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『勇者スキル』

連日投稿継続中です!

反撃の狼煙となる俺の一撃によってドラゴンの頭は床へとめり込んだ。


それでもドラゴンは死んでいない。

だが、俺としては都合が良い。ドラゴンには悪いが俺の実験台になってもらおう。


「す、すげえ・・・」

「どうした、ミランダ?俺に惚れた?」

「は、はははは、はあ!?んな、んな訳ねえし!ありえねえし!!」

「はははっ。分かってるよ」


ちょっとしたジョークに顔を真っ赤にするほど怒るミランダ。

場を和ませようとしたんだけどそこまで否定されると流石にへこむよ・・・


「ゴアアアアアッ!!」

「カイト!ドラゴンが!?」


ミランダが慌てて指さす方向に顔を動かすと床から抜け出したドラゴンが俺に向かって【暗黒火炎弾】を放っていた。

俺は慌てず両手を開いて構えをとる。そして―――


「ふんっ!!」

「なっ!?【暗黒火炎弾】を受け止めた・・・!?」


俺のまさかの行動に驚愕しているミランダ。しかし、俺はその行動に後悔していた。


「熱いいいいいいいっ!?」

「ガアッ!?」

「えええっ!?」


俺は炎をドラゴンに投げつけると、さっきのドラゴンみたいにのたうち回ってしまう。ドラゴンは投げつけられた【暗黒火炎弾】が直撃して倒れる。そんな異様な光景にミランダは叫んで驚いた。


やっぱり素手で炎を受け止めたらそうなるよね!!もの凄く熱い!?


「お、おい!どうなってんだよ、カイト?なんでそんな力が・・・」

「これは俺の【勇者スキル】の力だ・・・」

「【勇者スキル】?・・・勇者にのみ与えられるスキルだよな?」


ミランダの言う通り職業が勇者となった者にしか使える事が出来ない特殊スキルだ。


「確かA級1位のハヤト・ナカムラは【魔武両道】。レベルアップ時に魅力以外のステータスを平均的に上昇させたり、魔法やスキルが格段に覚えやすくなるものだったが、カイトはなんなんだ?」

「俺の勇者スキルは【火事場の馬鹿力】。とある条件のみ発動する。その条件をクリアしたとき、全てのダメージ・状態異常を無効。さらに全てのステータスが100倍となる」


「はあ!?100倍!?つまり今のカイトのステータスは―――」



名前:倉木海人

性別:男

年齢:17

種族:人間

職業:勇者

レベル:20

状態:勇者スキル発動中


*レベル20→勇者スキル発動中(元の値x100)

H P:1/800→1/80000

Ⅿ P:2/400→200/40000

攻撃力:800→80000

防御力:1500→150000

俊敏力:1500→150000

魔攻力:400→40000

魔防力:1500→150000

魅力 :100→10000


通常スキル:【忍耐】、【脱兎】、【器用】、【節約】、【防御魔法中級】、【補助魔法中級】、【全ダメージ無効(勇者スキル発動時のみ)】、【全状態異常無効(勇者スキル発動時のみ)】

勇者スキル:【火事場の馬鹿力】


称号:【最弱勇者】、【努力の才能】、【奇跡を起こす者】



ダンジョン捜索した時にミランダと鬼ごっこしていたらレベルが5も上がってる。通常スキルに【節約】というものも追加されてるし、補助魔法と防御魔法は中級に上がっていた。


逃げる最中に何度も補助魔法と防御魔法を使用していたおかげだね!


「こんなの人間が出せるステータスじゃねえ・・・。それに全てのダメージ・状態異常が無効もある。つまりその勇者スキルを使えば無敵ってことじゃねえか!?どんだけチートだ!?」

「いや、それがそうでもないんだよ」


さっき炎を受け止めた時にその熱さはしっかりと感じられた。

つまりダメージは0でも熱さや寒さ、痛みなどはしっかり伝わってくる。

無敵だろうと痛みで、自由に立ち回る事が出来ない可能性もある。


そして一番の欠点は、このスキルの発動条件だった。


「このスキルの発動条件は、使用者のHPが『1』である事」

「はあっ!?」


俺の言葉に再び驚きの声を上げるミランダ。どうでもいいけど女の子がそんな声をあげるもんじゃないよ?


