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愛のない結婚をした継母に転生したようなので、天使のような息子を溺愛します  作者: 美杉。(美杉日和。)6/27節約令嬢発売中


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044 まさかのキャスト

「ビオラ様のところはそれでも良いとして、フィリア様のところはどうなんです?」

「そうそう。確かソニア様の子どもと同い年でしたわよね」


 良いとしてって、何目線だ、これは。

 先輩ママ目線とか?


 やだ、ママ友ってこんな感じなのかしら。

 マウント合戦とか全然嫌なんだけど。


 だいたい、この人たち身分制度って分かっているのかしら。


 ひとまずそれはあとで言及するにしても、フィリアの子どももルカとも同じ年なのね。


 急に話を振られたフィリアは、やや困ったようにその眉を下げた。


「うちは……」

「だって旦那様は第二騎士団の騎士団長様なんでしょう? 準男爵だって一代限りですし、学園ででも縁を作って嫁ぎ先を見つけて差し上げないと」

「そうそう」


 嫁ぎ先ってことは、女の子か。

 だけど、まだたったの四歳でしょう。

 今からそれ心配することではないし。


 しかもすごく余計なお世話じゃない。

 どこかの田舎のお節介おばさんみたいだわ。


 いるのよね。

 全然関係ない癖に、結婚はまだかとか。

 嫁行く先はあるのかとか。


 ホント、あれは何なのかしら。

 言いたいだけ?

 言われた方は不快でしかないってのに。


「娘はどちらかというと騎士に憧れがあって、中々勉強は難しくて」


 やや下を向きながら言うフィリアに、三人の口撃は止まらなかった。

 女の子なのだからから始まって、そんなことでは嫁になどで終わる。


 どこの姑だよと思うほど、結構な勢いで酷い。

 お節介オバサン超えてたわ。


 でも本当にあれね。

 この人たちに家には、嫁とか婿とかにあげるの嫌だって聞いていた人なら思うわ。


 私は彼女たちに気付かれないようにため息を落とすと、フィリアに声をかけた。


「今は女性騎士もいるし、女性の王族の護衛などに就く人も多くなったわよね」


 私の言葉に、三人はピタリと会話を止める。


「侍女兼護衛みたいな感じで。姉や私のところにも、そういう騎士はいたわ」

「そうなのですね」

「ええ。もちろん外での護衛騎士は男の方だったけど、さすがに部屋にまでってなると男の人ではね」

「へ、へぇ。そうなんですね」


 たじろぐ三人を無視し、私はフィリアの方を見た。

 とりあえず、彼女とだけ話していた方が心が平和ね。


「ねぇフィリア様、お子さんの名前はなんていうの?」

「うちの娘はバイオレッタと申しますわ、ビオラ様」

「まぁ、可愛らしい……名前ね」


 その名前を聞いた私は、極力感情を顔に出さないようにした。


 バイオレッタ。

 私はその名前をよく知っている。


 めっちゃヒロインじゃない。

 ちょっと、こんな子どもの頃からルカと接触あったってこと?


 お話の中では二人が出会うのは成人してからよね。

 話し早すぎない?


 違う。やっぱり話の展開が全然変わってきちゃっているんだ。

 それもおそらく、私のせいで。


「うちのルカは今四歳なのだけど、仲良くしてくれるかしら」

「ええ、もちろんですわ」


 この席で初めてフィリアの顔が輝いていた。


 でも話しの展開が本当に変わったのなら、彼女のこともいろいろ気を付けてあげないと。


 だってバイオレッタは、本来の話ではルカと会った際にはすでに天涯孤独だったのだから。


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