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ツバサに乗せた想い  作者: 与茂内 翼
Second: 青春
7/15

006

【年が明けて、冬休みのとある日】



「…春季大会?」


「あぁ、そうだ。今度の冬季大会は、ちょっと都合により中止となってしまった。

 だから、次の地区大会の予選に勝ち進むと、その春季大会がお前たちの最後の試合となる。」


「…マジすか。」


驚きを隠せない、2年生。

それもそのはず、3年生が引退してしまってある程度月日がたって、

まだ3度目の大会を目前にして引退試合の話をされてしまったのだ。


「すまないな。今年は不幸が続いててな…。前会長が亡くなったため、私が次期会長に指名されてしまったのだ。」


「えぇ!?先生がっスか!?」


「…これでも昔はオリンピックの選手の候補だったからな。

 怪我で引退するまでは。」


「怪我…か。」


「まぁその話はまた暇なときにしてやる。

 次の試合まで期間が空いてしまったから、また基礎から始める。部長、頼むぞ。」


「あっ、でもその前に今日やるチーム決めはどうするんです?破棄ですか?」


ちょっと先生は考え込み、椅子から立ち上がって言った。


「いい機会だ。まだチーム決めには早くなってしまったが、今日からランク決めをしよう。

 しばらくは今日から決めるチームごとにメニューを片付けろ!!」


「はい!!」




ランク決めというのは、この白雪中学校のバドミントン部の中で7人程度に区切ってA・B・C…と、

団体や個人戦に出場するメンバーを強さ順に決めていくシステム。

勿論、上から順に団体戦からなにから決められていくので、友人同士でも気が引けない戦いとなる。


その中でも本当に平均的な力しかない山下はCランクだった。



「お前はCランクからの順位争いだな。Bにならなきゃ団体戦出られないぜ?ww」


「うるせぇ。俺の外周ランニングのタイム見てみろ。」


準備体操をしながら言う。

そして、友人の山上がタイムボードを見て驚いた。


「11分11秒!?お前、いつからそんなに早くなってた!?この間なんて15分台だったろ!」


「へっへー。何故か体力がいきなり上がったんだよね。俺でもびっくりだよ。」


「…まぁいいさ、俺に追いついてみろって!一緒にダブルス組もうぜ!」


「上等だ!」





「…くッ!!」


パァン


パシィッ


「せいっ!!」


バシュゥン!


トンッ


「サービスオーバー、トゥエンティーワン・エイティ。ゲームセット!」


Cランクの最後の試合は、山下が相手のロブを巧みにスマッシュで決めて、ゲームセットとなった。


「くっそ…俺の負けだ。」


「っへっへー!やりい!! さぁて、次はBランクの奴だけど誰だ?」


Cランクの上位をもぎ取った隆は、喜びに満ち溢れんばかりの顔だった。

各グループの第一位は、もうワンランク上の最下位と闘うことになっている。


その相手とは…



「…え。山下?」


「…うわ。お前かよ…冗談だろ…」



やはりというか、なんというか、笠島愛だった。


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