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52.被害がまだ回復しきってないんだぞ。運営に文句言ってやる。

前回までのあらすじ。

ダンジョンに意識フルダイブ型戦闘シュミレーター大部屋、人工知能付きVR戦闘訓練大部屋、レーザー射撃訓練場が設置された。

ダンジョン改造屋3人が強化された。

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入手 「自然獲得(500DP)」

手持ち1,447,435DP→1,447,935DP

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入手 「サイバーファームでの屠殺とさつ」(230,000DP)

手持ち1,447,935DP→1,677,935DP

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翌日。

2071年のお勧めゲーム詰め合わせに入っていたモンスターふんたー13G・RETURNを遊んでいた。

内容は、20XX年発売のモンふん13Gのリメイクらしい。

基本的には大型魔獣を倒す爽快アクションゲームである。


モンふん11Gに採用されていた、ボタンを押す力で攻撃モーションが変わる仕様と、人工知能による行動学習は無くなっていた。


多分、客からの苦情が多かったのだろう。

指の力が弱い人なんか、どう考えても不利な仕様だったしな。


代わりに、モンふん13Gでは強力な村開発要素が搭載されていた。

ストーリーを進めたら村の設備が良くなるとか、そんなチャチな仕様じゃない。


自分好みの形の建物を作る、自分の考えた調合レシピで商品開発が出来る。

アトリエ風ゲームもびっくりの自由度だ。

舞台は前作までとは全く異なる星という設定らしいので、整合性には問題ない。

とはいえ、モンふん開発チーム、ちょっと暴走し過ぎなんじゃないのか?


俺はゲームは、実績を一通り解除したら次に移るタイプだが、やりこみ大好きな人だと一生遊べそうだ。



「にゃ!(冒険者3人組を連れてきたよ!)」



白い猫又のミルフィーユが、ジズ、リヴァイア、ベヒムスの3人を連れてきた。

この3人は、俺のダンジョンと町で取引するための仲介人だ。


俺のダンジョンからは、ファームで採れた農作物や肉などを提供し、町からはMA金貨を貰う取引となっている。



「ほら、ダンジョンマスター、あんたが言っていた娯楽用具だ。

この木箱に一通りの物が入っているぞ」



ジズ君が持ってきた木箱は、俺が個人的に頼んでいた物だ。



「いくらだ?」



俺は木箱の商品を覗きながら言う。



「お代は結構だ。その代わりに、町か王都まで、たまに来てくれないか。

お偉い様方が、是非とも会いたいと言って……」


「やだね」



モンク(だろう)のリーダー、ジズの話を最後まで聞かずに断る。


町へ来いだと?

俺にゲーム時間を減らせと言っているようなものだ。

却下だ却下。



「それなら、この木箱の交易はなかったことになるぞ?」


「別に構わない。中身は一通り確認したしな」


「えっ?! 見ただけでどんな物か分かったの?!

嘘でしょ?!」



女魔法使いのリヴァイアが驚く。

いやいや、その9x9の将棋盤とか、テニスラケットとか、その他もろもろ……全部生前の俺が知っている奴だし。


俺が娯楽用具を見たいとわざわざ言ったのは、異世界特有の面白そうな物がないかを知るためだったというのに。

期待はずれもいいところだ。


ジズは俺を町へ連れて行く算段が外れたのか、肩を落として帰って行った。

冒険者2人も一緒に帰った。



「にゃ(さっきの木の板で、どうやってゲームするの?)」


「将棋のことか? あれはだな……」



手元の無駄にハイスペックなPCを操り、将棋のフリーゲームをダウンロードする。


俺が駒の種類や動かし方などを教えてやると、駒と将棋盤を自作してみる、と言ってミルフィーユは自室へ帰って行った。



◇ ◇ ◇ ◇



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入手 「自然獲得(500DP)」

手持ち1,677,935DP→1,678,435DP

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入手 「サイバーファームでの屠殺とさつ」(230,000DP)

手持ち1,678,435DP→1,908,435DP

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次の日、機械ゴブリン達の間で将棋ブームが起こっていた。

ミルフィーユの作った駒と将棋盤を使っているようだ。


どれ、俺もたまには遊んでみるか。

こう見えて、近所の爺さんどもと互角以上なくらいには、将棋も打てる。


丁度勝負に勝ったらしい機械ゴブリンに、勝負を挑むことにした。



「ギャギャギャ!(ふふふ、命様、私は強いですよ?)」


「ふーん? で、ハンデはどうする?」


「ギャッギャ!(私に手加減して欲しいのですか? だが断る!)」



手加減してやろうとしたのは俺の方だったのだが、まあいい。


俺達は打ち始めた。


俺の好みの戦法は振り飛車。

それも角交換型のガンガン攻めるタイプの。


さっさと勝負をつける猛攻型の戦術だ。


相手は定石を知らないのか、無駄打ちしすぎている。

おいおい、早く守りを作らないと、崩されるぞ?


案の定、脆い場所を崩してやり、俺が一方的に勝ってしまった。

機械ゴブリンはどうして負けたか、よく分かっていなかった。

まあそんなもんだよな。

とりあえず定石を勉強したまえ。


俺は機嫌よく自分の部屋に戻ると、人工音声さんの警告が聞こえた。


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ダンジョン1階層が浸水中です。

間もなく2階層に水が及びます。

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ん? 浸水?

洪水でも起こった?


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ダンジョンマスターの1人、雅姫閏みやびひめうるうの仕業でしょう。

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ああ、ババアをさらったダンジョンマスターか。


っておい、こちとら海賊船ダンジョンからの被害がまだ回復しきってないんだぞ。

運営に文句言ってやる。


俺は運営にメールで苦情を送ったが、当事者同士の喧嘩には関与しないと返された。

くそっ。





◇ ◇ ◇ ◇



今回の成果


増減前1,447,435DP

---------

収入461,000DP

支出0DP

---------

現在1,908,435DP



手持ち1DKP

過去3年の記録41DKP




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