『vsドラゴン』
連日投稿継続中です!
ダンジョンマスターが居なくなり、ダンジョンボスであるドラゴンが残された俺達を睨み付けている。
これはやばい。
「ミランダさん!そのステータス表見せてください!!」
俺はミランダさんからステータス表をかっさらうように奪うとドラゴンのステータスを確認した。
名前:カオスドラゴン
性別:不明
年齢:不明
種族:ドラゴン族
レベル:50
状態:普通
H P:20000
Ⅿ P:15000
攻撃力:20000
防御力:5000
俊敏力:2000
魔攻力:20000
魔防力:500
魅力 :1000
スキル:【咆哮】、【威嚇】、【脱皮】
固有スキル:【暗黒火炎弾】
称号:【無から生まれた者】
つ、強えええええええ!!
流石はドラゴン!今までで見たことがないくらいの強さだ。
でもよく見たら防御力は以外と低いんだな。魔防力なんてかなり低い。
つか、ドラゴンに魅力でかなり差がつけられてるんだけど・・・。格好いいけどさ・・・
おっと、現実逃避している場合じゃない。
出来れば魔法で攻撃していきたい所なんだけど正直な話、不可能だ。
何故ならば俺とミランダさんは根っからの物理戦士属性で補助魔法か防御魔法くらいしか使えない。つか、攻撃魔法を習得していない。
ドラゴンの防御力もミランダさんの攻撃力と同じ。でもミランダさんの【鬼人化】状態の攻撃力なら通用する。
俊敏力も見た目の体型通り低い。だから補助魔法で俊敏力を上げた俺がドラゴンを翻弄して、【鬼人化】のミランダさんが攻撃するのが理想的なんだけど―――
「はあ、はあ、はあ・・・」
ドラゴンと対峙してから彼女の息が荒々しくなっており、【鬼人化】も解けてしまい動ける状態じゃない。
俺がやるしかない・・・
「ミランダさん。相棒を借りますよ?」
「えっ・・・?」
「【パワーアップ】。【パワーアップ】。【パワーアップ】」
そう言ってミランダさんが落として突き刺さっていた【竜斬炎刃】を抜けるまで補助魔法をかけた俺はドラゴンと対峙する。
「【ディフェンスアップ】!【ディフェンスアップ】!【ディフェンスアップ】!【ディフェンスアップ】!【スピードアップ】!【スピードアップ】!【スピードアップ】!
俺は補助魔法を口で唱え続ける。
即死しないくらいまで能力を上昇させた俺はドラゴンを睨み付けた。
「ガオオオオオオッ!!」
「行くぞ、羽根付きトカゲ!」
ドラゴンの咆哮を合図に俺とドラゴンの戦いが始まった。
俺は【竜斬炎刃】を盾にして咆哮に耐え切ると俺は横に動き出した。真っ直ぐ行けば奴のスキル【威嚇】や【咆哮】の餌食。
固有スキル【暗黒火炎弾】の効果は分からないけど強力なスキルであるのは間違いない筈だ。
だから、狙いを定めさせない為、左右に動いて翻弄させる。
「ガアアッ!!」
ドラゴンは黒い炎の塊を俺に放ってくる。恐らくこれが【暗黒火炎弾】なのだろう。
しかし、俺の速さに付いていけないのか全く当たらない。
「せえのっ!!」
俺はドラゴンの胴体までたどり着き竜斬炎刃を振り下ろす。しかし、突き刺さるどころか弾かれてしまった。
「か、堅い・・・」
やっぱり俺の攻撃力じゃ全く通用しないのか?いや、弱気になるな!色んな事を試すんだ!