でも、ミランダが驚くのも無理はない。体力が80000分の『 1 』と言うことは死ぬ寸前。普通だったら動く事すら出来ない筈の重体だ。

そんな重体であろうと動く事が出来るのはまさに火事場の馬鹿力といえよう。


しかし、発動条件も難しいが維持するのもかなり難しい。HPは睡眠をすれば回復を始める。それは気絶も同じことだった。


つまり、『火事場の馬鹿力』が発動していても何かしらで気絶してしまった場合、その瞬間に『1』だった体力が回復し、勇者スキルの効果は失ってしまう。


気絶した時、まだ戦闘中だったら?


敵がそのまま見逃す訳がない。


このスキルは必ず『1』で止まらないと発動しない。

だから例え、HPが10から0になって1を通り過ぎてしまったら勇者スキルは発動する事なく俺はそのまま死んでしまう。


本当にHPが『1』の状態でないと発動してくれない。糞スキルなのだ。


だから俺は戦闘中に気絶する事は絶対に許されない。

今、痛みに耐えていられるのは事前に取れていたスキル【忍耐】のおかげなのである。


俺の身体が悲鳴をあげ、さっきから目の前がちかちかしている。でも、気絶する訳にはいかない。

ミランダを助ける為にドラゴンを倒す為に俺は頑張らなければならないのだから。


「あのドラゴンの攻撃でHPが1になりスキルが発動したのか・・・?」

「ああ。でも良かった。俺はこのスキルがどういったものか確かめてみたかったけど怖くて出来なかった。その点だけでいうならお前に感謝だな、ドラゴン」


「ガアアアアアアアアアアッ!!」


ドラゴンが【威嚇】+【咆哮】を使い俺の動きを封じようとしているようだけど残念。今の俺は状態異常攻撃は無効なんだ。


「悪いが実験はここまでにするよ。かなりきついから、ね!」

「っ!?カイトが消えた!?」


俺は一瞬でドラゴンの胴体の上まで跳んだ。ドラゴンは俺に気づいていない。構わず片足を上げた。


「チェストおおおおおおおおおおおっ!!」

「――――――!?」

「うおっ!?」


俺が片足を胴体に振り下ろすと、ドラゴンの身体がもの凄い轟音と共に床へめり込んだ。

ミランダはその時に起きた衝撃に驚きながらも耐える。


「ゴ・・・ギャガ・・・ガアッ・・・」


ドラゴンが消滅していく。俺はその光景を見て安心していた。そして、頭の中になにやら声が響き渡った。



レベルが上がりました。

スキル【偽装】、【鑑定】を覚えました。



どうやらレベルが上がったらしい。俺は地面に着く合間にステータスを確認してみた。



名前:倉木海人

性別:男

年齢:17

種族:人間

職業:勇者

レベル:30

状態:勇者スキル発動中


レベル30→勇者スキル発動中(元の値x100)


H P:1/1000→1/100000

Ⅿ P:10/600→1000/60000

攻撃力:1500→150000

防御力:2000→200000

俊敏力:2000→200000

魔攻力:600→60000

魔防力:2000→200000

魅 力:12000→12000


通常スキル:【忍耐】、【脱兎】、【器用】、【節約】、【防御魔法中級】、【補助魔法中級】、【偽装】、【鑑定】、【全ダメージ無効(勇者スキル発動時のみ)】、【全状態異常無効(勇者スキル発動時のみ)】

勇者スキル:【火事場の馬鹿力】


称号:【人類最強】、【努力の才能】、【奇跡を起こす者】、【災い転じて福となる】、【ドラゴンを倒し者】



おおう・・・。


レベルが10も上がったよ。通常のステータスも結構上がった。これなら一般騎士よりも上だし、他の勇者の人よりも上ではないだろうか?


