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16 そして運命の出会い
しかし、小学校の高学年以来すっかり女性不審になってしまっている上、
再び女の子としての人生を再開させる事が、
心身ともに受け入れられなかった令太は、
自分が転入する事になっていた一年菫組の教室に案内される直前に、
担任の愛雛彩先生の元から逃げ出した。
もはや自分の人生の何もかもが嫌になった令太は、
このまま学園の屋上から身を投げ、その命を絶ってしまおうと本気で考えたのだ。
しかし、その異変に気付いた令が令太を執拗に探し回り、
令太は必死にそれから逃げた。
そしてその途中で出会ったのが、紳士クンだった。
その時の令太の反応や、それ以降の紳士クンとの接し方は、
第二巻以降でちょいちょい語られているのでここで殊更語る事はないだろう。
とにかく令太はそんな生い立ちから現在に至り、
結局は今もこうして女の子として学園に通い、日々の生活を送っている。
そんな悩み多き少年である令太が今現在、最も頭を悩ませているのはこれだった。
俺は今度の休みに、蓋垣の家に遊びに行ってもいいのだろうか?