「だったら!こっちはどうだ!」
「ガアアアッ!?」
俺はドラゴンの翼膜に【竜斬炎刃】を突き刺した。その攻撃は正解だったらしくドラゴンは苦痛の声を上げた。
「どうやら部位によっては俺の攻撃力でも通るみたいだ・・・」
でも翼膜だけ攻撃したって死ぬわけじゃない。それに俺のMPがそろそろ限界に近付いている。
「っ!?【ディフェンスアップ】!【シールド】!」
ドラゴンの翼が俺に攻撃を仕掛けてきた。なんとか追加で補助魔法をかけながら【竜斬炎刃】と防御魔法で防御するが衝撃には耐え切れず弾き飛ばされてしまう。
「くっ・・・」
あ、危ねえ・・・。まともに喰らった死ぬぞ?防御したけど、HPを5割も削られた上に、ミランダさんがいる位置まで戻された。
やっぱり致命傷となるダメージを与えないとドラゴンは倒せない。どうする?
「・・・カイト。【竜斬炎刃】を返せ」
「ミランダさん!?・・・大丈夫なんですか?」
思考を回らせていると俺の横に立つようにしてそう言ってくるのはミランダさんだった。
確かにドラゴン相手にダメージを与えるにはミランダさんが必要だ。
しかし、さっきまで【鬼人化】の反動で動けなかった上にドラゴンへの精神的障害がある彼女に戦わせても良いのだろうか?
「身体の方は問題ねえ。短時間だったから反動はそれ程でもない。お前は気づいているだろうが俺にはドラゴンに強い精神的障害がある」
でも、とミランダさんは言葉を続けた。
「このままカイトを1人で戦わせる訳にはいかねえ!俺は誇り高きオーガの戦士だ!トラウマ如きすぐに克服してやる!だから戦わせてくれ、頼む!」
ミランダさんの覚悟は本物だろう。目を見れば分かる覚悟を決めた真っ直ぐな目だったからだ。
「分かりました。俺が囮になってドラゴンの攻撃を惹き付けます。その隙にミランダさんはドラゴンに最強の一撃を与えてください」
「分かった・・・。カイト!」
ミランダさんが俺に拳を向ける。
「あんな情けねえ姿を見ても俺を信じてくれてありがとな。今から俺とカイトは戦友だ!だから俺の呼び方はミランダでいい。敬語もなしだ。良いな?」
「・・・分かった。絶対に勝つよ?」
「ああ!」
俺とミランダは拳を合わせた後、ドラゴンを見て構える。失敗すれば死ぬ。でも恐怖はない。隣には信用できる仲間がいるのだ。
「「行くぞ!!」」
俺とミランダは同時に動き出す。
ドラゴンの注意を惹く為に俺は石を何個か拾ってドラゴンに投げつけた。
「でかいトカゲ!お前の翼をボロボロにした男はこっちだぞ!!」
そう叫びながら走ると予定通りドラゴンは俺に攻撃を仕掛ける。
「そんな遅い炎、当たんねえよ!【スピードアップ】!【スピードアップ】!」
「ガアアアッ!!」
「ふうううううううっ・・・。【鬼人化】発動!!」
ミランダが固有スキルを発動させてドラゴンに向かう。そしてミランダの相棒【竜斬炎刃】が炎を纏い始めた。
「竜を叩き斬った名刀よ、今こそ力を示せ!【紅蓮竜滅光炎刃】!!」
恐らくあの刀に秘められた力なのだろう。炎が凝固して刃と変化した。
ミランダは【紅蓮竜滅光炎刃】で跳んで斬りかかった。
しかし、その攻撃の威力はかなり巨大だった。そんな力にドラゴンが気づかない訳がない。
「ガアアッ!」
「っ!!」
ドラゴンが跳んて斬りかかるミランダに気付き、すぐさま口を開いて迎撃の準備にかかった。
「ミランダ!!そのまま振り下ろせ!」
「!!」
俺の言葉がミランダに届いたのか、恐怖に飲まれ掛けた表情が一変して自信満々のものと変わった。
「【パワーアップ】!【パワーアップ】!【パワーアップ】!【パワーアップ】!」
俺はドラゴンの懐に潜り込んで補助魔法をギリギリまで唱えた。
「・・・トカゲが炎を吐いてんじゃねえ!!」
「ガアッ!?」
俺はドラゴンの無防備な顎に全力で拳を振り上げた。
【暗黒火炎弾】を出そうとした時に喰らったドラゴンは見事に自滅。黒煙を口から出しながらよろめいた。
「喰らえええええええええ!!」
「ガアアアアアアアアアアッ!!??」
「おら!おら!おら!おら!おら!おら!おら!おら!おら!」
ミランダの【紅蓮竜滅光炎刃】がドラゴンの身体を斬りつけた。それも一度だけではなく何度も何度も斬りつけた。
その次の瞬間、斬り口から炎が噴き出した。
「ガアアアアアアアッ!?」
「ミランダ!!」
「えっ?うおっ!?」
俺は落下してくるミランダを受け止めてその場から離脱した。
ドラゴンが斬り口で燃え上がる炎の痛みでのたうち回っている。
あんなのに巻き込まれたらたまったもんじゃない。
「あ、危なかった・・・。ミランダ、怪我はないか?」
「・・・・・・」
「ミランダ?」
何故か黙り込むミランダ。その姿はまるで友人から預かってきた猫のように大人しいぞ?
