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宇宙旅行  作者: マコト
地球(西暦三千五百四十年)
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消えた青年

「ラズ!」


 グレンが急いで、地に落ちた青い結晶を手に抱える。彼は浮遊して行こうとしたのだが、魔法を使うことができなかった。この世からフリーエネルギーや魔力が消えたのだろうか。それは、つまりは青い結晶のフリーエネルギーによって、赤い結晶が魔法を使った事になる。


 ラズは自らの身を犠牲にして、この世界の数多の人々を救ったのだ。これでリーナの想いは叶えられたのだろうが、グレンの中には虚無感しかなかった。また、結局、好意を持てる人間を失っただけであった。


「私は結局何をしていたのだ・・・」

「貴方はスプライト。主人であるリーナさんの命に従っただけですよ。名前のプログラムより強力なね」

「黙れ! 命令などではない!」


 グレンが怒りを込めた口調で言うと、神楽が膝を地につく。

 神楽の表情は苦しそうであった。


「なるほど。貴様の身体はフリーエネルギーが動力だったか。そのものが無くなったのだな」

「まあ、そんなところです。もう時期私は死ぬでしょう。だから、最後にやるべき事がある」


 神楽はスマートフォンの様な物を床に置く。


「ここに、ある場所へのルートがある。動力源は電気だから動くはずだ。そこに、私の地球の仲間がいる。既にこのことは伝えた。貴方達は英雄として、丁重に扱われるはずです。首輪も安心してください。その動力もフリーエネルギーですから」

「何故、我々を助ける?」

「私は常に人を幸せにしたいだけです」

「戯けた事を」

 

 グレンが吐き捨てる様に言う。


「ただ、一番大切な人間を幸せにできなかった。彼のことを思うと悔やまれる」


 神楽はそう言うと目を瞑る。それは何か過去の事を思い起こす様な表情に思えた。

お読みくださりありがとうございます。

途中の章から入られた方は、最初からお読みいただけると嬉しいです。

評価など頂けますと励みになります。


下記にも訪れていただけますと幸いです。


https://dreampiece.jp/contents/15/detail

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