猫が好きな君は
雨上がりの午後、猫の形をした雲を見上げた私。
そこで出会ったのは、光の粒から生まれた少年だった。
泣けない私と、代わりに泣いてくれる彼。
心の奥にそっと触れる、ひとつの小さな物語。
雨上がりの午後、猫のような形をした雲がゆっくり流れていった。
私はそれを、ふと触ろうとした。
指先が空をなぞると、雲の中から小さな光の粒がぱらぱらと零れ落ちてきた。
「あっ、霰だ。」
そう思った次の瞬間、その霰のひとつが小さな声で
「やっと気づいてくれたね」と呟いた。
「そっか、、いいんだ。君みたいに綺麗に泣いて。」
唇を噛み締め、黒に染まった上着を脱ぎ捨てた。
霰は光の粒を揺らしながら落ちていき、地面に届く寸前にひとりの少年の形になった。
「君が泣けないなら、代わりに僕が泣くよ。」
「だめ…。これは私の涙でしょ。」
イタズラに笑った少女は拭った。
「もう、大丈夫だから…私のここに居てよ。」
胸を2回トントンと、叩いた。
少年はその言葉に目を見開き、やがて微笑んだ。
「わかった。君が笑えるなら、僕はここに居続ける。」
そして二人は、まるで長い冬を終えたように、そっと手を重ねた。
「今までありがと、、次会うのは、、80年後?」
微笑みながら、その光を見送った。
空はもう、
雲ひとつなく晴れていた。
そして少女は、
ひとりになった街の中で力強く歩き出した。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
AIと小説リレーで生まれた物語です。
少しでも心に残ったら幸いです。