今は勇者スキルを発動してるからさらに恐ろしいステータスになってやがる。

しかも、称号に【最弱勇者】が消えて【人類最強】というのがある。


ミランダも言ってたが人類が出せるステータスじゃないだろうから当然かもしれない。


まあでも、このステータスになるのはもう二度とないだろう。

HP『1』なんて一生に一度あるかないかの奇跡だ。もうこのスキルが発動されることはない筈。つか、ないでほしい。


称号も勇者スキルが解かれたら消えるだろうからどうでもいいか。


「よっと―――えっ!?」

「カイト!?」


俺はそう思いながら地面へと降り立つと事件が起きる。ドラゴンを叩きつけた事によって出来た床の亀裂が崩壊し俺はその穴へ落ちてしまう。

まさに自業自得の上にドラゴンを倒して安心したことで生じた油断だった。


俺は浮遊感に焦りつつ下を見た。底が全く見えない闇が広がっている。

どうする?どうすれば助かる!?


「カイトおおおおおおおおおっ!!」

「み、ミランダ!?」


見上げるとミランダが俺に向かって落ちてくるのが分かる。まさか俺を追って来たのか!?


「な、なんで来たの!?」

「う、うるせえ!?身体勝手に動いちまったんだ!悪いかよ!!」

「悪いかどうかの話じゃないって!早く戻って!!」

「出来る訳ねえだろ!!」


テンパって正常な判断が出来ないでいる俺。そうしている間にも闇の奥底へと落ちていく。


「ミランダ!とにかく掴まって!」

「お、おう!」


手を伸ばす俺とミランダ。

ミランダの手を掴んだ俺はそのまま引っ張って抱きかかえた。


「な、なんでこの抱え方なんだよ!?恥ずかしいだろ!?」

「分かってるけど助かる為にはこの抱え方しかないんだよ!」


ミランダはお姫様抱っこされた事に文句を言うが俺はそう言って無理矢理分からせる。


「それより灯りを付けられないか?せめて着地する瞬間さえ分かればなんとかなるはずだ!」


【火事場の馬鹿力】を発動した俺のステータスならミランダを抱えた状態でも着地する事は可能な筈なんだ。


「わ、分かった!やってみる!はああああああああああっ!」


ミランダは【鬼人化バーサクモード】を発動し、炎を剣に纏わせた。その炎が段々と大きくなっていく。

その炎のおかげで周りが明るくなった。


「って、もう底に着くじゃん!ミランダ、しっかり掴まってて!」

「お、おう!」


ミランダは俺の首に手を回し、頭を俺の胸に埋める。それを確認した俺はすぐそこにある地面に着地するための覚悟を決めた。


「・・・・・・」

「・・・・・・カイト?」


ずだんっ!と鈍い音が響く。着地には成功した。

それでも何も言わない俺にミランダは俺の胸に顔を埋めたまま俺の名前を呼んでいる。


しかし、俺は返事が出来ない。

着地した時の痛さに耐えていたからだ。


ま、マジで痛えええええええ!!


骨とか折れてたりはしないけど痛みはそれ以上のものだよ、これ!?

普通だったら即気絶してたよ!スキル【忍耐】まじ有能!大活躍!


「カイト、大丈夫か・・・?」


未だに返事できない俺を案じて見上げてくるミランダだけど、俺の顔は痛みに耐えているから酷い顔をしているだろう。

だから俺は見えないように顔上げて心配させないように必死だった。


そんな時、変な声が響き渡った。




ダンジョンが制覇されました。

その為、このダンジョンは『消滅』致します。




・・・なんですと?

ブクマ・感想宜しくお願いします!

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