呼ばれていると思うのは
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
思い上がりも甚だしいと思いながら。
でも推しの概念とか名前見るだけでも幸せになれるんだよな。
行く先々で手に入れたパンフレットを、クリアファイルホルダーに入れて保管している。部屋で其れを眺めていると、客人が一人現れた。
見知らぬ人だった。髪は肩まで、眼鏡を掛けている。利発そうな顏は優等生を思わせた。
彼女は其れを一瞥すると、同じ様なホルダーを鞄から取り出して、ただ一言こう言った。
「見せて。私も見せるから」
彼女もどうやら私と同じ様に、手に入れたパンフレットとファイルに保存しているらしい。ただ一つ違う所があった。其れは子牛の写真が所々に入っていた事だ。手足を畳んでまるまる姿は、和菓子を連想させる。
「其の子、学校で飼ってる子。豆大福って名前なの」
「へぇ、可愛い」
「行く先々でもずっと一緒に居たいから」
彼女は小さな鞄の方から陶器製の急須と茶缶を取り出した。其れから、もう一つ。大きな紙袋の中から、これまた大きな缶を取り出した。正方形の中に海苔が入っていそうな物。けれども模様は華やかで、黒を下地とし、全面に桜の模様が貼り付けられている。
「これ、お土産。開けてみて。お菓子だから、一緒に食べよう」
そう言われるがまま、缶の蓋を開けると入っていたのは、桜の花弁だった。水気がなく、萎れ、くしゃくしゃになった物が缶一杯に詰められている。それでも乾燥仕立ての香ばしさや、塩漬けされた甘塩っぱい香りは、興味を引くには十分過ぎる物だった
「桜のお菓子か」
「違うよ。梅だよ」
「え……でも」
花弁の先が二股に別れている。星のような形が桜ならば、玉状のものが梅なのだ。
混乱したまま彼女を見ると、悪戯っ子のような顔で笑っていた。何だかからかわれている気がする。だから私は彼女の振る舞いに乗ることにした。
「有難う。梅のお菓子。気に入ったよ」
「どういたしまして。此方も『有難う』」
――有難う。
彼女が最後に伝えた言葉。『有難う』それだけが重なって聞こえた。彼女の声だけではなく、他の誰かの声も混ざった様な。
いよいよ違和感が抑えきれなくなり、徐に口を開く。
「ねぇ、貴方……」
目が覚める。私は何時も通り、自分の部屋のベッドに包まっていた。どうやら夢を見ていたらしい。あの全ての摩訶不思議な体験も、全て夢だと思えば納得がいく。
部屋を出て、テレビを付ける。するととある神社の特集が組まれていた。
――〇〇〇〇名物、梅の塩漬けです!! これは梅干しでしょうか?
寝ぼけ眼でじっと観察する。夢で出来たのは花弁の塩漬けった。実とは関係がない。けれどもどうにも関連性を感じて仕方がなかった。
呼ばれていると思うのは、私の思い上がりだろうか? それでも思わずには居られ無いのだ。『貴方様が平穏無事でありますように』と。
推しがいるとですね、名前とか概念見るだけでも幸せになれるんですよ。
だから昨日の終わりは幸せでした。へへへへへ。
今回は見た夢の話。
前半は自分の部屋で戦争が起きる話でした。
一般人が一般人に向けてサリンを放出する惨い話。
冷や汗掻いていたら、救ってくれたのが彼女です。
旅先で集めたパンフレットをフォルダに仕舞って、たまに捲るのを趣味としてます。
案外楽しい。思い出の見返しに繋がるので。
そういえば、他愛のない悪戯が好きだったなと。
なんて言うか、お茶目なんですよ。
人が驚いた顔を見るのが好きっていうか。
存在してるだけで苦しいから、ちょっとでも楽しいことしたくてやってる感じ。
クソデカ感情に比例して、滅茶苦茶愛情深い方なので、律儀だなって思ったり。
思い上がりですけど、嬉しいと思って下さっていれば良いなって。