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THE FLIES ~蠅人間たち~  作者: セクシー・サキュバス
EP.零
1/19

0-1 駆除 No.1

『蠅人間』――

 魔神ベルゼブブに魂を売った者の末路。

 欲深い人間の前にベルゼブブは現れる。


 ベルゼブブはその人間の魂と引き換えに、欲を叶える力を与える。

 力を与えられた人間はほとんどの場合、力に呑み込まれ――

 自我を失い、人間と蠅が混ざった異形の存在『蠅人間』になる。


 そうなったら最後、欲望のままに暴れ、どこまでもこの社会を破壊し尽くしてしまう。


 * * *


「この村もその被害者の一人だ」

 S県のとある村の様相を目にし、思わず私は呟いた。


 田園風景は真っ赤に染まり、そこら辺中に元々人間だったものが散乱している。

 私の故郷でもこんな惨状は見たことがない。

 この私、(リン)イーアルはそう思った。


「あの……」

 隣から弱々しい声が響いてくる。

 初老ぐらいの男が心配そうに口をぱかぱか開いていた。

「『駆除師』様、お一人で本当に大丈夫なのでしょうか……?」


 そういうことか。

 このジジイ、私一人で蠅人間を殺せないと思っているのだな。


馬鹿にするな(别傻了)

「はぇ……?」

「いえ。まずはお話をお聞かせ願えますか?」

「あぁ、それなら……」

 男は村の中央にある大きな建物を指さした。


「ここではあれですので、私の家にいきませんか?」

「では、そうしましょう」

 私は了承して、男の後をついていった。


 * * *


 男の家。私は広い部屋に通された。

 そこは床の間がある和室だった。

 この国にきてから、ここまで本格的なのを見るのは初めてかもしれない。

 男に促されるまま、私は座布団に腰を下ろす。


「改めまして、この村の村長の斎藤サンタロウと申します」

 男改め――斎藤は私の向い側に座るとお辞儀をしてきた。

 私もお辞儀を返す。

「では、今回のあらましをお話しいたします」

 斎藤は神妙な面持ちになって、慎重そうに話を始める。

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