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旅人助人「魔術師スケウトの旅」  作者: ゴーストサンタ
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第8話 おしまい・おしまい(仮)

悲鳴と悲鳴に笑い声、狂った世界がずっと見ている。何もない空間でスケウト達を見ている。ずっと見ている。彼の歯車が乱れ始めた時から、壊れている者を直す為、すべては世界の為に、異常なものを排除する。歯車は回る。彼らが自由に命を懸けて回し続ける。だから見守り続ける。感情豊かな見聞者が楽しみながらこれからもずっと、だから今もそれは変わらない。何も変わることはない。彼らがどの様な感情を発しても話しても訴えても微笑みながら私たちは歯車を直すのだ。


「ノギアッ貴様っ!!」

「私はセカイノギアだよ?」

「貴様を世界だとは俺は認めない!!」


吸収した歯車達は抵抗せずスケウトの魔力となった。反発など危惧していたが歯車達はそれを望んでる様に吸収されていく。悲劇・悲痛・悲哀・狂気・  の感情が流れる。そして、


―オマエタチが認められていないのだよ。スケウト・サクシャ・ドウジン―


憎悪を捻り出した様な響く声が聞こえた。そしてその直後スケウトは輝く星々の光に貫かれた。


大量の歯車がスケウトを取り囲み貼り付き魔力を奪う。掃っても繰り返し貼り付き魔力を奪われる。吸収を試みるも適応されたのか無駄に終わる。まだ周囲の星々は光り輝いている。貫かれ奪われ足掻いて貫かれる。足掻いて腕を振るい奪い続ける歯車を弾く、ノギアの目の前まで飛ばされた歯車はノギアの周囲を何事もなかったかのように飛び回る。無数の歯車に包まれ奪われ続けてスケウトは光に貫かれ続けた。


「よかったね。なおったよ。」


二つの存在の一つは微笑み、もう一つの存在は発声すら許されない状態で叫び続けた。



「はい、今日はここまでだよ~」

「えぇ~!!」

「何でだよ~バカぁ~!!」

「スケウトどうなるんだよ!!」


公園の広場で子供たち相手に紙芝居をするボロのコートを羽織った初老の男性が一人。その後ろには子供たちを見守るように大人たちが公園の椅子や芝生の上にシートを広げ軽食をとったり自由に寛いでいる。


男は5歳から10歳前後の子供たちから詰め寄られながらも「このスケウトはワシじゃよ」や「スケウトはワシになるんじゃよ」「ホントだよ」「秘密だよ」など意味の分からない発言をして煙に巻いている。


そして、子供達の対応が面倒になった男は必殺の一言を繰り出す。


「では、見物料はこちらへ」


小銭をいただこうと小袋を取り出そうとしたとき周囲にいた子供たち大人たちは蜘蛛の子を散らすようにいなくなった。シートを敷いて寛いでいた家族もクラウチングスタートの準備をしている。いや、大丈夫ですよ。そっちまで徴収にはいきませんよ。


「ふっ、一撃必殺・・んっ?」


男が身に纏っている服が引っ張られている違和感を感じ視線を下にやるとさっきまでいた5歳くらいの男の子とその少し上くらいの女の子が立っていた。どうやら仕留め損ねた様だ。ワシもまだまだ未熟、山にこもって修行のやり直しじゃななどと考えていた。


「ホントにスケウト?」


 すると女の子ほうが話しかけてきた。二人をよく見ると服がボロくて表情からはとても疲れているで必死に懇願するような表情で男を見つめている。


「・・・ああ、スケウトだ」


 自己催眠の接客状態を終了して、自らの名を名乗る。ただそれだけで目の前の少年と少女は安堵し顔を見合わせ喜びの表情に変わる。年相応のあるべき姿を見る事が出来た。


「パパとママを助けて!」

「今は、これだけしかないけど」


 姉であろう女の子が、そう言って二人はポケットから紙に包まれた御菓子や飴玉を両手いっぱいに渡してきた。


「全く足りない、それに御菓子に興味はない。」

「えっ!」


希望を断ち切られ絶望をみる。だが彼は旅人助人でありその呪いはまだ解かれてはいない。だから彼は言葉を続けてこういうのである。


「そう言うのは親に請求するから要らない」

「うぅ・・」

「えっとそれって?」


少年と少女で別々の受け取りをしながらもスケウトは言葉を紡ぐ。


「俺は・・旅人助人、スケウト・クロリグ」

「ボッ、ボクはアロン!」

「私は、クスカです。」


 自己紹介は基本ではあるがスケウト・クロリグは通り名的なアレである。体はスケウト・コーリグ、魂はシルバー・ローランズであるが一時期スケウト・コーリグと名乗ったが同行者の聞き間違いによりスケウト・クロリグとなった。


「さて、ようやく本業だな。」


新たな世界・ジャンクギア・ワールドにて彼の生活が始まる。


一方その頃、残された者達は事態の異変を各々感じ取っていた。


「「スケウト?」」


最初に異変を感じ取ったのは二人、セイントとソッドだった。他の者達は城の建造作業に集中していたり、時空間での闘いを繰り広げている。次第に他の者達も気づく事にはなるが二人は行動に移る。


「まぁいっかまだ療養中だし?長期休暇サイコォッーーー!!」

「散歩が終わったら助けに行くか・・・」


ソッドは散歩をしながら現在スケウトと誰が一緒なのか思い出す。

 この場には、聖・魔・石・水・火がいて空・時が時空間にいるとしてあとは、風・雷・氷・光・闇か・・・それなら急ぐほどの問題でもないなと考えながら散歩していて城の作業現場を見るとスケウトといるはずの風・雷・氷・光・闇がその場に揃っていた。


なんだ?スケウト何処いってんの?当初の予定と違うんだけど??

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