それに顔も赤いし体調が悪いのか?あっ、鬼の角が可愛いな
「ち、近い!顔が近いんだよ!降ろせ!!」
「あ、ああ、悪い・・・?」
暴れるミランダを慌てて降ろす俺。どうしたんだ一体?
「は、初めてお姫様抱っこされた・・・」
「えっ?なんだって?」
「な、何でもない!!あっ!ドラゴンの動きが止まったぞ!死んだみたいだな!」
顔を真っ赤にし早口でそういうとミランダはドラゴンの元へと向かう。どうしたんだ、あいつ?
俺はよく分からないままミランダの後に付いていく。
でも予想以上にあっさり終わったもんだ。スキルも【咆哮】と【暗黒火炎弾】しか見れてないし、他に何があったけ?
確か【威嚇】と【脱皮】―――
「ミランダ!そこから離れろ!!」
「えっ?」
俺の言葉にミランダは振り向いて、そんな声を上げたが遅かった。
俺には見えていた。
閉じられていた筈のドラゴンの目が開いたところを。
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!」
「ぐっ!」
「な、なんで・・・?」
ドラゴンの咆哮で俺の動きが封じられ、ミランダは復活したドラゴンに愕然としていた。
そう、ドラゴンは死んでなどいなかった。
奴のスキル【脱皮】を発動していたんだ。
ミランダに斬られる直前に【脱皮】をして直撃を避けやがった。
そして、狡賢く死んだふりをしてチャンス伺ってやがった!
「逃げろ、ミランダ!!」
「あ、ああああ・・・」
ミランダは動かない。いや、動けないのか?ドラゴンの目を見たままだ。スキル【威嚇】を喰らったのかもしれないし、ここにきてトラウマが再発したのかもしれない。
「【スピードアップ】!【スピードアップ】!【スピードアップ】!【スピードアップ】!【スピードアップ】!【スピードアップ】!」
俺は補助魔法を叫びながら走り出した。しかし、ドラゴンはミランダの目の前で暗黒火炎弾の準備をしている。
あと数秒で放たれる。ギリギリで間に合うかどうか微妙なところだった。下手したら2人揃って火達磨にされる。
それでも俺は走った。
その一歩一歩がとてもスローに感じた。
そしてミランダの前へたどり着く。ドラゴンの炎は今にも放たれそうだ。
ミランダを抱えて逃げる余裕はない。
俺は心で謝りながらミランダを突き飛ばした。
「【アンチマジックシールド】!」
俺が咄嗟に防御魔法を唱えた。でも、魔法は発動しない。
何故?それは俺のMP残量が0になったからだった。
それを理解した瞬間だった。俺の目の前が一瞬、赤い光に包まれたと思ったらすぐに真っ暗になった。
ブクマ・感想してくださるととても嬉しいです!




