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1-1 Break-G No.1
「それはその……」
イジメられている。
けれども、そのことをレンちゃんに言うのは気が引けたので……。
「うんうん、大丈夫」と嘘をついた。
「そうですか……」
レンちゃんが二、三歩前へ出た。
瑠璃色の髪が電灯に反射して、輝く。
「もし何かあったら、いつでも私に言ってください」
――絶対、力になりますから……。
「うん、わかった」
私の言葉に反応して、レンちゃんが振り向く。
その顔は満面の笑みだった。
「じゃあ、約束ですよ」
この時点で、私は重要なことに気がついていなかった――
私たちの背に禍々しい影が迫っていることを。