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『死因:窒息死』

虹ファン以来の投稿です。

オリジナルなんで色々変な所があると思いますが温かい目で読んで頂けると幸いです。

「突然ですが貴方は死にました」

「・・・はい?」


突如、意味が分からない事を言われてしまった俺。

目の前にはかなり綺麗な女性いるのだけど、その意味分からない事を言ったのがこの人だ。一体全体何が起こっているんだ?


「まだ理解できていないようですね?仕方ありません。あんな事が起こったのですから・・・。自分の名前は言えますか?」

「名前?名前は・・・うっ!?」


俺の名前は倉木海人くらきかいと。そこまで頭の中で理解した瞬間、ある事を思い出した。

それは俺が死んだ時の出来事。


「貴方は道路に飛び出してトラックに轢かれそうになった子供の身代わりになりましたよね?」

「そ、そうだけど・・・でもトラックと言っても軽トラだったし、当たり所が悪くても骨折くらいだろうと思ってたのに・・・」


世の中そんな甘くないってことか・・・


「いえ、貴方は轢かれて死んだのではありません。普通ならあれで死んでいるのですが、まだ続きがあるのです」

「えっ?」


でもその後の記憶は俺にはない。てっきりそうだと思ったんだけど・・・?


「轢かれて吹き飛んだ貴方は打ち所が悪く気絶しました。貴方が考えた通り、そこで放置されていても無事に家に帰る事が出来るくらい無傷でした」

「それじゃあ、どうして俺は死んだんですか?」


女性は何故か溜息を吐きながら話を続ける。


「そんな貴方に助けられた子供はお礼にと持っていた飴玉を貴方の口に押し込んだのです」

「ま、まさか・・・」


俺は女性の話である程度、原因オチが読めてしまった。女性は頷いてその原因オチを言った。


「貴方は飴玉に喉を詰まらせてそのまま窒息死しました」

「最悪な死に方だよ!!」


まさか助けた子供に殺されるなんて思いもよらなかった。まあ子供にそんな気はなかったんだろうけど・・・


「あまりにもおも・・・ウケ・・・不便な死に方でしたので貴方にチャンスを与えましょう」

「おい!今、『面白い』、『ウケた』って言いそうにならなかったか!?」

「・・・チャンスを与えましょう」


スルーしやがった。まあ、気にしても仕方ないから話を聞くとしよう。


「今、貴方が居た世界ではない世界で勇者召喚が行われています」

「勇者召喚?」


なんかネット小説とかでよくありそうな展開だな。


「その世界は特に世界の危機に瀕しているという訳ではありません。只、勇者召喚しようとしている国が他国に戦争を起こすための強力な駒として利用しようと考えているのです」

「最悪だ!?」


まさかの真実に俺は叫んでしまう。つうか、そんなネタバレしちゃっていいの?

そこは主人公が自力で知らなきゃいけない事なんじゃないの?


「貴方は特例ですから、特別に教えてあげました。他の勇者には教えておりません」

「ん?という事はその勇者召喚は俺だけじゃないの?」

「はい。貴方以外の勇者は計30人。全員高校生。貴方の知識でいうならばクラス転移となります」

「なるほど・・・。つか、その中で俺だけ部外者って事になるよね?絶対にはぶられると思うんだけど?」

「問題ありません。そのクラスの子たちには貴方が同じクラスメイトであると認識させます。そして、貴方にもそのクラスメイトの情報をお渡しいたします」


これは、なんとも致せりつくせり、ありがたいサービスだ。でも俺、死ぬ前は大学生だったんだけど?身体はどうなるのだろう?


「貴方の身体を高校時代のものへと変えますのでそこも問題ありません」

「なるほど」

「・・・どうします?もし嫌であれば貴方はこのまま輪廻転生へと送られますが?」


女性は表情を曇らせながらそう聞いてくる。


「・・・せっかくの機会だしね。こんな事、生まれ変わっても起こらないだろうし、それでお願いするよ」

「分かりました。では、さっそく手続きを行いましょう」


女性は両手で一拍すると、俺の体が光に包まれる。光が収まると視線が少し低くなった。


「本当に高校生時の姿になった・・・」

「では次はくじ引きを引いてください」

「くじ?」

「貴方が勇者として得られる能力を決めます。そしてこのくじを引いた瞬間、貴方は異世界へと転送致します」


なるほど。ということはその能力は異世界に行くまで分からないって事か。


「くじを引く前に何か質問があればお答えしますが?」

「それじゃあ、今更だけど貴女は一体何者ですか?」


さっきから気になってたけど聞ける雰囲気じゃなかったんだよね。


「私は貴方の世界で言うところの女神です。名前はありませんが」

「そうなんですか・・・。それじゃあ、質問というかお願いがあるんですけど」

「なんでしょう?」

「俺が助けた子供が俺の分まで幸せになるように願ってて欲しいんだ」


なんだかんだで俺が死んだ原因なわけだけど、だからこそ俺の分まで頑張って幸せになってほしいんだ。


「分かりました。約束しましょう」

「ありがとう。それじゃあ、行くよ。またね!」


俺は女神にお礼とお別れの言葉を言ってくじを引いた。その瞬間、目の前が真っ暗になり意識が遠のいていく。


「貴方に神の加護があらんことを・・・」


そんな優しい声を最後に俺の意識は途絶えた。

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