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THE FLIES ~蠅人間たち~  作者: セクシー・サキュバス
EP.荒井 No.1
7/19

1-1 Break-G No.1

「それはその……」

 イジメられている。

 けれども、そのことをレンちゃんに言うのは気が引けたので……。


「うんうん、大丈夫」と嘘をついた。

「そうですか……」

 レンちゃんが二、三歩前へ出た。

 瑠璃色の髪が電灯に反射して、輝く。


「もし何かあったら、いつでも私に言ってください」

 ――絶対、力になりますから……。


「うん、わかった」

 私の言葉に反応して、レンちゃんが振り向く。

 その顔は満面の笑みだった。


「じゃあ、約束ですよ」


 この時点で、私は重要なことに気がついていなかった――

 私たちの背に禍々しい影が迫っていることを。

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