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45/71

45.俺が罰則を受けるというのなら、運営に異議を申し立ててやる。

前回までのあらすじ。

五島ごとう亜理子ありすをダンジョンごと撃退した。

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あれから数時間。


フリーゲーム【汁見】をクリアした。

なかなか笑えるゲームだった。


さて、次のゲームは……


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五島ごとう亜理子ありすのダンジョン内の魔獣を全滅させたので、マスターの勝利です。

後かたづけが完了し、五島ごとう亜理子ありすを3階層にて捕縛しています。

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皆に、お疲れ様と伝えておいてくれ。


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討伐 海賊船ダンジョンの魔獣(1,683,705DP)

手持ち2,646,630DP→4,330,335DP

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討伐収入のDP、思ったよりも少ないな。相手のダンジョンの魔獣の数、少なかったのか?


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ダンジョン配下の討伐で得られるDPは、天然の魔獣討伐よりも少ないのです。

おおよそ10分の1くらいとなります。

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なるほど。

でないとダンジョン同士が協力し合って雑魚スポナーを使い、お互いにDP稼ぎを始めるからな。


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そのような行為はDPの譲渡に該当するため、禁止されています。

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ふーん。

ところで、今回の討伐はセーフだよな?

俺に降りかかる火の粉を払っただけだし。


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ダンジョンの女神の裁量によるかと思われます。

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えー。俺悪くないのに。


もし俺が罰則を受けるというのなら、運営に異議を申し立ててやる。


パッと床の1ヶ所が光り、俺の目の前に、女神パチモの像が現れる。


いつもはメールで苦情を言ってるから、最初のガチャを引いた時以来だな。



「あー、マイクテステスなんだなー」


「おうパチモさん、何か用なんだなー?」


「ボクの口調を真似するんじゃないんだな!」



俺がふざけると、パチモ像がぷりぷりと怒る。


それにしても、なかなか良く出来ている像だ。

これ売れるんじゃないか?



「で、何があったんだな?」



パチモはダンジョンの女神といっても、ダンジョンの全てを常に監視しているわけではないらしい。


俺は、海賊船ダンジョンが勝手に侵入してきたからぶっ倒したと説明する。



「それはお気の毒さまなんだな」


「全くだ。ダンジョンバトルを断ったのも、ゲームのプレイ時間が減るのが嫌だったからなのに」


「まあそれは置いといて」



置かないでくれ。

俺にとっては大事なことだぞ。



「特に問題がないみたいだから、もう通信を切るんだな」


「おい、ダンジョンマスターの五島ごとう亜理子ありすの処遇はどうするんだ」


「ダンジョンマスター間のもめ事は、自分で解決するんだな」


「面倒くせぇ!」



パチモ像は消えた。

これから俺は、捕えた五島ごとう亜理子ありすの所に行って話し合いをしに行かなければならない。


俺のゲームプレイ時間が減る

……くそ!



◇ ◇ ◇ ◇



俺はダンジョン内転移の腕輪で3階層に移動した。


あのダンジョンマスターは、魔法使用不可の鎖でグルグル巻きにされていた。


それを機械老人のふんたーと、ダンジョン改造屋の3人と機械ティラノの食い倒れが見張っている。



「こんな美少女を裸で縛るたぁ、どういう了見だコラァ」


「うるさい。俺のダンジョンをめちゃくちゃにして、覚悟は出来てるんだろうな?」


「ケッ! 煮るなり焼くなり好きにしろや」



口が悪いなこの女。

それに言うほど美少女じゃない。

機械マーメイドのババアの方がよっぽど美しい。



「で、この侵入者をどうしたらいいと思う?」


「キィェェェエエエエエエエエエ!

(この国の男のダンジョンマスター・テイマーを連れてきて、売りつければええんとちゃう?)」


「サイバーファームに閉じ込めてはらませて、人間の子どもを何体か増やせば、色々と使えるのう」


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五島ごとう亜理子ありすを洗脳して、手持ちDPを全部アイテムに変換して、頂戴しましょう。

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「お前ら鬼か!」



俺はせいぜい、慰謝料としてゲームガチャチケットでも貰おう、程度に思ってたのに。

何てこと考えてやがるんだコイツら。


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以前のヴェガ王国への対応といい、マスターは甘いです。

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あんたらが厳しすぎるだけじゃね?



「で? 俺はどーなるんだコラァ。

てめーのなぐさみ者にでもなれってかぁ?」


「何でそんな面倒なことしないといけないんだ。それよりも11連ガチャ引換券(ゲーム)をよこせ」


「あぁ? そんな物が欲しいのかよ?

ガチャ引換券なんて、まともな物が当たらねーのに?」


「そうか?」



そこそこ良い物が当たるイメージだが。


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マスターのガチャ運が異常なだけです。

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「そらよ。11連ガチャ引換券(ゲーム)が100枚つづりだぜ」


「あざーす」



俺は分厚いチケットの束を受け取る。


まだ遊んでいないゲームが残っているから、引換券を使うのはまた今度にしよう。

俺は積みゲーはしない派なのだ。



「よしお前ら、侵入者を丁重に帰してくれ」



俺は配下に命令する。



「はぁ? いいのか?」



侵入者が言うが、構わない。

どうせダンジョンにいても邪魔なだけだ。



◇ ◇ ◇ ◇



ここはダンジョンの外。


塔のダンジョン入口から海賊船と、それに乗った全裸の女が出てきた。



「くっそー負けかぁ。

帰ったらあの巨大魔獣の対策を考えねぇと」



彼女はまだ勝負を挑む気だった。

だが、配下の魔獣は全滅し、手持ちアイテムが全部無くなっていたため、再挑戦はしばらく不可能だろう。



「屋内牧場用の魔獣も全滅しちまいやがったから、そのへんで適当に拾うか」



配下を2人復活させ、森を探らせる。


しばらくすると2人は帰ってきた。

なんと災厄ネズミを抱えている。



「可愛いネズミじゃねーかコラ。

増えたらペットにしてやるぜ」



この災厄ネズミ2匹は、命のサイバーファームが壊れた際に生き延び、逃げてきた個体だった。


命のダンジョンの中にもファームから逃げたネズミがいたが、全員大トロの衝撃で死んだ。


脱走して生き残った災厄ネズミは、外に逃げたこの2匹のみだった。



「屋内牧場を新しく購入してやったから、増やしてきやがれ」



命じられた配下2人は、災厄ネズミを抱えて海賊船ダンジョンの内部に入った。


後日、五島亜理子がペットにしていた災厄ネズミ数匹が逃げ、人類、魔獣の集落に疫病をまき散らして多くの人や魔獣が死ぬことになるのだが、それはまだ先の話である。





◇ ◇ ◇ ◇



今回の成果。


増減前2,646,630DP

---------

収入1,683,705DP

支出0DP

---------

現在4,330,335DP



手持ち1DKP

過去3年の記録11DKP



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