃使いと言われるとすこし戸惑ってしまうのである。


「ではこちらの書類にご記入ください。」

受付員が手渡してきた書類にまずはユエから書いていく。


「はい。書けましたリーニャさんどうぞ。」


「ありがとうございます。へぇユエさんて魔導剣士だったんですね、てっきり魔法使いかと。」


「うーん、基本的に剣と魔法を使うので一応ですよ。」


「へぇ。とりあえず私も書けました。」


といって受付員に渡す。


「ドラッヒェンリーベ……ふむ竜の愛ですかいい名前ですね。」


「では受付は終了です。貴女たちの進む道に幸せがありますように。」


にこりと受付員が微笑んだあとお辞儀をする。


一瞬とても綺麗だと思ったはずなのにその印象は次の瞬間霧散した。



「「ありがとうございました。」」


最後に二人でそう言って受付を後にする。





「さて、どんなクエスト受けましょうか?あわせますよ。」


受付を出たところでユエがリーニャに聞いた。


「うーん、やっぱり最初ですし薬草採集とかですかね。」


悩みつつも無難な薬草採集を提案するあたり常識人である。


「それなら途中でランクの低い魔物が現れたら倒してみませんか?お互いの手の内は知っておいた方がいいですし。」



「いいですね。私もユエさんの実力気になりますし。」


「じゃあそんな感じのクエスト探しましょうか。」




ギルドの待合室の近くにある冒険者の人だかりが出来ている掲示板のうち、なるべく人の少ない掲示板を選んでその前に行く。

ちなみに掲示板にはってあるものはすべて一緒である。


掲示板には多種多様な依頼が簡単な許容とともにリスト形式で載っており、やりたい依頼の許容の欄に触れるかギルドカードに依頼内容を打ち込むことで空中に詳しい依頼内容が表示される。


専用のペンまたは自分の魔力で名前を書き込むと依頼を受けたことになり書類が発行され、ギルドカードについている転移陣を通って手元に書類がやって来るという仕組みだ。


「うーん、あんまりいい採集の依頼ないですねぇリーニャさん。」


「あっても安いのか難易度が高いやつばっかりですね。」



「まぁ、いくら素材は売るっていっても依頼で討伐するのとじゃ報酬が違いますもんねぇ。」


「うぅ、弟たちに仕送りしなきゃいけないから稼ぎたいのに……。」


「うーん、あっあれなんかどうですか?」


「ん、どれです?」


ぴょんぴょんとあれだあれだとユエが指差すが目がいいはずのリーニャには見えない。

さっきといいこの子の五感鋭すぎないか?と疑問を抱きつつ促す。


「ほら物取りの捕獲ですって依頼料もなかなかですし、場所もそこそこのランクの魔物がいますから探すついでに素材も集められますよ。」


納入なら先に狩っても依頼クリアできますしとユエは続けてギルドカードに依頼の情報を打ち込む。

ちなみにギルドカードは普段はただの板だが術者の魔力や市販の魔石の魔力をそそぐことでギルドカードに刻まれた魔方陣が起動し様々なことができる。


「西の国に行くための街道沿い、確かD~Fランクの魔物出るんですよね。Dくらいなら私でもいけそうです。」



「じゃあ決定ですね、コウ・ユエおよびリーニャっと。」


そう言って空中に浮かぶ文字に自分とリーニャの名前を書いた。


「あっ、自分で書きますよ!」


「もう書いちゃいましたよ。」


「うぅ、今回の依頼の報酬は6︰4ユエさんが6です。」


「魔力なら有り余ってますから気にしないでください。」


「だけど、私がやるなら魔石が必要でしたし、ほら魔石って高いじゃないですか……。」


魔石は魔力濃度の濃い魔物のたくさんいる場所、もしくはCランク以上の魔物からしか取れないためとても高い。

それを負担させるのは申し訳なかった。


「うーん、じゃあリーニャさんが強くなって魔石がとれるようになったときに分けてください。」


「いつになるかわかりませんよ。」



「先を見据えた、投資というやつですよ、その代わりこれから依頼を受けるときなど魔力は私が負担しますから。」


「破格ですね。強くなるかもわからないのに……。」


「強くなりますよ、私の勘は当たるのです。」


「…うぅじゃあ、よろしくお願いします。ユエさん。」


リーニャは改めて頭を下げた。


「ユエでいいですよ、んじゃ西の街道付近にいきましょうか……いったことないので歩きですが。」


「はい、ユエさん」







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