手加減と入都チャレンジ
王都に向かう道中で、魔物に会いに会いまくってはいるのだが別に問題ではない。ただ、一つあげるとしたら返り血だ、手加減をしてもしても魔物は爆散する。その度に俺はサンタクロースの様になる。
「よし、手加減の練習をするぞ!」
「確かにそうした方がいいとは思うけど」
「そうですねえ、毎回私が体を拭くわけにも行かないですし」
「何かいい方法ないかな?」
「魔法とか使ってみたら?」
「小さい頃めちゃくちゃ練習したんだけど回復魔法しか使えんのよ、なぜか」
「見た感じ魔力量に問題は無さそうだしね」
「そうですねえ、では絶妙な速さで回復魔法を相手にかけるのはどうでしょうか?手加減をしていては技が鈍りますし」
という訳でお試しのために適当に歩き回っていると、草むらからコボルトという二足歩行の獣の魔物が飛び出てきた。
「よし、やるぞ」
俺はすぐにコボルトの懐に飛び込み拳を放つ。そしてコボルトが割れそうになる瞬間に回復魔法をかける。完全に治すことは考えずに程よく治す。その結果俺はサンタクロースになることを防ぐことに成功したのであった。
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「ここに手をかざしてください」
王都に入るためにはこの門を通らなければならない。別に壁を壊すことは簡単なのだが、そんなことをしようとするほど戦闘狂ではない。
門番に言われて水晶に手をやると、少し光った。
「わかった、入っていいぞ」
何で入っていいか悪いかを決めているのかはわからないが、別に入っていいなら問題はない。
リグレスですら入る許可をもらっていたところを見て、俺はますます何を基準に入場を許可しているのかわからなくなった。
だが俺はセシルのことを忘れていた。
「ダッ、ダークエルフ?変装しているわけではないんだよな?」
「うん、そんなことはしてないよ」
「少し待っててくれ、上の者を呼んでくる」
セシルは恥ずかしそうにこっちを見てきている。確かに周りの人から何か見られてるなあーとは思ったが、それは俺達が美少女だからだと思っていた。そういえばダークエルフを見たことのある人間はもう全員死んでいるのだ。
少し時間が経ってから、ガシャガシャと慌ただしい金属音が聞こえたと思うと、髭を蓄えた見るからに偉そうな中年の男が出てきた。
「私は入都管理許可の責任者のサノスだ、申し訳ないがここまで来た理由を話して欲しい」
「僕達ダークエルフは人間との交流をする意志があるってことを伝えに来たんだ」
「なるほど、、、」
サノスは少し考えた後にとりあえずこちらに来てくれと、セシルに手招きをした。
「俺達も行っていいか?一応そいつの護衛役でここまで来てるんだ」
「ああ、構わない。入都ができているところを見ると大丈夫だろ」
俺達は椅子と机しかない簡素な部屋に連れて行かれた。その部屋でしばらく待っているとサノスが通信のための魔道具を持って入ってきた。
「これで、王との話ができるはずだ」




