59.他のダンジョンマスター達を許さない。そして、運営も許さない。
前回までのあらすじ。
雅姫閏を歌姫として囲うことにした。
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閏が歌の収録から解放されたタイミングで、俺は機械人魚姫のババアを閏に向かわせた。
「雅姫閏、今日からババアを一日3時間貸出してやろう」
「はぁっ?! ちょっと!
私、この女嫌いなんだけど!」
ババアが文句言ってるが無視だ。
「あと、8階層に水槽の大部屋をイチが作ってくれたから、今日からそこを貸しだしてやろう」
「当然の権利なの。ぺろぺろ」
「いやぁぁぁああああ?! ちょ、やめなさ……あああああっ?!」
「ギャギャッ(ふむ、なかなかエロいです!
パシャリとな)」
イラストレーターの機械ゴブリンが興奮して、閏がババアを舐めているのを一所懸命に写真を撮っていた。
デジタルカメラなんてどこで手に入れたのか。
アイテムスポナーか、あるいはゲーセンか。
「ギャギャー(命様、この写真、ネットで販売しても良いですか?)」
「良いけど、買うヤツなんて居るのか?」
「ギャッギャッ(この写真の価値がお分かりにならないとは……命様は、もう少し女性に興味を持った方がよろしいかと)」
人がまるで女性に興味がないみたいな言い方はやめてもらおうか。
ちゃんと興味あるぞ。
俺の好きになった子は画面から出てきてくれなかったけどな。
探せばVRの女の子とコミュニケーションをとるゲームくらいあるだろうが、違うのだ。
俺はゲームに出てくる魅力的な女の子が好きなのであって、二次元の女の子が好きなのとは違う。
「ぺろん。
ふふ、可愛い奴なの。
たくさんいじめてあげるの」
「マスター、助けなさいよー!」
「うるさい。俺は今やりこみに忙しいんだ」
手持ちのゲーム、ディスガイオ38RETURNのメインストーリーは大体クリアした。
あとは裏面と、そのさらに裏面、通称阿修羅モードをクリアして、最強アイテム作りだな。
んー、このペースだとあと7日くらいかかりそうだ。
◇ ◇ ◇ ◇
・ダンジョン階位1位 信・セイクリア視点
ここは天空に浮かぶ宝石ダンジョン。
土に見える地面はトパーズ。
白い町はクォーツ。
町を横切るように流れる川に満ちているのは水ではなくアクアマリンである。
町の中央広場には宝石で作られた魔獣が集まっており、その中心で小さな金髪の少年が独り言を呟いている。
「多くの人が死んだ。
僕が贔屓にしていた都市が滅んだ。
仲良くしていた冒険者達と連絡が取れない……」
「あの運営の『ダンジョンマスター・テイマー狩り』命令から後のことだ。
ダンジョンマスター達は、あろうことか大きな都市や町ごとダンジョンマスター・テイマーを葬った。
たくさんの罪なき人が死んだ」
彼の配下の宝石魔獣達は頷く。
「僕は運営に抗議した。
他のダンジョンマスター達にも抗議した。
だが、運営は無視し、ダンジョンマスター達は鼻で笑い『俺達は人間の敵だ。何が悪い』と開き直った」
「許せない。
絶対に許さない。
僕は他のダンジョンマスター達を許さない。
そして、運営も許さない。
以前から秘密裏に用意していた作戦が、もうすぐ始動する。
覚悟しろ。
僕がマリア様に代わって天罰を下してやる」
彼は言い終わると手を上げる。
彼の配下が動き出す。
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今回の成果
増減前2,165,530DP
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収入0DP
支出0DP
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現在2,165,530DP
手持ち1DKP
過去3年の記録41DKP




