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60.突然ゲーム電源が落ちたぞ。どうなってるんだ運営。

ラスボスが動き出す。

前回までのあらすじ。

ダンジョン階位1位 しん・セイクリアが何かしようとしている。

----------------------------*----------------------------


・ダンジョンの女神ニセル視点


私はダンジョンの女神ニセル。

今はダンジョン管理用の魔道具をしまっている宮殿に来ているよ。


ダンジョンの女神だけど、四六時中ダンジョンを見張っている訳じゃない。

私達の上位の神が作った魔道具が、ダンジョンを一括管理しているの。

権限の管理も魔道具が担当している。


その魔道具は魔石をたくさん消費する。

いつものように倉庫に行って魔石入りの木箱を持ちだし、投入口にどばどばーっと入れる。

倉庫の魔石の補充? そんなの下っ端の神がやってくれている。


よし、これで一週間は魔道具は動き続けるね。


ちなみにこれを作った神とダンジョンの女神以外、誰もこの魔道具の存在を知らない。

知っていたとしても、私達以外使い方を知らないし、稼働に必要な魔石だって私達の与える物だけしか受け付けない。


仕事が終わったから、私は家に帰ることにした。

今日は帰りにプリンを買って帰ることにしようかな。



◇ ◇ ◇ ◇


・魔石型魔獣



『……信様、魔道具の乗っ取りが完了しました』



ウイルスが細胞を乗っ取るように、魔石の山に隠れていたしん・セイクリアの配下の魔石型の魔獣は、ダンジョンを管理する魔道具と一体化した。


この魔道具はデフォルトではダンジョンの神以外の魔石の投入を受け付けない。

最も抜けているニセルが担当のタイミングで、魔石の一つに化けていたのだ。


これで、ダンジョンの権利の一部を、信は自由に書き換え出来るようになった。


さっそく信は、ダンジョンマスターのDP使用権とDPによって購入したアイテムの使用権を“信以外から”没収した。


さらに信は、全てのダンジョン内で生まれた魔獣の主人を“信に”設定した。


仕上げに信は、ダンジョン管理用の魔道具に自爆を命じる。


魔道具は自爆し、信の手元で蘇えった。


後日、魔道具の行方が分からなくなったダンジョンの女神達は、上位の神へ謁見しに行った。

が、自分達の物くらい自分できちんと管理しろと突っぱねられた。



◇ ◇ ◇ ◇


・伊乃田命視点。



突然ゲーム電源が落ちたぞ。

どうなってるんだ運営。

と思っていた所に宝石の巨人の魔獣、通称宝石ゴーレムが現れる。



「ん? 誰だお前」


「ガチャガチャ(クリスタルゴーレムです。

ダンジョンマスターの伊乃田命さん、同行願えますか?)」


「これはお前の仕業か?」



電源の落ちたゲームを指差す。



「ガチャリ(我らがダンジョンマスターの信様の仕業です)」


「妙だな。お前が侵入したというのに、誰も反応していないぞ」


「ガチャン(それは、主人が変わったからです)」



主人が変わった?

仕える対象が俺から変わったってことか。

そんなことってあるんだ。


で、横に居る機械ゴブリンの言葉が分からなくなっているな。

ゲームも動かない。

ということは、



「お前以外の話し言葉が分からなくなっている。

腕輪の効果も消したな?

それだけじゃない。

アイテムの効果まで消したのか?」


「ガチャガチャリ(あくまでアイテム使用権を没収しただけで、アイテムの効果が消えたわけではありません)」



アイテム使用権没収だと?

試しに11連ガチャ引換券(ゲーム)を使おうとするが、無反応だ。



「ふーん、それで」


『いつまで彼の無駄話に付き合っている?

早く連れて来るんだ』



知らない男の声が聞こえてくる。



「あんたの親玉の声、か?」


「ガチャン(申し訳ありませんが、これ以上長居すると怒られそうです。

ついてきてください)」



どうやら抵抗できなさそうなので、おとなしくすることにしよう。



「雅姫閏も連れて行くのか?」


「ガチャ(彼女のダンジョンにも同様に迎えが行っているはずです)」


「いや、閏ならここの8階層でぺろぺろしてるが」


「ガチャガチャ(えええ……まあいいや。

私につかまってください。ワープします)」



命が宝石ゴーレムに掴まると、体が転移し、俺達は青い宝石で作られた牢獄の中に現れた。


ここはどこかの建物の内部らしく、薄暗い。

照明として、牢屋の内外にある宝石が淡く光っている。



「ガチャリ(では、私は雅姫閏を連れてきます。

はぁ……面倒くさ)」


「おつかれさん」



宝石ゴーレムはまたワープしたのか、消えた。


牢獄の中には、他に3人の人間が居た。

雑誌で見たことがあるぞ。

彼らは全員ダンジョンマスターだ。



「よぉ。お前もとららわれちまったか」



あぐらをかいていた海賊ダンジョンマスターの五島ごとう亜理子ありすが俺に声をかける。


間もなくして全裸の雅姫閏が宝石ゴーレムとともに現れる。

亜理子が何も言わずマントを掛けてやっている。


牢屋の中にテレビが現れる。

画面には俺達の他に捕まっているダンジョンマスター達の様子が映っている。

捕まっているのは中級者以上のダンジョンマスターだけ、か。


しばらくすると、画面中央に金髪の小さな男が映った。



『これで全員そろったみたいだ。

僕はしん・セイクリア。

暴虐の限りを尽くす君達に代わり、ダンジョンを管理することにした。

これからは僕の慈愛によってダンジョンはまるで牧歌が聞こえる農村のごとく、穏やかなものに生まれ変わるだろう』



……真面目な顔で何言ってんだこいつ。

頭沸いてるんじゃないのか?


ダンジョンマスターは、俺以外変わり者しか居ないのか?


----------------------------*----------------------------

マスターもそれなりに変わり者ですが。

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人工音声さん!

生きてたのか!


----------------------------*----------------------------

死んでませんし、死にません。

現在、ホム機に憑依中です。

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よし、さっそく現状説明を頼む。



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