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第五ノ十話 精彩に翔ぶ

 集会所に戻ると、華也達が今日の日程について話し合っていた。


「あ、六之介様」


「おい、六之介どこ行ってたんだよ!」


「ちょっとね。ええ、皆さん、今から指示を出すので聞いてくださいねえ」


 子供をあやすような口調で、笑みが浮かんでいる。しかし、それは無邪気なものではなく、どこか不気味な顔だった。

 何かろくでもないことを考えていると、直感する。


「今から班分けするよ。まず、自分と華也ちゃんを一班、篠宮と綴歌ちゃんの二班で組んでね。それで、午後からの行動なんだけど、一班は調査、二班はここで待機だ」


「待機なのか? 何か調べものとか……」


「ちゃんと考えがあってのものだ。ただ二班は待機と言っても、一つ条件がある。それは、魔導兵装を用意しておくことだ」


 それはつまり、戦闘となる可能性が示唆されるという意味である。


「まあ、魔導兵装なしでも綴歌ちゃんがいれば余裕だと思うんだけどね」


「異能、ということでしょうか?」


 自身の特化している部分は熟知している。綴歌の異能である、疑似的な時間の停止ははっきりって強力だ。戦闘において、切り札といっても差し支えない。


「察しが良くて何より。それで、問題は美緒ちゃんなんだけど」


 部屋のすみにちょこんと座り、こちらを見ている。

 戦闘になるやもしれぬここに置くのは危険である。かといって、いつまでもかくれんぼの鬼をさせておくわけにもいかない。


「……美緒ちゃんは、自分たちについてきてくれるかい?」


 首肯する。

 それを確認すると同時に、準備を始める。六之介は魔導兵装を有していないため、できる限りの魔術具を持つ。これも感魔力式ではなく、感圧式の誰でも使えるものだ。華也は不知火を両腕に装着し、引き締まった表情をしている。


「ところで、六之介、不浄の正体、わかったんだよな?」


「呼ぶなっつってんだろ。まあ、十中八九間違いなく」


「どんなやつなんだ?」


 ううんと小さく唸りながら、考え込む。どう伝えるべきか決めあぐねているように見える。


「私たちが知る生き物なんですの?」


「うん。ただ……これ伝えると、任務に支障が出るからあとでね。そうそう、一つ指示を出しとくよ」


「なんでしょう?」


「自分たちが帰ってくるまでに、『減らして』おいてね」


 減らす、ということは不浄が複数いるということであるだろうか。


「華也ちゃん、準備できた?」


「あ、はい。いつでも行けます」


 そそくさと伽耶の手を引き、集会所から出ていく。

 説明をしたくないためだろうが、逃げるような振る舞いに残された二人は言いようのない不安感を抱いた。


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