05
「うー…まぁいっか…うーん。絵梨!神奈!蘭!凉!集合!!」
「「「「はい!!」」」」
体育館内に居たバスケ部1・2年らしき人等が沙耶香の声で集まってきた…その中に見覚えのある子が居た…
あ、体育館に入る前に見た奴か…
その子が
「どうしましたか?沙耶香先輩」
「あ、凉ー今から隣のコートで5対1のミニゲームするからその準備とか宜しくね!」
「え!?今からですか?でも先輩…それは」
「良いでしょ!どーせ皆やるって寄りか義和君の活躍?をヤジのように見に来てる人が多いと思うよ?ってかあんなん見せ付けられたらやる気無くなるでしょ。普通」
「見せ付けてはないけど…」
「そ、そーですけどぉ」
肯定かよ!ってか真面目だねぇこの…涼って子までも
「あぁもー分かった!部長命令だから!」
沙耶香はバスケ部の部長でもあった…。
「う゛ー」
そんな涼を見かねてから彼女の隣に居た子が涼を説得するように言った
「涼ちゃん。先輩命令なんだからさ?ってか涼ちゃん以外の人もうやる気モードだし…」
「良いんですか?蘭先輩…」
「んー別に良いけど?狩谷バスケ部じゃないくせに上手いし!プラス戦ってみたいし」
「え?蘭先輩知ってるんですか?」
「うん。同じ中学出身だしねぇ」
「え!?そーなんですか?」
「うん。ねぇ狩谷っ!」
え、誰だっけ……蘭?………あ、こいつ葛城 蘭か…そういやーこいつここを受けるとかなんとか言ってたっけ?それに確か健と付き合ってた気が…。声聞くまで忘れてたけどな
「あ、あぁ…」
「って絶対忘れてたでしょ!!」
「いや、今思い出した!」
「うわヒッドォイ!中学3年間付き合ってたのにぃー」
「は?何言ってんだおぃ」
「えぇぇぇぇ!!!!!お前ら付き合ってたのかよ!!もしかして二股だったわけ?」
義和の声が若干健の声で欠き消された…
健の声で少しずつまた騒がしくなっていった…
「うん。あれぇ知らなかったの?いつも狩谷の隣にいた椎凪君」
「………また俺だけ省かれたと…ってかそれマジで!?」
「うん。」「んなわけあるか!」
「?………じゃーどっち?」
「付き合ってねぇよ…コイツに付きまとわれただけ…はぁ…」
「ちょっとー!そんなに溜め息吐かないでくれる?傷付くでしょ」
「……………」
「……っちょ、ちょっとー急に黙んないでくれる?」
「………はぁ…ってかさ俺らが付き合ってたんじゃなくてお前らが付き合ってたんだろ?」
「っな!!お前知ってたのかよ!!」
「そりぁーもちろん。」
健と蘭が付き合い始めた時から知ってるっつーの!まぁ隠してたらしいけど…あ、他の奴等は気付いてなかったんだよなぁ〜全く…
「…………んまぁそんなことはどうでも良いとしてそろそろやりません?準備は出来たっぽいですよ沙耶香さん」
「え、あぁうん。やろっか」
義和対Y高校バスケ部のゲームが始まった。
試合開始のホイッスルが鳴った
体育館に響くのはシューズの摩擦音とリズミカルなボールの弾ける音。
うわぁ〜やっぱ沙耶香さんは上手いな〜……でも俺負けねぇから
沙耶香が他の子にパスをする時
「っあ!!」
義和はパスを防いだ。そしてゴールに向かって走っていく。
そして、サークルの一番外側からボールを掴みゴールに放る。
ザシュッとネットを揺らし、ボールはダンッと床に落ちた。
3Pシュート………
「はぁー疲れた。楽しかったです♪沙耶香さん♪」
「あーあ負けちゃったか…うん。まぁ楽しかったよ。シュート打つ前にカットされるのがアレだったけど…」
「だって結構本気でしたし」
義和は口角を上げながら言った
「あ!」「ん?」
義和は健の声が聞こえた方へと向く
「あぁー」
「よしくん!!おつかれー」
ジャンプして抱きついてきた
「ありがとう」
瑞穂の頭を撫でながら言うととても笑顔を返してきた。