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第2話~現代魔術~

既に読んでくれた人も、初めての人もこんにちは、白髪大魔王です。最後までお付き合いお願いします。

魔術、この言葉を聞いてどんなものを想像するだろうか。

常軌を逸した力、奇跡を起こす技、無から有を作る術、大概の人はこう思うだろう。魔術が公認されて十数年たった今でもそう答える人は多い。

しかし、実際には違う。占星術、アルカナ、錬金術、陰陽道など、世界各地には古来から伝わる魔術がある。それらは長い年月を経て学問として大成された。が、その内容は大衆の抱く魔術へのイメージとは少し違う。

手から炎を出したり雷を操ったりなどは出来ない。いきなりカボチャの馬車を呼び出したり問答無用で一国の王子を蛙にしたりすることも無論不可能。

大抵、魔術が出来ることは吉凶や才能を占ったり、運勢を最大限生かすことぐらいだ。正直、ショボい。一応、理論的には―ここで言う理論とは、魔術理論のことだ―他人を呪ったり、人工生命体の開発、悪魔や天使の召喚も出来る。だが、そんなことが出来る魔力を持っている魔術師など、今はいない。

魔力というのは、血筋や先天的なもので決まる。ちなみに、安部雅は安倍晴明の末裔らしい(名字が微妙に違うが)。残念なことに、俺や銀にはそんな素晴らしいご先祖様はいない。

これが魔術。


そして、そんな魔術を学べるのがここ、国立魔術高等専門学校だ。ここでは、通常の授業とは別に学課ごとに魔術を学べる。

錬金術学課、陰陽道学課、占星術学課、天使・悪魔学課、アルカナ・タロット、ルーン魔術学課の六つだ。勿論、魔術の種類はまだまだあるが学問として公認されているのはこれだけなのだ。


気が付くともう目の前は天文学室だった。


ガラガラ


教室は既に多くの人でいっぱいだった。

「そっか、今日は先輩もいるんだっけ」

すると、少し遠い席から一人の女の先輩が遠慮がちに手を振るのが見えた。俺はそれを確認すると、その先輩、藤井椿さんのもとへ向かった。

「おはようございます、藤井さん」

「おはよう、セツナ君」

ここでは専攻学課ごとに師弟関係を作っている。三年生は二年生を弟子に、二年生は一年生を弟子にとる決まりになっている。俺は二年生だから、三年生を師匠に、一年生を弟子に持っている。つまり、板挟みの状態。そして今日の授業は三年生と二年生の授業なのだ。

「先輩、今日はよろしくお願いします」

「別にそんなに畏まる必要は無いわよ、セツナ君。もう、一年以上の師弟関係なんだから」

確かに、俺が一年生の頃からの師弟関係で、今はもう9月だから一年と五ヶ月間の師弟関係になる。

しかし、それでも敬語は崩さない。いや、崩せない。

肩までかかる長い髪、いつも浮かべている柔らかな笑顔、少し背は低いがそれを補って余りある魅力の持ち主である。さらに、聞いた話では成績は学年一位という物凄い人物なのだ。

だから、俺は尊敬の意味を込めて敬語を崩さない。もっとも、ほとんどの人は軽い口調で話しているが。

「そういうわけにはいきません。一年以上経っても師匠は師匠ですから」

「そっか、真面目だね。疲れない?」

「大丈夫です。真面目だけが取り柄ですから」

本気の話だ。

「そんなこと無いわ。占星術、筋がいいと思うわ」

「有り難うございます」

いい忘れていたが、俺は占星術を学んでいる。当たり前だが椿さんもだ。ついでに、銀は錬金術、雅は陰陽道を選択している。

「おい、もう休み時間は終わったぞ」

いつのまにか占星術担当の古林先生|(男)が教室に来ていた。

「じゃあ授業始めるぞ。今日は神話の紐解きだ」

こんな当たり障りの無い日常がゆるゆると流れた。

白髪大魔王です。まだまだ拙い文章ですが、今後ともよろしくお願いします。ついでに、押し付けがましいですが、感想を書いてくれたら嬉しく思います。

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